(422)お風呂の浴槽の排水口の詰まりと苦闘した記録
今回から浴室のリフォームについてお話します。
こちらは物件購入当時の写真。窓から海が見えて眺望は最高なのですが、実際にお風呂に入ってみると思わぬ難点に気づきました。
浴槽に溜めたお湯を流すと途中から急に排水が悪くなり、ほとんど流れなくなってしまうのです。
栓を抜いてしばらくは順調に排水されますが、これくらいになると急に流れが止まってしまいます。最初は一晩待てば排水されていたのですが、数回お風呂を使用しているうちにいよいよ詰まりがひどくなってしまいました。
いちばんひどかったのは一週間経ってもまだ流れていなかったとき。これはいよいよ具体的な対策を打たねばならない事態です。
というわけで、今回は排水口の詰まりを解消すべく試した方法あれこれについてまとめます。なお、これひとつで魔法のように解決みたいな話ではありませんので劇的な解決方法をお求めの方は他を当たることをおすすめします。詰まりとの苦闘の一例としてごらんいただければ幸いです。
■その1:ワイヤーブラシが浴槽に非対応だった……
まず試したのがワイヤーブラシ。
「コジット 排水管5連でスッキリパイプ職人」です。
柔軟性のあるワイヤーにブラシがついていて、排水管の詰まりの原因となる頑固な汚れを取り除ける商品です。
長さは95cmあって、ビヨーンと長いです。配管の奥まで届きそう。
先端には2種類、5つのブラシがついています。
こいつを排水管に突っ込み、押したり引っ張ったりして掃除しました。
けっこうゴミが出てきたのでこれで詰まりが解消できるかと思いきや……
翌日になっても流れていませんでした。
ぜんぜんダメじゃんと思って商品説明を見直すと、こんな表記が。
「※浴槽内の排水口には使用しないでください」だと!?
しかも、後からシールで追加した表記。きっと僕のようなユーザーからクレームがあったのでしょう。でも「お風呂に」って書いてあったら浴槽に使えるって思うよね……いや、ちゃんと説明を読まずに試した僕が悪いのです。
今回あらためて調べたら、ちゃんとお風呂に対応したものもありました。
ただ、これも浴槽の排水口に対応と明記されているわけではないので、どうなのかしら。
■その2:パイプクリーナーで水が流れた!
仕方ないのでひとまずは紙コップで汚れた水をすくい出して捨てたものの、排水口をのぞくとギリギリまで水が溜まっているのがわかる状態で、とにかくこの詰まりを解決しなければ二度とお風呂に入れない状態は変わりません。
次に用意したのがこれ。
水道製品でおなじみのSANEI(サンエイ)の「真空式パイプクリーナー」です。
排水口をシュコシュコやって詰まりを取るタイプです。
裏面を見ると「台所、洗面所、男子トイレなどの排水パイプのつまりに最適です」とのことで、浴槽の排水口に対応しているか微妙ですが、ダメとも書いてないのでトライしてみました。
排水口全体を覆うようにラバーカップをしっかりと押し当て、
取っ手を上下に動かします。押し込むと圧力がかかり、引っ張るとたまった水が吸い出され、奥の詰まりが解消されるという仕組みです。きっちんと密閉状態が作られていれば、押し引きする際の圧力が感じられるはず。
吸い出した水を洗い場に捨ててあげながら数回繰り返しました。
これは目に見える効果がありました。この夜お風呂に入ったときは、栓を抜いて翌朝には浴槽がカラになってくれました。「なんだよ、一晩もかかるのかよ」とお思いの方もいるでしょうが、一週間排水できなかったことを思えば劇的な進歩と言えましょう。
排水が途中で止まってしまうのはあいかわらずなのですが、そんなときは水が溜まった状態のままこのパイプクリーナーを使ってもOK。排水スピードが加速されて数時間で浴槽がカラになりました。今回試した中ではいちばん効果が実感できたアイテムだと思います。
しかし、このパイプクリーナーはあくまで緊急手段。遊びに来たゲストのみなさんに毎回これを使うことを強いるわけにはいきません。
■その3:ピーピースルーで流れを改善
詰まり自体をもっと改善したいという気持ちもあり、今度はパイプ洗浄剤を試してみることにしました。
「ピーピースルー」です。
アマゾンの商品ページの説明によると「強力な発泡と発熱作用で、排水管内のヨゴレを取り除き、清潔に保つ衛生的な排水管洗浄剤」です。
