(409)工業系トグルスイッチを安価に手に入れる(品番に要注意)
前々回、前回とスイッチカバーの話をしました。
押されたくないスイッチを隠して壁になじませるのが目的でしたが、今回はその逆。目につくスイッチがテーマです。
パナソニック(Panasonic)製の電話線用のプレートとハイスナップスイッチを組み合わせて、リーズナブルにインダストリアル系のトグルスイッチを作ってみたいと思います。
パーツを準備して組み立てるだけの簡単作業ですが、表題のとおり品番に注意しないと失敗するはめになりますのでご注意を。
■電話線プレートとハイスナップスイッチを組み合わせるだけ
きっかけは以前このブログでもご紹介した自由が丘のインテリアショップ「クラッシュゲート」を訪れたこと。
インダストリアルテイストのお手本のような店内の片隅で、見なれないトグルスイッチを発見しました。
工業系のトグルスイッチはtoolboxをはじめ、さまざまなショップで扱っていますが、それらとはちょっと雰囲気がちがいます。よく見てみるとプレートがふだん見慣れているパナソニックの金属プレートであると気づきました。
「でも、パナソニックってこんなスイッチ販売してたっけ?」と思い、ネットで調べてみたところ、電話線用のプレートをハイスナップスイッチと呼ばれるトグルスイッチと組み合わせる方法があることを知りました。
これは面白いぞと思い、早速パーツを入手して組み立ててみることに。
どこにでもある電話線プレート「WN7581」です。
送料込みでも600円ほど。
真ん中のゴムを外すと、ただの穴が開いたプレートになります。
一方、こちらは同じパナソニックのハイスナップスイッチ。住宅用ではなく、ホビーや工作などに使用されるスイッチなんだとか。ポピュラーな商品ではないのでやや入手しづらいのですが、こちらも安価な商品です。のちほど詳しく述べますが品番をまちがえるときちんと動作しないので要注意!
この2つだけでトグルスイッチができてしまうんです。
ハイスナップスイッチにはプレートを留めるためのリング状の金具がついており、
スイッチを電話線プレートの穴に通して上からリングで固定すれば完成。
こんなに簡単にトグルスイッチが作れるなんて、最初に思いついた人は天才だ!と思いました。
ちゃんと設置できるのか不安はあったので現物を見せて電気屋さんに聞いてみましたが、「こんなの初めてだけど大丈夫だと思う」との返事が。
■品番をまちがえるときちんと動作しないので要注意
で、工事当日。
電気屋さんにブツを渡して設置してもらいます。
ハイスナップスイッチに電線が接続されました。
ハンダ付けして、
プレートをかぶせたら完成。
さすがプロ、あっという間でした。
しかし。
照明も点灯して作業完了のはずが、なぜかスイッチをオフにしてもライトが消えないのです。つまり、ずっと通電した状態。
これには電気屋さんも首をかしげていました。ハンダ付けに問題があったのかも、とやり直してくれましたが、結果は同じ。
ふだん住宅で使用するスイッチではないので電気屋さんも原因がよくわからないらしく、電材屋さんに問い合わせてくれました。
その結果、僕が用意したハイスナップスイッチの型番がまちがっていたことが発覚しました。
後日、電気屋さんが正しいスイッチを持ってきてくれたのですが…
左が僕が用意したもの、右が電気屋さんが手配してくれたもの。見た目はまったくといっていいほど同じ……。
と思ったら、品番がちがいました。左は「WD1011F」、右は「WD1021F」。
「WD1021F」が正解でした。
単極と双極とか、on-offとon-off-onとか、いろいろ理屈は聞きましたが、僕の理解力では把握しきれず……。
見た目は変わりませんが、今度はちゃんとオンオフできるようになりました。正解を見つけてくれた電気屋さんに感謝です。
この一件で痛感したのは素人考えで業者さんに頼む場合、リサーチが甘いと迷惑かけてしまうことがあるということでした。
ありがたいことに電気屋さんが品番まで調べてくれましたが、余計な手間をかけてしまったのは事実。そのぶん手間賃を請求されても文句は言えません。安価なパーツで簡単にトグルスイッチが作れるからといって飛びついて、結局は損をするという結果になっていたかもしれません。
とはいえ、通常なら、3,000円から5,000円くらいはする工業系トグルスイッチが、
「電話線プレート WN7581」(送料込みでおよそ600円)と、
「15Aハイスナップスイッチ WD1021F」(送料込み(東京まで)の900円)を組み合わせて約1,500円ほどで実現してしまうのはやはり魅力的。
ホームセンターで購入したり、通販でまとめ買いしたりすれば、材料費は一個あたり千円を切ることも可能と思います。ご興味ある方は品番をきちんと確認し、電気屋さんとも相談しながらトライしてみるとよいでしょう。
次回はトグルスイッチ編の続き。懲りずに電気屋さんに面倒なお願いをしてみます。