(393)海が見える窓をカバー工法で交換してもらった話
今回は、窓の交換工事の話。
以前、窓の交換にいたるまでの経緯については書きました。
もともとの窓はというと、こんな感じでした。
どこにでもある4枚の引き違い窓ですが、海が一望できる素晴らしい眺望。これに魅かれて物件を購入したといっても過言ではありませんから、この眺めをよりよくすることが窓リフォームのポイントになります。
真ん中の方立てを取り除いて2枚分のサイズのフィックス窓を設置し、海が窓をさえぎらないようにしてもらうことに決まりました。
古い分譲マンションの窓をいじるのは規約的にも技術的にも大変なのですが、カバー工法ならばいけそうということで無事に工事の運びとなりました。
■カバー工法についておさらい
カバー工法について復習しておきましょう。昨年、「日刊Sumai」で取材したマテックスさんで撮影させていただいた窓枠サンプルをごらんください。
既存の窓(シルバー)をカバーするかたちで新しい窓枠(ブロンズ)が取り付けられているのがおわかりでしょうか。
既存の窓枠に新しい窓枠が複雑に組み合わさって固定されています。あらためて見直してみても複雑な断面です。
窓のリフォーム方法には「ガラスのみの交換」や「二重サッシ」などの方法もありますが、それらにくらべ、カバー工法は新品と同じようにスムースに開け閉めできる使用感がメリットで、うちのような築古物件には最適です。
デメリットはカバーしたぶん(白の矢印で示した部分)だけサッシの枠が太くなり、見た目が重たくなってしまうことですが、今回の工事では、それを補うくらい真ん中のフィックス窓が大きいので心配していません。
■古い窓が撤去され、すごい開放感
工事当日は夏の暑さも残る日でした。
驚いたのは、やってきた職人さんが計7人の大所帯だったこと。これは大変な工事になりそう、と感じました。
テキパキと既存の窓が外され、運び出されていきました。すでにすごい開放感。
まずは真ん中に残った方立てを切断します。手すりには落下物を防止するために簡易的なカバーがつけられています。たしかに、スキマから金属が落ちたら大変ですものね。
さえぎるものがまったくない状態に。もしこのまま窓全面を一枚の巨大なフィックス窓にしたら、リゾートホテルのような絶景になったことでしょう。まあ、ベランダにも出れなくなっちゃうし、そもそもそんな大きなガラスは搬入できないのでムリなのですが。
お風呂の窓も撤去されました。このまま海に飛び込めそう。
■サッシ設置の緻密な作業にうなる
続いて、リビングに新しいサッシが運び込まれました。まだガラスは入っていません。ガラスは後からはめ込むということも初めて知りました。
収まりを慎重に調整しながら、注意深く取り付けていきます。
この作業がとにかく緻密で繊細でした。測っては調整し、微妙に高さをずらし……といった作業をけっこうな時間をかけて入念におこなうのに驚かされました。
先ほどごらんいただいたように、カバー工法は新しい窓枠と古い窓枠を複雑に組み合わせる工事。うちのように古い物件は経年変化で窓枠に歪みがあることも多く、設計段階での対応には限度があり、最後は職人さんの現場合わせが物を言う作業なんだそうです。
この部屋のリフォーム工事費用のおよそ半分を窓の交換に費やしたのですが、専門業者さんの技術を目の当たりにすると「こりゃ、お金がかかるのもムリないわ」と思った次第です。これぞプロの仕事、といった感じ。
枠まわりにスキマ埋めのウレタンを注入したら枠の設置は完了です。
■大きなフィックス窓は「窓がない」ようなインパクト
そして。
いよいよ窓ガラスがはめ込まれます。屈強な男性職人が3人がかりで運んできたことから見ても相当な重さがあるのでしょう。
右側には外側に向かって開くガラスの開き戸が設置されました。ここがベランダへの唯一の出入り口となります。
仕上げにコーキングをおこなって完成。
曇りひとつない新品の窓は感動的。特に真ん中のフィックス窓は、まるで何もないと錯覚するかのような開放感です。
一方、浴室の窓のほうも交換作業も知らないうちに進んでおりました。
前回、お見せしたとおり、すっきりとした見た目に仕上がりました。お風呂に入るのが楽しみです。
では、最後にあらためてビフォーアフターを比較しておきましょう。
この4枚窓が、
こんな感じにリフォームされました。やっぱり方立てがなくなったのが一番のポイントでしょうか。この部屋の顔である「海」のインパクトがダイレクトに伝わる窓になったので大満足。
ちなみに、工事にかかった時間はというと朝9時から始めて夕方の4時過ぎまでの丸一日。うちのマンションは朝9時~夕方5時の時間厳守なので、ぎりぎり一日で収まったという感じでした。
次回は、この窓辺に置く椅子の話。