(39)「オスモカラー」に至るまでの紆余曲折
前回のやすりがけで、ようやく2階の木部の下準備が完成し、あとは塗装を残すのみとなりました。
木部の仕上げに選んだのは「オスモカラー」(OSMO COLOR)。
色はウッドワックスシリーズの「オーク」です。
最終的に決めるまでは、いろいろと迷いました。
今回は「オスモカラー」に至るまでの紆余曲折について書きます。
木部の仕上げは、ニスやペンキはもちろん、ワックスやオイル、ステインなど、さまざまな選択肢があり、どれを選ぶかは「見た目」と「性能」を比べながらの作業となります。
しかし、それらの特徴をひとつひとつ整理し、総合的に比較することは素人の手には余ります。
僕の場合、大事にしたいポイントを挙げ、それに合致する塗料を選ぶ方法を取りました。
【ポイント1】木材の質感をできるだけ残す
「スライスウッド」にしても「ヴィレ」にしても「ユカハリタイル」にしても、実物を見て選び、愛着を感じた素材です。
なので、できるかぎり木材の質感は残したいというのが希望でした。
この時点で、ニスやペンキは選択肢から外れます。
どちらも以前DIYで用いたことがありました。
ニスはスツールを塗装したときに。
ペンキは母屋の木部の塗装に。
湿気や汚れに強く、山小屋の環境にはうってつけなのですが、木材の上にベッタリと塗膜を張ってしまうため、木の風合いは損なわれてしまいます。
その点、ワックスやオイルやステインなら、木の手触りや質感を残しつつ、着色することができます。
【ポイント2】色移りなどは避けたい
次に思い浮かんだのが、愛用している「ブライワックス」(BRIWAX)でした。
以前、日刊Sumaiの連載でご紹介しましたが、ブライワックスは素人でも簡単に扱え、しかも、プロっぽく仕上げることのできる塗料。
これは、toolboxの「ウッドウォールパネル」を「ブライワックス」のジャコビアン(Jacobian)で塗装したものです。
特別なことはしていませんが、けっこうきれいに仕上がるんですよ。
でも、残念なことに「ブライワックス」には色移りのリスクがあります。
仕上げにきちんと磨いてやれば、そうそう簡単には色落ちはしないのですが、上を歩いたり水がかかったりする場所には不向きです。
今回は「ブライワックス」は見送ることにしました。
【ポイント3】事前に仕上がりを確認したい
さて、どうしようかと迷っていたところ、きっかけを与えてくれたのは第37回でご紹介した「ユカハリタイル」の「コグチ」でした。
実はこれ、表面に「オスモカラー」の「エキストラクリアー」が塗装されているのです。
表面をよく見てみると、うっすら塗装されているのに気づきます。
「オスモカラー」については「地球と人に優しい系だけど、わりとお高い塗料」というイメージしかなかったんですが、いざ調べてみると、木の質感を残しつつ、水にも強い仕上げが可能だということがわかってきました。
ひょっとすると「これは自分の探していた塗料かもしれん」というわけで、「オスモカラー」のショールームに問い合わせてみると、なんと木材持参で試し塗りができるとわかりました。
これ、なかなかすごいことだと思います。
ワックスやらオイルやらを検討したことがある方なら思い当たるかもしれませんが、同じ塗料でもどんな木材に塗るかで、色の仕上がりは全然ちがいます。
よくホームセンターなどの店頭に木材に塗装したサンプルが展示してありますが、それが自分の使いたい木材と同じである可能性はひじょうに低い。
かといって、「まずは試しに気になる色を2、3色」なんて買えるほど安くないのもツライところ。
結局は、ダメ元でチャレンジせざるをえない「出たとこ勝負感」があるのが難点です。
ですが、自分で木材を持参して着色できるとなれば、これはもうまちがいようがありません。
しかも、ショールームでは、担当の方がこちらの希望をヒアリングしてくれた上で、商品ラインナップから最適なものを選んでくれ、しかも、塗り方や塗料の扱い方などを実技で懇切丁寧に教えてくれるのです。
ショールーム体験の詳細はSumaiの連載(前編・後編)をごらんください。
これだけ至れり尽くせりなサービスが提供されているとわかった時点で、僕の心はもう「オスモカラー一択」でした。
問題は、豊富に用意されたカラーバリエーションから一体どれを選ぶか、です。
次回は、木部の色合いとインテリアのテイストについて考えます。