(262)シロアリと漏水で床は想像以上に劣化していた
前回、洗面台の新設を思い立ち、不要なドアをつぶして設置しようと決めました。
間取りを見るかぎりベストなレイアウトにたどりついたと自負しています。
ですが、実際に工事するとなると解決しなければならない問題があります。
床の劣化です。
我が家は多湿な環境にある築50年の木造家屋です。建てられて30年くらいまでは大したメンテナンスをしてこなかったせいもあり、ただでさえ経年の劣化が激しかったのですが、近年、二つの深刻なトラブルが追い打ちをかけてきました。
まずはシロアリ。
以前も書きましたが、我が家がシロアリの被害に遭っていると知ったのは駆除業者さんの訪問営業がきっかけでした。「お宅の家、シロアリにやられてますよ」なんて最初は詐欺かと思って警戒したのですが、調べてみるとしっかりした業者だとわかり、駆除をお願いすることに。
上に挙げた写真はシロアリに食い荒らされた離れの柱です。手元に写真はないのですが、母屋の床下の被害もかなり深刻でした。
現在は定期的にシロアリ防除のクスリを散布してもらっているため被害は食い止められていますが、もしあのときに業者さんの訪問がなかったらと思うとゾッとします。
もうひとつのトラブルが漏水です。2017年から18年にかけての猛烈な寒波で山小屋の水道管があちこちで凍結して破裂、けっこうな惨事になりました。
外部の水道管だけでなく、室内ではトイレ内の配管が凍結し、接合部分が壊れて配管が外れてしまいました。春が近づき徐々に気温が上がって溶けたあと、ここから水がドバドバとあふれ出てしまったのです。
流れ出た水でトイレの床はビシャビシャになり、水は廊下から広がって水まわり全体を水浸しにしました。
不幸中の幸いはわずかな段差のおかげでリビングやキッチンには水が及ばず、最終的に玄関に流れ出てくれたことでした。
間取り図で見ると、こういう感じに水まわり全体が被害に遭ったことになります。
この写真は、水が乾いた後に撮ったもの。浸水のせいで床の木材がスカスカになってしまったのがおわかりでしょうか。
シロアリと漏水のダブルパンチを受けた床は歩くだけでミシミシ鳴り、もはやいつ抜けてもおかしくないような印象すら受けました。
仕方なく余ったフローリングの端材を敷いてごまかしていましたが、こうなるとインテリアもクソもありません。
さらに。
浴室のドアの下の木材が落ち、親指が入るほどの大きなスキマが。ここからネズミが侵入してくるところを目撃したこともありました。
洗濯機の下に合板を敷いているのも床が抜けてしまうのを防ぐため。それなりの重さのある洗濯機の振動は劣化した床にとって相当な負担なのです。
床が下がってきたせいでしょうか、トイレの背面のタイル壁には大きなヒビ割れが。妻はここから沢ガニ(!)が顔を出しているのを見たことがあるそうです。そういえば、昔、リビングの床をカニが歩いてたこともあったっけな……。
天井を見上げると湿気のせいでしょうか、板がたわんで今にも剥がれてきそう。
あらためて眺めてみると、かなりひどい状態だと感じました。もしこの空間に新しい洗面を設置しても、床が抜けてしまえばぜんぶ台無しになります。洗面を設けるならば、その前に安心して歩けるくらいの強度を確保することが先決。もはや水まわりの床の補強は避けて通れないと結論しました。
ちなみに、あまり話を引っ張ってもなんですから、工事のときに実際に床を剥がしてどうだったかを先取りしてお話すると「補強どころではないほど劣化」していました。
これは工事現場で床の解体後に撮っていただいた写真。現場監督さん曰く「一部根太は腐食がひどく既に解体して」いたんだとか。補強では済まないので「根太の交換が必要」とのことでした。
素人目に見てもシロアリと漏水のダブルパンチによる劣化が想像以上に進んでいたのがわかります。結局、当初の予定よりも工事費用がかさみ、10万円ほど追加料金がかかりました。
そんなわけで、洗面だけを設置するはずが、いつしか工事は水まわり全体の補強・修繕へと広がってしまったのでした。
でも、せっかく床を直すなら水まわり全体をより暮らしやすくリフォームする絶好の機会です。次回は、現状への不満を列挙しつつ改善したいポイントを挙げていきます。