(363)「カーサブルータス」最新号と「SANU 2nd Home」で考える別荘の「いま」

お金のこと

前回、ムチャを承知で別荘のコストパフォーマンスについて考えました。

今回は「カーサブルータス(Casa BRUTUS)」の最新号と、別荘のサブスクサービス「SANU 2nd Home」をご紹介しながら、別荘の「いま」について考えます。


■「カーサブルータス」の特集「山の家、海の家」

先日、本屋さんでふと目に入った「カーサブルータス」の8月号(2022 vol.268)。

カーサブルータス書影

特集は「山の家、海の家」。

ここ最近、山小屋と熱海のマンションをめぐっていろいろと考えている僕の関心にドンピシャだったので購入してみました。まだ日本全体にコロナ禍から抜け出られない雰囲気が漂うなか、ふだんの生活拠点とは異なる場を持ちたいという風潮はまだまだ収まる気配がなさそうです。

特集は著名人が三浦半島や八ヶ岳に所有する海沿いや山間の「週末住宅」の紹介から始まります。「カーサブルータス」ですから、巷の古ぼけた別荘とはクラスのちがうハイエンドな建物の数々が紹介されます。どれも金と知恵がたっぷりとかけられており、ふつうの人が容易に真似できるような代物ではありません。見てうっとりするのが関の山。

ただ、かつてのバブルの時代のように別荘やリゾートマンションをステータスの象徴として捉え、「ゴージャスさ」を競い合う風潮は感じさせません。紹介されている六軒の建物すべてが新築ではなくリノベーションというのも好印象です。

紹介されている物件(と所有者の言葉)からは「自然を感じたい」とか「静かに暮らしたい」という思いが感じ取れます。その意味では僕も共感できる部分はありましたし、リーズナブルな価格で別荘を手に入れようとする人たちにも訴えるところがあるのではないでしょうか。

続く「山派と海派のための、知っておきたい不動産知識」のコーナーは「別荘」を検討する人みんなに役立つ内容となっています。以前、僕も取材を受けた「SUUMOジャーナル」の記事に登場していた唐品知浩さん(「別荘リゾートネット」を運営)ら専門家が「土地探しのコツからお金のことまで」を解説してくれます。「1st STEP 心構え」「2nd STEP 土地・物件探し」「3rd STEP お金のこと」「4th STEP 設計のこと」と、初心者が気になる疑問に答えます。

旧軽井沢の街並み
※写真はイメージです

たとえば、別荘の維持費については「軽井沢の場合だと、大体年間70万円弱」(72ページ)くらいになるんだとか。最近ずっとこの種のことを考え続けてきた僕にとっては、一種の「答え合わせ」のような感覚で読むことができました。軽井沢で70万円なら、我が家が60万というのは妥当なところなのかな?とか。軽井沢はうちの山小屋よりも寒いのでしっかりした水抜き作業が必要だったりして費用がかさむらしいですし。

さらに「山派と海派のための、エリアガイド」も掲載されています。「軽井沢」「湘南」「長野・山梨」「箱根・伊豆」「群馬・栃木」に分けて、それぞれのエリアごとの年間通じた「気温」や「降水量」をはじめとした基本的な特徴を知ることができます。

熱海駅前
※写真はイメージです

たとえば、熱海は「箱根・伊豆」エリアの中に含まれていて「リゾートマンションの温泉使用料」や「渋滞に注意!」といった項目もあり、思わずうなずいてしまいました。こないだ油断して土曜日の夕方に熱海を出たら家まで三時間半かかったもんな……。

このほか、「山の家、海の家の建て方」や「山荘の名作」を紹介するページもあります。吉村順三やアントニン・レーモンドの手による別荘を眺めるのも楽しいです。

上田義彦氏の八ヶ岳の別荘
※「カーサブルータス」表紙より引用しました

ちなみに表紙となっているのは写真家の上田義彦氏の八ヶ岳の別荘だそうです。素敵。

とまあ、いささかハイエンド寄りな内容ではありますが、別荘を所有してみたいと考える人にはぜひ手に取っていただきたい一冊です。


■月々55,000円の別荘サブスク「SANU 2nd Home」

さて、別荘といえば、最近、僕が気になっているのが「SANU 2nd Home」というサービスです。

「SANU 2nd Home」公式ページ
※「SANU 2nd Home」公式ページ(https://2ndhome.sa-nu.com/)より引用。画像にはページへのリンクが張ってあります。

