(356) 【日刊Sumai再録】「カライエ」についてダイキンの人に聞いてみた
前回に続いて熱海のリゾートマンションのお話をするつもりだったのですが、数日前から体にまとわりつくような湿気が気になりだしたので、予定を変更して季節ものの話題をお届けすることにしました。
取り上げるのは、このブログではすっかりおなじみのダイキンの除湿乾燥機「カライエ」。
実は、2019年のリリース時に「日刊Sumai」の連載で取材をさせていただきました。タイトルは「湿気から家や持ち物を守る。ダイキンの除湿乾燥機「カライエ」はここがスゴイ」(2019年05月28日公開)。
「カライエ」の基本がまとまった記事なので気に入っていたのですが、こちらも「日刊Sumai」の終了であえなく公開終了となってしまいましたので、ここに再録させていただくことにしました。
なお、この記事の前振りとして「梅雨の湿気対策~除湿機の連続運転を経てルームドライヤーにたどりつくまで」という記事も書いているので、興味ある方を以下のリンクをどうぞ(複数挙げてありますが、どちらも内容は同じです)。
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【湿気から家や持ち物を守る。ダイキンの除湿乾燥機「カライエ」はここがスゴイ】
別荘の除湿について試行錯誤し、ダイキン(DAIKIN)製の「ルームドライヤー」にたどりついたのが前回のお話。
「24時間365日除湿」というスグレモノながら2013年に製造中止になり、昨年、僕もなんとか中古で入手しました。
そんな矢先、ダイキンがついに待望の後継機「カライエ」を2019年2月に発売したという知らせが。
ルームドライヤーを愛用している僕が、このニュースを放っておくわけにはまいりません。
■ダイキンのショールーム「フーハ東京」に行ってきました
梅雨も近づく5月半ば、ダイキンが新宿に構えるショールーム「フーハ東京」にやってきました。
取材に応じてくれたのは、ダイキンコーポレートコミュニケーション室 広報グループの重政周之さん。
「カライエ」の特長、ルームドライヤーとのちがいなど、いろいろ丁寧に教えていただきました。
■「カライエ」の魅力は手間いらずで「24時間365日除湿」
「ルームドライヤー」と同じく「カライエ」の特長は「24時間365日除湿」です。
一般的な除湿機のように貯水するのではなく、湿気を含んだ空気そのものを排出してくれます。
だから、水捨ての手間もいりません。ひとたび「自動運転」のスイッチを入れれば、あとは勝手に除湿してくれます。
湿度60%を目標に運転をおこなうため、十分に湿度が下がれば自動的に運転を停止し、必要以上に除湿して乾燥しすぎたり電気代をムダにしたりすることもありません。
ちなみに、湿度60%は「カビ繁殖の抑制に効果のある湿度」であると同時に、人間が快適さを感じやすい湿度でもあるとか。
僕のように別荘を管理する人間にとっては、まさに夢のような製品です。
■「ルームドライヤー」からパワーアップしたポイント
しかし、ここまでは前回もご紹介した「ルームドライヤー」と同じ機能。後継機種である「カライエ」には、さらに便利な機能が搭載されています。
たとえば「ひかえめ自動」と名付けられた運転モード。梅雨前や秋のような比較的過ごしやすく過剰な除湿が求められない時期には、この「ひかえめ自動」を選択することで消費電力を抑えつつ除湿できます。
逆に、梅雨の最中で湿気が気になるときなどには湿度目標を50%に設定する「パワフル自動」を選ぶことも可能です。「ルームドライヤー」にくらべ、湿度への対応がきめ細やかになりました。
個人的に注目な機能は「自動復帰機能」。
これは停電など不測の事態で電気が切れた際も、通電時にもとの設定で自動的に運転を開始してくれる機能です。オフシーズンの別荘のように長期間留守にする場所でも安心ですね。
さらに、今秋にはスマホアプリで運転状況を把握できる機能もリリースされ、ますます便利になるそうです。そのほか、消費電力が少なくなって電気代が安くなったり、運転音が静かになったりと、基本的な性能も「ルームドライヤー」とくらべて向上したとのこと。
デザインがアップデートされてモダンな印象になったのもポイント高し。
「ルームドライヤー」ですっかり満足していた僕も、話を聞いているうちにうらやましい気持ちが募ってきました……。
■キャッチコピーは「住まい向け除湿乾燥機」
「別荘なんて持ってないし、自分には関係ないかなあ」と思う方もいるかもしれません。
しかし、重政さんのお話によると、ダイキンは「カライエ」を別荘に特化した製品としてではなく、一般の住宅でも広く使えるような製品と位置づけているそうです。
キャッチコピーは「住まい向け除湿乾燥機」。
エアコンが「暑い・寒い」といった人間の体感を調整するためなのに対し、カライエは「対物」つまり「住まいそのもの」の湿気を改善することを重視しています。
都会に暮らしているとついつい見過ごしがちですが、湿気が家具や家財に与える影響は予想以上に深刻になることも。
湿気対策をおこなう前の我が別荘では、湿度で木製の家具が破損したり、本がよれてしまうことがありました。古本屋さんに買取りに来てもらった際には「もう少し保存状態が良ければ、いい値がつけられたんですけど」なんて言われたことも。
湿度をしっかりコントロールすることは「家具や家財」ひいては「住まい」そのものを守り、長持ちさせるポイントになるということですね。
■ウォークインクローゼットから部屋干し、空き家でも活躍!?
