(410)ブランクプレートに穴を開けてスイッチに改造してもらう
前回、パナソニック(Panasonic)製の電話線プレート(WN7581)とハイスナップスイッチ(WD1021F)を組み合わせて、リーズナブルに工業系トグルスイッチを作ってみました。
引き続きトグルスイッチの話。今回は、ブランクプレートを改造してもらって2口サイズのプレートに1口スイッチを設置してもらった話です。
■そもそも2口分のプレートに1口スイッチを設置できるのか?
場所はリビング入ってすぐのスイッチ。もともとの古いスイッチはこちら。
3口のスイッチです。
左はキッチンの換気扇、右上はダイニングの天井照明、右下は不明。
新しい換気扇には本体にスイッチがついているので壁スイッチは不要ですし、不明なスイッチも廃止してしまうつもりなので、残すのはダイニング照明につながっている右上のスイッチだけです。
1口だったら、前回ご紹介したトグルスイッチが使えるところなのですが、
ごらんのとおり、プレートをはずすと2口用の埋め込みボックス(=壁内でスイッチを受ける部分)が設置されているので、1口サイズのプレートは設置できません。
パナソニックの電話線プレートには2口用(「WN7582」)もあるのですが、
当然ながら2つの穴が開いているため、スイッチをひとつしか設置しないと穴が1個余ってしまうので見栄えが気になります。
ならば、既製品から探してみるかと思ったものの、そもそも2口サイズのプレートに1口のスイッチだけがついている商品自体がかなりニッチ。電気屋さんに聞いても「見たことないな」とのこと。
ネットでいろいろ探した結果「ヒッタイト(hittite)」というメーカーの商品を見つけました。
「トグルスイッチB(1口正方形型)」。2口サイズのプレートにスイッチが1個だけついています。色もホワイト・ブラック・シルバーの3種から選ぶことができます。デザインも素敵なのですが、スイッチひとつに「8,400円」もかけるのは予算的にオーバーなのであきらめました。
■ブランクプレートに穴を開けてスイッチプレートに加工
よくよく考えてみると、パナソニックの金属プレートのラインナップには、2口サイズ(2連)のブランクプレートがあるのです。
「WN7592」です。
この中心に穴を開け、前回と同じハイスナップスイッチを取り付ければいいのではないでしょうか?
しかし、言うは易いが行うは難し。金属プレートの強度はけっこう強いので、僕のDIY技術できちんとした穴が開けられるかというとちょっと自信がありません。東急ハンズの加工コーナーでは金属も扱っていることを思い出して問い合わせてみたのですがスイッチが収められるサイズの穴加工は受け付けていないとのこと。
そこで、ムリを承知でお世話になっている電気屋さんに「このプレートの真ん中に穴を開けてハイスナップスイッチを設置することってできますか?」と聞いてみることにしました。
前回の品番ちがいの件でも迷惑かけたし、ムリならムリであきらめますと断ったうえでのお願いでしたが、意外にあっさり快諾してもらえました。
工事の作業中、ドリルでサクッと中心に穴を開けてくれました。
一方、こちらは取り付け前の状態。ちょっとわかりにくい写真で申し訳ありませんが、先ほどの古いスイッチの写真とならべてみると…
中央に1口スイッチが設置できるように、電気屋さんが取付枠の邪魔な部分をきちんと切り取ってくれています。ありがたやありがたや。
前回と同様、ハイスナップスイッチを接続して設置してもらいました。
設置後の様子。電気屋さんの丁寧な仕事のおかげで正規品のようにきれいに仕上がりました。
前回ご紹介したスイッチとデザインがそろったので、統一感が出たのもうれしいです。
試したわけではありませんが、1口サイズのブランクプレート(「WN7591」)に2つの穴を開けて2口用にすることも可能だと思います。
金属加工に自信のある方はぜひトライしてみてください。
なお、パナソニックの金属プレートには、
先ほどご紹介したように2口用の電話線プレート「WN7582」や、
3口用(3連)の「WN7583」もあるので、ボックスのサイズさえ合うなら今回のような加工なしでもスイッチの数を増やすのは簡単です。
■プレートの裏にマグネットを貼ってリモコンホルダーに
さて、実は、このスイッチの上にもう1枚、同じブランクプレートを設置してもらいました。
これは先日ご紹介したイケア(IKEA)のリモコンスイッチ「スティルバル(STYRBAR)」を設置するためのスペース。
リモコンホルダーの代わりです。
「スティルバル」のリモコンでリビングのレール照明を操作し、トグルスイッチでダイニングの天井照明を操作します。工事前の使いにくい状況とくらべると、かなり直感的に操作できるようになったと思います。初見のゲストの方でもなんとか使えるのではないでしょうか。
以前も書いたとおり、「スティルバル」のリモコンの裏側にはマグネットが仕込んであるので磁力で金属にくっつくのですが、実は一工夫が必要でした。
リモコンの磁力が弱いのかブランクプレートが薄いのか、そのままだとリモコンがしっかりくっつかず、ずり落ちてきてしまいます。
ならばプレートのほうにもマグネットを仕込んでやればしっかりくっつくはずということで小型の磁石を用意しました。
「E-Value 超強力ネオジウム磁石」です。
位置を調整しながらブランクプレートの裏にテープで3枚ずつ貼り付けてあげました。
これで問題なくピタッとリモコンがくっついたというわけ。めでたしめでたし。
■なじませるスイッチと見せるスイッチのメリハリ
ということで、5回にわたって書いてきた熱海の部屋のスイッチの話もおしまい。
便利だけれどプラスチック製で質感に難があるカバータイプは壁やドアと同じ色で塗って周囲になじませる一方、
金属製のスイッチはしっかり存在感を放っています。
今回の熱海のマンションではこのメリハリがポイントになりました。
次回は電気の配線。上の写真にもチラ見えしている金属製の露出配管についてお話します。