(42)いろいろ迷って電気コードはそのまま露出で配線することに決めた
※2023年4月12日追記
金属製の露出配管についてはこちらやこちらの記事で詳しく書きました。
前回は2階の壁に「オスモカラー」を塗りました。
今回は、この壁にどうやって電気配線を設置するか考えます。
電気配線(やスイッチやコンセントの本体)は壁の中に埋め込まれているのが一般的。
写真のように壁の中にあるていどの空間があって埋め込める場合は問題ありません。
しかし、リノベーション工事だと、既存の壁や天井がブロックやコンクリートでできていることも多く、コード用の穴や溝を加工するのが困難な場合も多々あります。
壁をふかす(=上に壁を増し貼りする)こともできますが、お金がかかります。
また、今回の山小屋のように壁の下地に直接内装材を貼りつけて仕上げると、配線を壁の中に埋めることはほぼムリです。
そういう場合、電気配線をパイプの中に収めて露出で配管したりします。
これはtoolboxのショールームで撮影させていただいた画像。
こんな具合に配管をインテリアの一部にして見せるやり方は、最近ではすっかりおなじみになりました。
壁の中に埋められる場合でも「あえて見せる」ケースも多いようです。
うちのマンションでも、ブロック部分にスイッチやコンセントを増設した際に、この手法を採用しました。
鉄の配管だけだと予算がかかるみたいなので、塩ビ管やプラスチックを併用してもらっています。
最後に壁も含めて白のペンキで塗装しているので、元の素材が鉄でなくてもチープな質感にはなりません。
さて、今回の山小屋の壁はどうすればいいでしょうか。
当初は、toolboxのショールームで見たような鉄管を採用するつもりだったのですが、鉄管の「シルバーっぽい色合い」がどうも気になりました。
というのも、今回のリノベーション工事では階段まわりにアイアンの手すりを新たに設置することに決めていたため、
それに合わせて設備関係はなるべく「ブラック」のカラーでそろえたいと思っていたのです。
木製の階段も手すりにあわせてアイアン塗料でブラックに塗りましたし、
山小屋の顔とも言える大きな一枚ガラスのサッシもブラックを選びました。
この中にシルバーの配管が混じると色合いに統一感がなくなってしまう感じがしました。
もちろん、配管をブラックで塗るという選択もありえました。
これはとあるインテリアショップで見かけた配管ですが、もともとシルバーだった鉄管をわざわざブラックで塗装してから設置しているようです。
これならアイアンの色合いともケンカせず、きれいに仕上がりそうです。
しかし、いかんせん手間と費用がかかります。
うちのマンションの場合のように壁ごとぜんぶ塗装するならともかく、配管だけブラックのペンキで塗るのはなかなか面倒そうです。
DIYでやるにしても、配線を設置する電気業者さんとのすり合わせも大変そう。
そこで、予算的に高額にならずブラックを基調とした手すりなどと調和する電気配線について考えた結果、「電気配線をコードのまま露出で壁に固定する」というシンプルな結論にたどりつきました。
しかし、ただ露出で配線すればいいというわけではありません。
コードを露出で配線するという手法は、古い日本家屋などで後付けのスイッチやコンセントを追加する際によく見られますが、
写真のように「あー、見えちゃった」という残念な見た目に仕上がります。
これは築50年近くになる母屋で撮影した写真。
仕上げの美しさを1ミリも要求されていない工事ですからケチをつけても始まりませんが、一般的なグレーの電気コードを何も考えずに配線するとこうなりがちです。
でも、コードの色をブラックにして、同じくブラックのステープル(コードを止めるコの字型の釘)で留めれば、話はちがうかもしれません。
木材を貼った壁にブラックの配線を設置すれば、安価なわりに見苦しい見た目にはならないんじゃないでしょうか?
工事担当のKさんに確認してみたところ、電気ケーブルをブラックにするのはまったく問題ないとのことだったので、これに決定しました。
工事の結果をお見せしてしまうと、こんな感じ。
下地の木材の質感のおかげか、安っぽさを感じさせない仕上がりになったと思いますが、いかがでしょうか。
こんな具合にコードが複数ならぶのも、見た目的には面白いと感じましたし、
柱に沿って配線してもらえば、「ゆるい」DIYでできてしまったスキマを隠す役目も。
コードに黒を選んだので、照明用のダクトレールや照明器具もブラックを選び、統一感を出しました。
うん、やっぱり黒で統一してよかった気がします。
コンセントまわりはというと、
こんな仕上がり。
コードとボックスで仕上げると予算的にも安めに済むので、低予算リノベーションにもおすすめです。
しかし、意外にもこのコンセントボックス選びに苦戦しました。
その模様は次回に。