(353)熱海のリゾートマンションに興味を持った経緯

熱海のリゾートマンション

今回から、熱海に取得したリゾートマンションについてお話します。

リゾートマンションの室内

「なぜ海なのか」「なぜリゾートマンションなのか」「どんな物件を選んだのか」「どうやってリフォームするのか」……などなど、書きたいことはたくさんあるので、ひとつひとつのトピックを掘り下げながら、じっくりゆっくり語っていきたいと思っています。どうぞ気長にお付き合いください。

「細かいことはいいから、要点だけ聞かせてくれよ」という向きには、このブログに先立って「ESSE online」に書いた記事をすすめます。

【熱海のリゾートマンションを300万円で購入。物件選びと維持費の注意点は?】

これから延々と続くであろう内容を先取りする“超ダイジェスト版”とも言える記事です。いかんせん紙幅に限りがあるのですが「築古の中古リゾートマンションを購入する」という経験がどういうことか、おおざっぱにはご理解いただけるはずです。

熱海の海

さて、第一回目は「なぜ海なのか」から始めてみたいと思います。かなりプライベートな話で実用性はほぼありませんが、最初の動機がどこにあったか語っておきたいのです。

出発点は「山」でした。

昔の山小屋の写真

父方も母方も東京生まれの僕にとって、祖父が東京のはずれの山奥に建てた家は田舎のようなものでした。ゴールデンウィークやお盆には祖父と祖母を囲んで、親戚のおじさんやおばさん、いとこたちも集まりました。

昔の河原の写真

お向かいの年の近いお兄さんたちに付いていって川遊びに興じたりもしました。都会っ子の僕にとっては絵に描いたような夏休みです。

お金のない学生時代には友人たちと休日を過ごすにはぴったりの場所でしたし、会社員を辞めた直後はこの家で暮らした時期もありました。

クルマで世田谷と山小屋を行き来するようになった現在、特別な場所としての意識はかなり薄れ、日常の延長のような場所になっています。

山小屋周辺の景色

この環境が身近になり過ぎると、山間や高原のリゾート地がテレビや雑誌などで取り上げられても、いまひとつ食指が動かなくなるものです。

軽井沢の森

たとえば、長野県の軽井沢や山梨県の北杜市といった別荘地はうちの山小屋の周辺とは似て非なるリゾートなのですが、涼しくて森深いという意味では山小屋に似たような環境なので何度も足を運びたいとは思わないのです。

どうせ行くなら山とは180度異なる環境=海がいいと思ってしまうのでした。

浜辺

思えば、海は自分とまったく地縁のない非日常の場所でした。

父の勤め先の保養所があって子どもの頃に遊びに行った葉山。小学校の同級生に誘われて訪れた別荘のあった藤沢。中学生の頃、サザンオールスターズのカセットが入ったラジカセを持って友人たちと訪れた湘南。

大人になってからも夏休み明けに人がまばらになった下田の海によく海水浴に行きましたし、前回・前々回とご紹介した腰越や鎌倉には今でもよく足を運んでいます。

網代

この数年はコロナ禍で旅行がしづらかったのですが、伊豆半島で部屋食のできる宿を取って何度か小旅行を楽しみました。美味しい魚料理と温泉を楽しみ、部屋の窓から海を眺めていると、ふと「海沿いに山小屋のような拠点があったら面白いかもな」と感じることがありました。

僕がせっせとDIYで山小屋をいじったのを見ている家族は、冗談ていどのつもりで「こんな物件あるみたい」と不動産サイトを見せてきたりします。

築古の格安物件をいろいろと冷やかしながら「いやいや、この間取りは使いづらいな」とか「自分だったら、ここはこうするな」とかいう具合に考えるだけでも楽しくなりました。

熱海駅

掲載されている物件数が断トツに多いのが熱海でした。そう、高度成長期からバブルの時代にかけて競うように建てられたリゾートマンションの数々です。数が多いということは、さまざまな立地・間取り・グレードの物件が比較できるということでもあり、それらをくらべだした頃には沼に片足を突っ込んでいたのかもしれません。

気になる物件を見つけてはお気に入りに登録し、LINEで家族に送って感想を聞いたりしました。「すごい!景色がいいね」「こんなに安いの?」「温泉に入れるといいかも」なんてやりとりをしていると、みんなまんざらでもない雰囲気です。知人などに話してみても「熱海、前から気になってたんだよね」なんて反応が返ってくることも。往時とくらべて寂れたなんて話も聞く熱海ですが、まだまだ根強い人気があるのではないかと感じました。

熱海の駅前

もし熱海の周辺に物件を持っていれば、うちのマンションに住んでいる入居者さんにも面白がってもらえるのではないだろうか?と思いつきました。入居者さんを誘って山小屋に遊びに行くように、海にも遊びに行けたら楽しいんじゃないか?

コロナ禍を経て東京の人口もだんだんと減り出す気配が感じられる近年、うちのような築古マンションはますます苦戦を強いられることはまちがいないわけで、海沿いの拠点を持っていることは他の競争相手との差別化になるはずです。

こうして、半分は好奇心、半分はビジネスから、いよいよ真剣にリゾートマンションを検討するようになったのでした。

次回は戸建ての別荘とリゾートマンションを比較し、なぜリゾートマンションを選んだかについてお話します。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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