【SANU 2nd Home】
「都心からアクセスしやすい美しい海、山、湖の近くにあるSANUオリジナルのキャビンに月額制で滞在できるセカンドホーム・サブスクリプション」

平たくいえば「別荘のサブスク」で、月々55,000円支払えば八ヶ岳や白樺湖などに建つおしゃれな別荘に泊まり放題というサービスです。

2022年6月時点の展開エリアは「白樺湖、八ヶ岳、山中湖、北軽井沢、河口湖」ですから、イメージ動画にあるような海沿いのキャビンはまだないようですが、先の「カーサブルータス」の特集で取り上げられていた人気別荘地をかなりカバーしています。

すでにさまざまなメディアで宿泊体験記事が掲載されており、ご興味ある方はそちらを読んでいただくのがよいでしょう。

【GQ】サブスク制のおうちに泊まってみた。自然あふれるSANU 2nd Homeとは?

【ITmediaビジネスオンライン】2000人が登録待ち! サブスク別荘「SANU」行って分かった人気のワケ

今回は月額55,000円という料金を中心に僕なりに考えたことを書いてみます。ここ数回しつこく書いてきたとおり、山の家も熱海のマンションもそれぞれ月々5万円ほどの維持費を支払っています

ほぼ同じ額で「別荘のサブスク」が利用できると聞いて、食い入るように公式ページを見てしまいました。

別荘を購入する場合、けっこうな初期投資(物件取得費用やリフォーム費用)がかかるのですが、「SANU 2nd Home」なら入会金は無料最低契約期間も3ヶ月間と短めなので、かなり良心的なシステムだと感じました。敷居が低くて止めやすい設定は、提供するサービスに自信があるということだと思います。

それもそのはず、

「SANU 2nd Home」キャビンの外観
※「SANU 2nd Home」公式ページ(https://2ndhome.sa-nu.com/cabin)より引用。画像にはページへのリンクが張ってあります。

山の形からインスパイアされたというキャビン「SANU home」は、モダンでおしゃれなデザイン。

「SANU 2nd Home」キャビンの室内
※「SANU 2nd Home」公式ページ(https://2ndhome.sa-nu.com/cabin)より引用。画像にはページへのリンクが張ってあります。

曲線を取り入れた内装が目を引きます。部屋のサイズもちょうどいい感じ。

「SANU 2nd Home」キャビンの焚き火スペース
※「SANU 2nd Home」公式ページ(https://2ndhome.sa-nu.com/cabin)より引用。画像にはページへのリンクが張ってあります。

それぞれの建物には焚き火のできるスペースもありますし、「ホテルはつまらないけど、キャンプ場もなあ……」といった人は興味をそそられるのではないでしょうか。個人的にはストレスなくキャンプ体験ができそうのはすごくいいと思います。

「SANU 2nd Home」キャビンの内装
※「SANU 2nd Home」公式ページ(https://2ndhome.sa-nu.com/cabin)より引用。画像にはページへのリンクが張ってあります。

こんなおしゃれなキャビンを貸し切りで使えて55,000円?いろんな場所で泊まり放題?

築古の別荘をコツコツ修繕して維持管理して5万円払う(僕のこと)なんてバカらしいと思ってしまいそうになります。しかも、自分所有の建物ではないぶん維持管理の手間に忙殺される心配もなし。サッと行って後腐れなく別荘遊びが楽しめます。別荘を持ってる身でも、ちょっとうらやましい。


■追加料金を払ったりクルマを用意する余裕があるかがポイント?

