(331)秋田木工の剣持スツールをDIYで張り替えリメイク【脚部編】
マンションのリノベーションもいよいよ大詰め。
内装工事もほぼ完了し、内見に向けて室内を仕上げていきます。
今回ご紹介するのは、この部屋の雰囲気に合わせてDIYで生地を張り替え、脚を塗装したスツール。
ビフォーはこんな感じでした。
秋田木工のスタッキングスツールは、デザイナーの剣持勇によってデザインされ1950年代に発売されてから100万脚も生産されたという名作です。
張り替え方法については以前「日刊Sumai」の連載でも書きました。
今回は、脚部の塗装も含めて、より突っ込んだかたちでリポートしてみようと思います。
■まずはスツールの座面と脚部の解体から
このスツール、もともとはビニールレザー張りでした。
それを実家のリフォームの際にDIYで張り替えたのですが、当時は今よりも知識がなかったため脚部をうまく外すことができず、座面がついたままの状態でムリヤリ生地だけを張り替えました。おかげで留め方が雑になってしまいました。
生地もピシッと張られておらず、シワが寄ってしまっています。
今回はしっかりと解体したうえで生地も丁寧に張り替えたいと思います。
脚部は座面裏側の4か所で固定されています。
通常なら、このボルトをペンチで回せば外れます。
しかし。
古いものになるとサビなどのせいでボルトがネジと一体化してしまい、ネジごとクルクルと回ってしまって外れない場合があります。動画を撮ってみましたのでごらんください。
ボルトと一緒に下のネジまで回転してるのがおわかりになりますでしょうか。これでは外れません。以前は、ここであきらめたのですが、今回はペンチの二刀流でトライしてみました。
片方のペンチでネジの頭を押さえつけながら、もう一方のペンチでボルトを回します。
無事にネジをゆるめることに成功。
なんとか解体できました。
■ミッチャクロンで脚部の塗装の下準備
外した脚部からリメイクしていきましょう。やすりがけしてからオイル仕上げという手もありますが、今回はペンキで塗装してみたいと思います。
メーカーのシールをはがし、シール跡を中心に清掃しました。
市販品の家具の木部は何らかの防汚仕上げが施されていることが多いので、このまま塗装してもうまく塗料がのりません。
そこで、塗装の下準備に「ミッチャクロン マルチ」を使います。
さまざまな素材にスプレーして塗料を「密着」させることができます。
脚部全体にまんべんなく吹き付けます。スプレーの臭いはけっこうきついので屋外で作業しました。
二時間ほど待ってしっかり乾いたのを確認したら、塗装準備完了。
■ターナーのミルクペイントで二度塗り
塗料はターナー社のミルクペイント(スノーホワイト色)を使います。
以前使ったときに優しい色味が気に入りました。少量なので家具などの塗装にも使いやすいです。
これを容器に移してハケで塗りつけます。
ミッチャクロンのおかげでペンキも弾かれず、しっかり塗れます。
あっという間に塗り終えました。壁や天井などの塗装とくらべると断然ラク。
残念ながら、一度塗りでは下地が透けてしまいます。
乾いたのを待ってから二度塗りしました。
ハケの塗りムラが目立ちますね。ちょっと厚く塗り過ぎてしまったかな。もっときれいな仕上がりをめざしたい方は薄く丁寧に塗り重ねたほうがいいかもしれません。
■最後の仕上げはつや消しウレタンニスで
まだ終わりではありません。仕上げに汚れ防止のためのニスを塗り重ねます。
ニスといえばおなじみのメーカー・ワシンの「水性ウレタンニス つや消しクリヤー」です。
容器に移してハケで塗ります。
透明な上につや消しなので、ちゃんと塗れているかいまひとつわからない……。どこから塗り始めたか、ちゃんと覚えておいて塗り残しのないように注意したほうがよさそうです。
塗り終えました。ちょっと離れて見ると、塗りムラはそこまで気にならない印象なのでよかったです。
脚部のリメイクはこれにて完了。工程は多めでしたが、どの作業も難易度は高くないのでラクでした。 難所はやはり座面の張り替えでしょう。
後編に続く。