(424)お風呂の冷たい床にはLixilのサーモタイルを張ることにした
前回、前々回とお風呂の掃除をおこないました。
今回から床タイルのリフォームについてお話します。
もともとは築古の在来風呂の定番、玉石タイルが張られていました。
個人的には嫌いなデザインではありませんが、躯体あらわしの壁を中心にした今回のインテリアのテイストには、この昭和レトロ感あふれるタイルはマッチしないと感じました。
できればまわりの壁にあわせて黒系のタイルを張ってモダンな雰囲気にまとめたいと思います。
いちばん確実なのは壁と同じタイル(INAXの「ミスティパレット」)を張ることですが、残念ながらこのタイルは壁用で床には対応していません。言われてみると大きさの割には薄いタイルで(厚さ5ミリ)、衝撃がかかると割れてしまいそうですから床には向かない感じがします。
ならばと思いついたのがtoolboxのピクセルタイルのブラック。
一辺わずか15ミリの小粒なモザイクタイルで、以前、グレーとホワイトをミックスして世田谷のマンションの玄関土間に張ったこともありました。
小粒なわりに厚さは6ミリあるので耐久力もあっていいなと思ったのですが、商品ページをよく見てみると「浴室床×」の表記が。
問い合わせてみたところ、理由は単純「滑るから」とのこと。うちの浴室はそこそこの広さはあるので、滑ったときに壁に手をつけなかったりすると思わぬケガにつながるかもしれません。
というわけで、こちらも断念。
どうしようかと思案しているうちに冬が来て、はたと気づきました。
冬の床タイルって、とにかく冷たいのです。
タイルという素材はデザインや質感は素晴らしいのですが、真冬に触ると心臓がきゅうっとするほど冷え切ります。床に手を入れるならばなによりこの冷たさを改善するべきなのだと思い立ちました。
■東リの「バスナ」を検討するが……
寒さ対策で真っ先に浮かんだのが東リの浴室用のビニル床シート「バスナ」でした。
【東リ】バスナシリーズ
ショールームでは施工例も展示されています。
磁器タイルの上から張りつけてユニットバスのような床にリニューアルできます。
ビニールシートですから冷たさはまったくありませんし、カッターで簡単に切ることができます。専用の副資材もきちんと用意されていてDIYも安心です。ショールームの方の話でも、築古のリフォームにおすすめとのことでした。
バスナシリーズの中でも我が家のお風呂に合いそうカラーラインナップがそろっているのは「バスナリアルデザイン」シリーズの「ランダムストーン」でした。
「グレー・ベージュ・ブラウン」もありますが、いちばんピッタリきそうなのはやはり「ブラック」ということでカットサンプルをいただきました。
「ランダムストーン」の名前のとおり「存在感のある大きな石材をランダムに配置」(公式ページより引用)したデザインだそうです。
最近のこの種の商品はとてもよくできていて、表面もツルペタではなく、細かい凹凸が表現されていてビニール感はありません。
しかし、石材っぽさを強く意識したデザインから漂うコピー感が個人的に気になりました。先日ご紹介したコンポジションタイルのような、もっとフラットでクセのないデザインだったらよかったのですが……。
■リクシルのショールームにサーモタイルを見に行く
他の可能性を模索していて見つけたのがリクシル(Lixil)のサーモタイルでした。
【リクシル】サーモタイル
硬質なタイル素材であるにもかかわらず、触れたときに冷たさを感じにくいというタイルです。公式ページの説明によると「タイルの熱流束(熱が伝わる速度)を小さくすることで、ヒンヤリ感を軽減」したとのことですが、体験しないとよくわからんということでショールームへ。
クリスマスも近い時期とあってツリーなど飾ってありました。
タイルがずらりとならぶコーナーの一角にサーモタイルのサンプルもありました。
早速見本を触ってみましたが、たしかにあんまり冷たくありません。いや、冷たくないわけではないんですが、一般的なタイルに触れたときに感じる「冷たっ」という感じがかなり軽減されているのが実感できました。
質感としてはタイルならではのしっかりとした硬さがあり、ざらりとした表面加工なので滑ることもないでしょう。
大判のものは雰囲気もあっていいのですが、カットの手間を考えるともう少し小さめのものを選びたいと思いました。
いろいろ見ながら気になるものをピックアップしてサンプルをいただきました。
■「ナチュラル」シリーズの「NT-34」に決める
こういうのは現場で合わせてみて決めるのが大事ということで、熱海の浴室にサンプルをならべてみます。
左上から時計回りに「ソフライムII(SL-31N)」「クォーツ(QZ-34)」「ナチュラル(NT-31)」、「ナチュラル(NT-34)」の4つ。
こうして眺めてみると、もともと浴室内にグレーの要素がないこともあり、「ソフライムII」や「クォーツ」はちょっと合わないように感じました。サイズ的にカットも大変そうなので候補からはずします。
となると、ピースの小さい「ナチュラル」シリーズの白(NT-31)か黒(NT-34)かという選択になります。
浴槽が白なので白(NT-31)もありかなと思ったのですが、汚れや傷が目立ちやすいかもと思い、結局、無難な黒(NT-34)を選ぶことにしました。
ごらんのとおり、黒ではありますが、標準的な黒のタイルとくらべるとグレーがかった色なのでご注意ください。
サイズはというと、
サーモタイルの「ナチュラル」は5センチ角のタイルが6個ならんで1シートが約30センチ角となっています。
一方、浴室を採寸してみると…
横は120センチで、
縦は82センチ。
単純計算でタテ3シート×ヨコ4シートの計12シートで足りそうです。
ところが、いざ注文となったら意外にも取り扱いしているネットショップが少なくて驚きました。僕が探したかぎり、シート単位でのバラ売りに対応しているショップは「ボウクス・タイルマーケット」くらいしかありませんでした。
【ボウクス・タイルマーケット】サーモタイル ナチュラル(IFT-50P1/NT-34)
1シートは「1,234円」とタイルにしてはやや高め。価格でくらべると先ほど紹介した東リの「バスナ」のほうに軍配が上がりそうですが、ビニールシートの場合は購入時の最小サイズが大きいため、施工面積が狭ければサーモタイルのほうが安い可能性もありそう。価格にこだわるなら、しっかり計算するのをすすめます。
1シート「1,234円」×12シートで、送料「1,100円」を加えて「15,908円」となりました。
次回は、これを玉石タイルの上にDIYで重ね張りしてみたいと思います。