(338)【前編】既製品の照明パーツで壁付けアームライトをDIYする

家具や雑貨

前回、ダイニングの障子にシナベニヤを張って雰囲気を変えてみました。

今回はダイニングに設置した照明の話をいたします。

ダイニングとアームライト

一見、なんてこともないアームライトですが、実はいろいろと頭をひねってDIYしたものです。


■既製品のアームライトはどれも高価で手が出ない

ダイニングテーブル

我が家のダイニングテーブルはかなり小さめでかんたんに移動ができて便利なのですが、机の上を照らすようなペンダントライトを設置するのが難しいのが悩みでした。

自宅のペンダントライト

これは世田谷の自室の写真ですが、一般的にペンダントライトは天井の決まった位置に設置するものなのでテーブルを動かすように動かすことは難しいのです。

照明イメージのラフスケッチ

こんなふうに壁付けにしてスイングして動かせるような照明なら便利です。

呼び名を調べてみると「アームライト」とか「ブラケットライト」とか「ウォールランプ」とかいろいろあるようですが、そういう照明を探してみることにしました。

最初に気になったのはIDEE(イデー)の店頭で見かけたセルジュ・ムーユの照明。「アプリク ミュラル ドゥ ブラ ピヴォタン」という舌を噛みそうな名前の壁付け照明です。

「Yahoo!ショッピング」からリプロダクト品の画像をお借りしましょう。(画像にはYahoo!ショッピングの商品ページへのリンクが張られています)

上下2本のアームをスイングさせて、さまざまな位置を自由に照らせる素晴らしい照明ですがとにかく高い。リプロダクトでも5万弱、正規品ならば「143,000円」の高嶺の花。アームが1本のタイプでもこの半額くらいはしますから、とても手が出せません。

リサーチを続けると、もう少しお手頃なものも見つかりました。「DI CLASSE(ディクラッセ)」の「アルル」というウォールランプです。(画像にはYahoo!ショッピングの商品ページへのリンクが張られています)

こちらは「27,100円」。ムーユの照明よりはぐっとお求めやすい価格ではありますが、それでもやはり高価なお品。個人的にはもう少し光源が低めなほうがいいかななんて思ったりもします。

アームライトといえば、以前ご紹介した「ドローアライン(DRAW A LINE)」にもちょうどいいもの(009 Lamp C(ランプ シー) )がありました。(画像にはYahoo!ショッピングの商品ページへのリンクが張られています)

しかし、こちらもセットで「36,850円」とやっぱり高価。

既製品のなかで予算的に折り合うものは見つかりそうにありません。ならば既製の照明パーツを組み合わせてDIYで作れないかと考えたのです。


■既製のペンダントライトと看板灯用のアームを組み合わせる

あらかじめお断りしておくと、電気工事士の資格が必要な壁内の配線に対し、コンセントに取り付ける照明器具などを素人がいじることは違法ではありません。

しかし。

照明の改造も広義の電気工事ではありますから、素人が手を出すことはあまりほめられたことではありません。リスクを承知の上で安全に配慮しつつ作業することが大前提です。自分もやってみたいという方は十分にリサーチして自己責任でトライしてください。

というわけで用意したのがこちらの2つのアイテム。

アートワークスタジオのペンダントライト「シュガー」

「アートワークスタジオ(Art Work Studio)」の「シュガー(sugar)」と、

看板灯用アームF13/BKのパッケージ

岩崎電気の「看板灯用アームF13/BK」です。

「シュガー」のシェード

「シュガー」は陶器でできた円錐型のシェードが美しいペンダントライトです。

定価だと「14,300円」しますが、僕はアウトレットで7,000円くらいでゲットしました。

看板灯用アームF13/BK

一方、岩崎電気のアームはその名のとおり屋外の看板灯に使われるもので本来は適合する別パーツと組み合わせて使うものです。

こちらは楽天で送料込み3,000円ほどでした。

この2つを組み合わせてアーム式のペンダントライトを作ります。


■DIYの山場はコードを延長するための結線作業

ざっとアイデアをまとめてみました。

アームライトのラフスケッチ

ポイントはコードの延長です。

「シュガー」のコードはおよそ1メートルですからそのままでは床上のコンセントまでは届きません。アーム内にコードを通す際に他のコードとつないで延長してやる必要があるのです。

