(275)木部仕上げ塗料の歩留まりとコスパを比較する

お金のこと

今回からは再び母屋の水まわりのDIYの話に戻ります。

すでに珪藻土ペイントを塗り終えるところまで工事が済みました。

続いては柱や建具などの木部を塗装するための塗料を選びます。

木部の仕上げ塗料については以前もまとめました。

塗料の性質や塗り方についてはこちらをお読みください。

いざDIYにトライするとなると気になるのは「いくらでどれくらいの量が買えて、どれくらいの面積が塗装できるのか?」でしょう。

今回は歩留まりとコストパフォーマンスという観点から「オスモカラー」と「ブライワックス」と「ワトコオイル」を比べます。


■10平米を塗装するための必要量と価格の比較

まずはオフィシャルデータとして公開されている標準的な施工面積を比較してみましょう。

「オスモカラー」については「オスモ&エーデル社」、「ブライワックス」は「GALLUP」、「ワトコオイル」は「北三株式会社」の公開しているデータを引用させていただきました。

「オスモカラー」と「ブライワックス」と「ワトコオイル」の施工面積の比較

それぞれの商品で内容量も異なるので、これだけではいまひとつよくわかりません。すべて1000ミリリットル(1リットル)にそろえて比較してみましょう。

1リットルあたりの施工面積の比較

「オスモカラー」は「ブライワックス」と「ワトコオイル」の半分の量で塗れることがわかります。つまり、10平米を塗装するために必要な量を比べてみると…

10平米分の必要量の比較

「オスモカラー」なら500ミリリットル、「ブライワックス」と「ワトコオイル」なら1,000ミリリットル必要な計算です。歩留まりという意味では「オスモカラー」に軍配が上がりました。

続いてはこの表に量に比例した金額を追記してみましょう。(「オスモカラー」については「オスモ&エーデル社」の通販価格を、「ブライワックス」は「GALLUP」の通販価格を、「ワトコオイル」については「toolbox」の通販価格を参照しています)

10平米分の必要量と価格の比較

10平米を塗装するならば、もっとも安価なのが「ワトコオイル」、続いて「オスモカラー」、「ブライワックス」がいちばん高価であることがわかります。コストパフォーマンスでは「ワトコオイル」がいちばんでした。

こんなふうに書くと「ブライワックス」は歩留まりもコスパも悪いだけの印象を与えてしまいそうなので断っておきますが、「ブライワックス」には磨くと美しいツヤが出るという特性もあり、家具や壁の仕上げにおすすめです。

ブライワックスの塗装面

今回の原稿では歩留まりとコストにフォーカスしていますが、実際に塗料を選ぶ際には塗料ごとの特徴と価格を自分なりに天秤にかけて選ぶことをおすすめします。


■各塗料のサイズバリエーション一覧

大まかな結論は出たのですが、そう簡単ではないところもあります。

「オスモカラー」と「ブライワックス」と「ワトコオイル」の缶

各種塗料をならべてみると、どれも内容量が異なるのがわかります。先ほど1リットルで塗れる塗装面積を比較しましたが、実は「オスモカラー」や「ブライワックス」には1リットル缶はありません。大きめのサイズを買えばリットルあたりの価格がお安くなったりもします。こういう要素を加味しながら比較するのが現実的だと思います。

「オスモカラー」と「ブライワックス」と「ワトコオイル」にどんなサイズがラインナップされているかごらんください。

「オスモカラー」と「ブライワックス」と「ワトコオイル」のサイズバリエーション一覧

ごらんのとおり、サイズバリエーションが豊富なのが「オスモカラー」です。量によって価格も大きく変わり、量が多いほど割安になります。

一方、「ブライワックス」は5リットルというDIYには非現実なビッグサイズを除けば400ミリリットル缶一択です。

「ワトコオイル」は少量(200ミリリットル)と大きめ(1リットル)の2種類の選択肢が用意されています。


■施工面積にあわせて塗料を選ぶのもあり?

以上のラインナップをもとに、1平米・5平米・10平米・20平米の4つに分けて必要な量と価格をまとめてみました

平米ごとの必要量と価格一覧

こうしてみると、施工面積によって向き不向きが見えてきますね。

「ブライワックス」で20平米を塗装しようとすると4缶必要で「16,500円」になりますが、これなら「19,250円で5L缶を買ったほうが長い目で見ると得」かもしれません。また、「ワトコオイル」で5平米を塗る場合は500mlが必要ですが、200ml缶を3つ買うよりも1L缶のほうがお得な計算です。

ちなみに、金額にこだわるなら送料についても注意が必要です。オスモの公式ストアなら「5,000円以上で送料無料」ですし、「GALLUP」の通販なら「7,700円以上で送料無料」になります。東急ハンズやホームセンターなどに立ち寄る用事があれば、ついでに購入してしまうのもありです。

いろいろな木材塗装サンプル

「オスモカラー」と「ブライワックス」と「ワトコオイル」、それぞれにちがいはあるものの、「もともとの木材の質感を活かしつつ色をつける」という意味では似ています。

もし仕上がりの色や質感などに過度なこだわりがなければ≪自分が施工する面積がどれくらいかによって、ちょうどいいサイズの塗料があるものを選んでしまう≫という考え方もありだと思います。


■「ワトコオイル」の「エボニー」の「1リットル」を選ぶ

さて、いろいろと比較してきましたが、我が家の工事の話です。

今回の塗装面積はおよそ10平米。先ほどの表を見てみると、断トツで「ワトコオイル」が安いですし、ちょうどぴったりの1リットルサイズがあります。

室内を黒に近い色でまとめようと思っていたのですが、濃い目のこげ茶のカラーがありました。

「ワトコオイル」の「エボニー」の「1リットル」

「ワトコオイル」の「エボニー」です。これでぴったり10平米を塗ることができるはずです。

当初は東急ハンズで購入するつもりでしたが、「エボニー」の1リットルサイズは扱いがなく、ネットで買うことに。しかも、僕が探した時期はどこも在庫が品切れで、工期に間に合わせるためにメルカリに出品されていた未使用品を購入することになりました。

価格は4,000円也。定価にややプレミア分がのっかっていますが、送料込みと考えるとありだと判断しました。いろいろ金額を比較したけれど、結局イレギュラーな価格で購入するはめになりました……やっぱり現実は思い通りにいかないものです。

次回は、この「ワトコオイル」を柱などの木部に塗りますが、またもトラブルに見舞われます。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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