世田谷のマンションで洗面の排水口が詰まったときに使っているので効果は実感済みですが、果たして浴槽にも効くかどうか。
使い方ですが、排水口のまわりに「ピーピースルー」の粉をまいてから温水で流すか、「予めポリバケツなど大きな器で薬剤を溶かしてから排水口に流しき」るという方法で使います。
今回はバケツを使ってみました。
温水を入れると泡立ってきます。
こいつを排水口に流し入れ、しばらく待ちます。
商品説明では「30分~1時間あるいは、一晩放置」と書かれていたので、翌日までじっくり待ってみました。
結果はというと排水までの時間がちょっぴり短くなったかなくらいの感じ。
説明には「効果が不充分な場合は、上の作業をもう一度繰り返しください」とありますし、「月2回程度の定期的な洗浄をお勧めします」ともあります。
重度の詰まりの場合、一度でどうこうというよりは、定期的に掃除に用いることで少しずつ改善していくものなのだと思います。
■その4:パイプユニッシュで流れを改善
同じ洗浄剤ばかり使うのではなく異なる種類も試してみたいと思い、パイプ洗浄剤の定番「パイプユニッシュ」にも手を出してみました。
「パイプユニッシュ プロ」です。
「少ない量で超強力」というキャッチに期待がそそられます。
こちらは直接、排水口に流し込むので「ピーピースルー」よりも手軽です。
注意すべきは、複数の洗浄剤を試すときは必ず別々に使用するということ。当たり前のことかもしれませんが、強力な洗浄剤同士が作用しあうと思わぬ有毒物質が発生することがあります。僕は異なる洗浄剤は必ず数日空けてから使用するようにしています。
さて、こちらも「ピーピースルー」と同様、一回で劇的な効果があるかというとそこは微妙。やはり繰り返して使うことが大事なのでしょう。
ちなみに、プロのほうが入手できないときはノーマルな「パイプユニッシュ」を使うこともあります。
種類にこだわるよりは定期的な洗浄を習慣づけることで少しずつ事態が改善していくのでは、と思っています。
なお、「パイプユニッシュ」は「ピーピースルー」とは異なり「取れた汚れがパイプの途中でつまるおそれがあるので長時間放置しない」というのが使用上のポイント。長く置けば置くほど効果があると考えがちな人は要注意です。「15~30分放置」したら、さっさと流してしまいましょう。
■排水は改善されたけれど、まだまだ安心できないかも?
以来、「ピーピースルー」と「パイプユニッシュ」をそれぞれ月1回ずつくらいのペースで半年ほど使い、排水までにかかる時間もだんだんと短くなってきました。
現在では栓を抜いておよそ一時間でカラになります。
それでも一般的なお風呂とくらべると時間がかかることは変わらないのですが、事前にきちんと説明しておけば、お客さんにも理解を得られるレベルまでこれたかな、と。
結論としては「応急処置としてパイプクリーナーで水を流しつつ、複数の「パイプ洗浄剤」を定期的に使用し、詰まりを少しずつ改善していく」という感じでしょうか。今後も定期的な洗浄を続けて、この時間がもっと短くなるのを期待します。
ようやくお風呂にも入れるようになってよかったよかったと思っていましたが、最近、業者さんと会ってこの話をしたら「シーズンの問題もありますよね」と言われました。ふつうのマンションとちがい、リゾートマンションは来訪する人が多いシーズンとそうでないシーズンがあります。
思えば、一週間排水できなかったのはちょうどお盆くらいの頃で、夏のバカンス真っ盛りの時期でした。来客が多ければお風呂の使用頻度も上がり、みんなが水を流せば当然排水も渋滞するというわけ。たしかに、夏前はもう少し排水は順調だった気がする……。
業者さん曰く「浴槽のすぐ下ではなくて、もっと先の合流で詰まってるのかもしれないんですよね。だとすると、他のお宅との兼ね合いもあるかもしれません」ということでした。
僕は少しずつ状況が改善しつつあると思い込んでいましたが、ただ単にハイシーズンが過ぎ、閑散期になって流れが改善されただけだったのかもしれません。だとすると、今回書いた経験談の有用性も疑わしくなってしまうのですが……さて、どうなることでしょう。次のゴールデンウィークあたりには注意が必要かもしれませんね。今後の展開があれば、またご報告したいと思います。
次回も引き続き、お風呂の話。今度は浴槽の頑固な汚れを落とします。