そう考えると、想い出の品や奮発して買った洋服など、大事なものを保管するウォークインクローゼットは「カライエ」がもっとも力を発揮する場所と言えそうです。
ほかにも愛車を保管するガレージや、趣味用の地下室や屋根裏部屋でも活躍しそう。そういえば、フィルムの保管に悩む友人のカメラマンから「ルームドライヤー」について尋ねられたこともありました。
また、不在時の除湿という観点から考えると、部屋干しの需要にも応えてくれます。
僕の場合で言うと、使っていない四畳半の部屋に「ルームドライヤー」を設置し、帰り際に洗濯物を干してから帰宅しています。部屋をランドリールーム化するようなイメージです。
重政さんからうかがった話で印象に残ったのは「空き家」への設置。人の住まなくなった家は、空気の流れがなくなり湿度も高まって傷みが早くなるもの。「カライエ」で適度な湿度を保っておけば、のちのち「売る」にしても「自分で住む」にしても、プラスになることはまちがいありません。
ざっと挙げただけでもこんな具合ですから、「カライエ」にはさまざまな環境で活躍できるポテンシャルがまだまだ隠れていそうです。
■気になるお値段は?「カライエ」設置にあたって注意したいポイント
さて、気になる価格や設置費用について。
「カライエ」はオープン価格ですが、2019年5月現在では本体価格6~7万円くらいで販売されているようです。
注意したいのが、通常の除湿機などとちがい、設置工事が必要だということ。エアコンと同様、ホースを通す穴を壁に開け、屋外に排気する仕組みです(ただし、室外機は必要ありません)。
写真は、山小屋の外壁に設置された排気口。新しい穴を開ける場合、分譲のマンションなどでは事前に確認の必要があるでしょう。
また、設置作業は基本的に専門の業者さんにお願いすることになるので、本体の価格とは別に設置費が必要になります。
参考までに我が家の「ルームドライヤー」の設置費用について記します。離れの小屋をリノベーションした際に他の電気工事とまとめて頼んだときは1万円を切るくらいでしたが、母屋に単体で設置をお願いしたときは2万円近くしました。
こんな感じで業者さんや工事条件によって異なるのでご注意ください。それを含めてざっくり設置費込みで考えると、およそ8万円くらいだと思われます。
ハイエンドな除湿機とくらべてもだいぶ高額ですし、リーズナブルなエアコンを一台設置する感覚に近いですね。
気軽に家電を買い足すという感覚での購入はおすすめできませんが、「24時間365日除湿」を手間なしで実現してくれる利便性を考えると、個人的には十分満足できる価格だと思います。
「実物を見てみたい」「もっと詳しく知りたい」という方は、新宿にあるダイキンのショールーム「フーハ東京」にどうぞ。
実際に稼働している「カライエ」を目にすることができます。梅雨入り間近のこの季節、検討にはうってつけのシーズンだと思います。
※ショールームの展示は、2019年5月に取材した時のものです。展示内容が変わっている場合がありますのでご注意ください。
東京都新宿区西新宿2-4-1 新宿NSビル1F
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日:毎週水曜日(年末年始 夏季休業)、 NSビル休館日:2月第4日曜日・8月第1日曜日
TEL:03-5325-1780
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ひさしぶりに読み直しましたが、湿気の気になる別荘以外でもさまざまなシチュエーションで活躍できる除湿機なんだな、とあらためて実感しました。
なお、こちらの記事は公開から3年余りを経ており、ショールームの展示などについては変わっている可能性がありますのでご注意くださいね。
さて、次回からは再び熱海のリゾートマンション編の続きをお届けします。