ただし、サブスクリプションといっても宿泊施設ですから55,000円ですべてコミコミというわけにはいかないのがツライところです。

「SANU 2nd Home」料金体系
※「SANU 2nd Home」公式ページ(https://2ndhome.sa-nu.com/plan_detail)より引用。画像にはページへのリンクが張ってあります。

料金体系を確認すると、宿泊費が0円(FREE)なのは月曜~木曜までだけ。金曜~日曜、祝日とその前日については一泊5,500円の追加料金が発生します。ピークシーズンともなると、この金額が一泊16,500円に跳ね上がります。このあたりはホテルと同じで土日の休みが基本の人にとっては追加料金必須のサービスと思うべきでしょう。

ヘビーユーザーを自任する僕ですら、結局別荘に行くのはスケジュールの調整がつきやすい週末がほとんどです。現在、熱海に通ってコツコツDIYをおこなう毎日ですが、木曜夜出発の日曜夜帰りのスケジュール。平日だけで遠出するのって意外に難しいんですよね。

ちなみに、滞在一回あたり清掃料金も3,300円加算されるので、月~木を狙って月に2回宿泊したとしてもそのぶんの清掃料金「6,600円」は支払わねばなりません。

以上のシステムに納得したとして、気になるのは「ちゃんと予約が取れるの?」という点ですよね。サブスクリプションを契約する人の心理として「使わないと損だ」という気持ちが起こるのは当然だと思いますが、目当ての宿泊施設がいつも予約で埋まってしまっていたりすると、モヤモヤした気持ちになりそうです。

公式の説明では「※チェックアウトした時点で次の予約が可能となり、空室状況によってはチェックアウトした直後にその日チェックインの新たな予約をとることも可能です。」(公式ページより引用)というのが予約のルール。

先ほど挙げた「ITmediaビジネスオンライン」の記事によると「年間25~30泊程度は予約できる状態」になっているそうですから、1メンバーあたり月に2~3泊はできる計算で、まずまず及第点と言えるのではないでしょうか。

実は、【SANU 2nd Home】は現在「ウェイティング登録受付中」=つまり満員とのこと。施設数に対する契約者の数をしっかりコントロールする意志を感じます。今後もキャビンを増やしつつ、会員も増やしていく計画なのでしょう。

また、キャビンの立地を確認すると、バスや電車などの公共交通機関よりはクルマでの来訪を想定している印象です。キャビンひとつに対し二台分の駐車場が確保されているので、複数の家族や友人同士でも利用可能です。

となると、友だち夫婦を誘って4人で泊まることもできますが、キャビンの間取り図によると寝室はセミダブルがふたつ。

「SANU 2nd Home」キャビンの間取り図
※「SANU 2nd Home」公式ページ(https://2ndhome.sa-nu.com/cabin)より引用。画像にはページへのリンクが張ってあります。

隣り合ったセミダブルで2組が寝るのに抵抗のある人もいるでしょうし、友人4人で来訪するともなれば、2人ずつダブルベッドで寝るのはイヤという方もいるはずです。

さらに、友人とスケジュールを調整すると土日の来訪となる可能性は高く、やっぱり追加料金は免れないかな、と。

などなど考えると「55,000円+α」という料金を許容でき、クルマを所有している(か、レンタカーを借りる余裕がある)ことが【SANU 2nd Home】を楽しめるポイントになるかな、という印象です。土日利用を織り交ぜてレンタカーやカーシェアを利用するとしたら、結局10万円くらい払うこともありえますからね。

「SANU 2nd Home」キャビンの室内
※「SANU 2nd Home」公式ページ(https://2ndhome.sa-nu.com/cabin)より引用。画像にはページへのリンクが張ってあります。

料金的なハードルはあるものの、洗練されたキャビンで気苦労や手間なしに別荘ライフを満喫できるのは素晴らしいんじゃないでしょうか。「別荘ってちょっと興味あるけれど、いきなり物件を探すのはちょっと……」という方の入口としても面白いかもしれません。このサービスを3ヶ月も使い倒せば、自分が別荘に求めるものや不要なものもきっと見えてくるはず。

「SANU 2nd Home」、機会があれば一度は泊まってみたいです。

【SANU 2nd Home】
「都心からアクセスしやすい美しい海、山、湖の近くにあるSANUオリジナルのキャビンに月額制で滞在できるセカンドホーム・サブスクリプション」

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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