また、天井のシーリングに取り付けるように作られているので、コンセントに挿して使用するには手を加えねばなりません。

まずはライトの取り付け口(引っ掛けシーリング)を分解します。

引っ掛けシーリング内のコード

照明コードが結び目になっているのがおわかりでしょうか。

照明コードの結び目

この結び目(と下のプラスチックのパーツ)で端子(輪っかみたいなやつ)の接続部分にかかる灯具の重さを軽減する仕組みになっているようです。

ほどいた照明コード

結び目をほどいてコードの状態に戻し、シーリングカップも外しました。

平形ビニールコード

一方、こちらは足りない分の長さを補うためのコード。ELPAの「一般配線用 平形ビニールコード4m」です。

アマゾンで購入しましたが、ノーマルなコードなので同等の商品はホームセンターでも取り扱いがあるはずです。

これを必要な長さにカットして先ほどのペンダントライトのコードと接続するのですが、

電工ペンチ

そのためには電工ペンチを用意する必要があります。

電気屋さんがよく使っている専用工具です。電工ペンチなしには電線をいじることはできないので照明器具の改造には必須のアイテムです。

切断した照明コード

照明のコードを必要な長さに切断します。

結線前のコード

左が延長用のコード、右がペンダントライトのコード。

この2つのコードをつなげる作業が今回のいちばんの山場です。

圧着スリーブ(圧着端子)

そのために使うのが「圧着スリーブ」です。

アマゾンで買いましたが、まさかの100個入り。2個しか使わないんですけどね……。

ともあれ、この「圧着スリーブ」が電線をつないでくれるジョイントパーツのような役割を果たしてくれます

コードの太さの確認

「圧着スリーブ」選びにおいてはサイズが大事。コードの太さ=1.25mmに合ったものを選びます。

使い方については裏側に説明がありました。

「圧着スリーブ」の説明書き

コードの被覆(カバー)を8~9mmほどむき、中に差し込んで電工ペンチでつぶすように圧着します。

実際にやってみましょう。

電工ペンチのワイヤストリッパー

電工ペンチの「ワイヤストリッパー(WIRE STRIPPER)」の部分。電線コードの太さごとにサイズが分かれています。

カバーをはいだ電線

1.25のところにコードを通して先端から8~9mmのところでカバーをむき取ります。テレビ線を接続するときに同じような作業をカッターでやりましたが、けっこう面倒だった記憶がありますが、それが一瞬でできてしまいます。電工ペンチってこんなに便利なんですね。

電線をねじる

左のようにバラバラになっている電線を右のようにねじってまとめてあげたら、

圧着端子に差し込んだ電線

先ほどの「圧着スリーブ」の中に差し込みます。

電工ペンチと電線

ここで再び電工ペンチの出番。今度はペンチの先端を使います。

電工ペンチの該当する太さのところ(今回は1.25)にスリーブを挟み込んで「圧着」します。電気屋さんが「かしめる」と呼ぶ作業だそうです。

圧着スリーブの説明書き

先ほどの図だとこんな感じに説明されています。

圧着した電線

「かしめ」た後の電線。この横線が圧着できた印です。これでかんたんには外れなくなります。

圧着作業の済んだ電線

2本分作業したら、続いては反対側にも電線を差し込んで圧着するのですが、その前に。

収縮チューブ

この「収縮チューブ」(ELPAの「PH-648H(BK)」)をコードに通します。

電線を接続した部分はむき出しになるのでこの収縮チューブをかぶせて周囲と絶縁して保護してあげるのです。

コードに通した収縮チューブ

※2022年6月7日追記
読者の方から「電線を2本まとめてチューブに通すと、内部で電線同士が触れあって危険なのではないか」という内容のご指摘をいただきました。まさにおっしゃるとおりだと思います。以下を参考にする方は電線を1本ずつ収縮チューブで絶縁してあげるのをおすすめいたします。

当然ですが、接続してしまったら通せないので忘れないように早めに通しておきました。

圧着の完了したコード

反対側の電線もスリーブに圧着してコードの延長が完了したら、

収縮チューブで覆われた接続部分

このチューブをずらして接続部分を覆ってあげます。

収縮チューブをドライヤーで加熱

ドライヤーで辛抱強く熱を加え続けると、だんだん縮んできます。

縮んだ収縮チューブ

しっかり接続部分がカバーできました。

コードを延長したペンダントライト

照明コードの延長作業が無事に完了しました。

長くなったので、続きは後編で。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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