(230)ワトコオイルでウェット研磨に挑戦してみる
引き続き引戸のリフォームをおこないます。
前回は古い壁紙を剥がしてスライスウッドを接着しました。
今回はこの表面を「ワトコオイル(Watco Oil)」で塗装したいと思います。
木材の仕上げ塗料としては代表的な商品のひとつですが僕は今回が初体験。
ワトコオイルを選んだ理由は「ウェット研磨」なる塗装方法にトライしてみたかったから。以前、toolboxのホームページの「how to make」で紹介されていたのを読んで「滑らかしっとりの感触」に興味津々だったのです。
【toolbox】how to make「オイル塗装してウェット研磨で天板を仕上げてみた」
ウェット研磨が気になる方はまずこちらを読んでみてください。手触りが滑らかになる原理も含めて、しっかり説明されています。
作例では赤みの強い「チェリー」色が用いられていましたが、今回僕が使うのは「ナチュラル」と呼ばれるクリアカラー。仕上がりはまったくの無色ではなく濡れたような黄色い色が付きます。
塗装に入る前に下地を整えておきましょう。240番の紙ヤスリでサンディング(やすりがけ)をおこないます。
基本的にスライスウッドの表面はそんなに粗くはないのですが、たまにザラザラとしたやつも混じっているので全体的に軽くやすりをかけてあげたほうがいいと思います。
細かい削りカスが出るので僕は外で作業しました。
下準備も完了したので塗装に入りましょう。
ワトコオイルの特徴はこのさらさらとした質感。どろりとしたオスモカラーやほぼ固体のブライワックスとくらべ、塗りやすいので初心者には断然おすすめです。
正直言って大したコツはありません。さらさら塗っていくだけ。あとでふき取るので多少塗り過ぎても大丈夫。
木目が際立ってかなりイイ感じです。
左が塗装前、右が塗装後。乾いた後は多少色味が落ち着くことを考えても、やはり濡れ色はちゃんと付きます。
あっという間に塗り終わりました。
toolboxの「how to make」ではふき取りはしていませんでしたが(省略しただけかも)、ワトコオイルの缶に書かれた説明によれば、塗装後にウエスで余分な塗料をふき取ってあげるのがよいそうです。
僕は着古したTシャツを切って使いました。
強くゴシゴシふく必要はないと思います。余分な塗料が目立つ部分を中心にザッとふく感じです。
昼食を兼ねた休憩を取った後は二度目の塗装です。
「ウェット研磨」をおこなうので耐水ペーパーを用意しておきましょう。
二度目も塗装自体は難しくありません。
塗料が乾く前にやすりをかける必要があるので、スピード重視でサクサク塗っていきましょう。
表面が塗れているうちにやすりがけするので「ウェット研磨」なんですね。
やすりがけって乾いた表面に対しておこなうイメージがあったから、なんだか悪いことをしてる気になります。
先ほどのtoolboxのホームページによると「乾いていないままヤスることで、繊維の隙間に塗料が染み込んだ木屑が入り込み、滑らかでしっとりした質感を生み出す」んだそうです。仕上がりが楽しみ。
布で軽くふいたら完成です。
見た目は一度目の塗装後と大差ないんですが手触りはまったく別物。
まさに「しっとり滑らか」に仕上がりました。やってよかった!
ドアは手で触れることの多い場所ですから、これはうれしい。
あらためて塗装前とくらべると、色味の変化がわかります。
このままでは開けられないので、引き手の代わりにアイアンハンドル(これもtoolbox製)をつけてあげることにしました。
【toolbox】アイアンハンドル 丸パイプ
サイズは250mmのものをチョイス。
マットなブラックの質感が素敵なドアハンドルです。
取り付けはDIYでも問題なくできますが「自分で使いやすい高さをきちんと見極めること」と「固定の際にはきちんと下地のある箇所を狙うこと」が大事です。
上下の土台で4か所ずつビス穴があるので安定感はあると思います。
以前の引き手とくらべてしっかり両手で握ることができるので使い心地も改善されました。引戸にアイアンハンドル、想像以上に使いやすいです。
これにて引戸のリフォームが無事完了。工事前とくらべると見ちがえました。
がんばったかいがあったというものです。
照明を変えると、まるで隠れ家バーの入口のような雰囲気。
キッチンにもマッチしていると思いますが、いかがでしょうか。
長々とおこなってきたキッチンのリフォームもこれでひとまずおしまいです。今後は、調理器具や料理、食器のことなども書いていけたらと思います。
次回は木材仕上げ塗料を比較してみます。