(474)ガスコンロを防熱板で囲んで伝導加熱と油はねを防止する
このブログは基本的に僕が関心のあるテーマを好き勝手につづって細々と更新しているのですが、たまに読者のみなさんの関心にヒットして思ったよりも多くの人に記事を読んでいただけることがあります。そのひとつが業務用ガスコンロの話。
家庭で業務用ガスコンロを使いたい方は多いのかもしれませんが、さまざまなリスクがあるので正直あまりおすすめはできません。
中でもリスクの筆頭は「伝導加熱」であります。ガスコンロから発せられた熱がまわりの壁に伝わり、内部の木材が熱せられて時間をかけて炭化し、出火してしまうという危険があるのです。
それを防止するにはガスコンロを壁から離して設置する必要があるのですが、スペースの限られたキッチンではなかなか難しいのが現実でしょう。
そこでガスコンロの火と熱から壁を守るために専用の防熱板を設置する必要があります。
この記事で書いたときはコンロの左横のみに防熱板を設置したのですが、実際に使ってみると伝導加熱の防止だけでなく、料理中に発生する油はねなどの汚れが周囲の壁に飛び散るのを防いでくれるのでとても便利だと実感できました。
そこで、今回は僕が暮らす自宅のキッチンの二面にガスコンロを取り囲むように防熱板を設置してみたいと思います。
なお、以下でご紹介する固定方法は「手元にあるものでやりくりするDIY」の一例であって、広く汎用性のある方法ではないことをあらかじめおことわりしておきます。
■伝導加熱の心配と油はねを掃除する手間が悩み
こちらが僕の自宅のガスコンロまわり。
このブログでは何度もご紹介してきたタニコー(tanico)の業務用キッチンのコンロ台の上に、現在は生産終了となってしまった業務用ガスコンロ「ガスクッカー」をのせて使っています。
安全センサーに邪魔されることなく高火力で鉄のフライパンをガンガンに熱して焼く厚切りステーキは最高です。
手前ギリギリまでガスコンロを前に置いて右に寄せ、
左側の壁にはキッチンパネルを張ってありますが、
一般的に安全と言われる「壁から15センチ」の距離は保てていません。家庭用よりも強力な業務用を使っていることを考えるとやはり不安があります。
また、ガスコンロとコンロ台のスキマをのぞくと、
こぼれ落ちた油汚れでひどい状態。
背面の窓枠にも油汚れがベッタリ。
安全面だけでなく、衛生面から見ても問題があるのがわかります。ここに防熱板を立て、熱や火だけでなく、油汚れからも壁を守ろうと思います。
■粘着フックやブックエンドを駆使して防熱板を固定する
そんなわけで、左側面と背面にそれぞれ防熱板を設置することにしました。
パロマ(Paloma)製の「防熱板A」(背面用・写真上)と「防熱板B」(側面用・写真下)です。
表面に貼られた青いビニールは保護材。
これをビリビリとはがして、
こんな感じで側面と背面を取り囲んでみたいと思います。
問題は固定方法。
防熱板の裏にはこんなふうに取り付け金具がついているので、壁にネジを打ち込んで引っかけて設置するのが一般的です。
しかし、我が家のキッチンでは、背面は業務用コンロ台のバックガードがあるので簡単にはネジは打てません。側面の壁はというと下地の問題でネジは効きませんし、ガスコンロとの間にスキマがあります。コンロの側面にぴったりつけて防熱板を立てたいので何か固定方法を考える必要があります。
そこで、まず背面については粘着式のフックを活用することにしました。
こいつをペンチでつぶしてフック部分のスキマをタイトにして、
こんな感じに防熱板の金具に差し込み、
シールをはがしてコンロ台のバックガードにぎゅっと接着します。
一方、側面については百均で買ったスチール製のブックエンドを使いました。
壁につっかえるように置いて、このスキマに防熱板を挟み込んで立てようというわけ。
手前にも百均で買ったミニブックエンドを追加で設置。こちらはコンロの脚の下にかませて簡単にズレないようにしました。
いざ防熱板を立ててみると、思ったよりもスキマが空いてしまい、ちょっとガタガタします。
苦肉の策として小口平のタイルをスキマにはさんでみると、ぐっと安定感が増しました。タイルは不燃性の素材なので安心です。
かくして、なんとか防熱板が自立した状態に持っていくことができました。
とはいえ、触ればぐらつきますし、ネジで固定するのにくらべればいささか頼りない。プロの業者さんだったら、絶対におこなわない固定方法でしょう。これが賃貸のキッチンなら僕だって別の方法を考えたはずです。
でも、自分が使うキッチンですからどこにリスクがあるかをしっかり承知していればそれでいいのです。少なくとも、調理中に突然倒れてくるような致命的なリスクはない構造ですから問題はありません。
■すきまボードも設置すれば、調理後の掃除もラクちんに
さらに、ダメ押しで「レンジすきまボード スライド型」(東洋アルミ)も用意しました。
これでガス管の取り回しの関係で背面に残った数センチのスキマをカバーします。
スライドして幅をぴったりに調整できるのが便利です。
今回はスキマが狭いので置き方はイレギュラー。コンロの天板にマグネットでくっつけて、背面に立てかけるように設置しました。
かくして伝導加熱と油はねをガードしてくれる環境が完成しました。
これだけガードされていれば、心配はないでしょう。
早速、厚切りステーキを焼いてみました。不安が払しょくされたので、のびのび調理できて楽しいです。この模様は次回に詳しく。
以前は、コンロとコンロ台のスキマや、側面の壁や、床にまで汚れが飛んでいたのですが、防熱板でがっちり囲んだのでコンロの表面と防熱板だけを掃除すればいいのも期待通りでした。
すきまボードはマグネットでガスコンロにくっついているので、必要に応じて持ち上げて掃除することもできます。
掃除のストレスが減ると、汚れがはねやすいトマトソースの煮込みなどの心理的ハードルも下がります。環境を変えると生活が快適になるのはプチリフォームの素晴らしさですね。
これからの涼しい季節になってくるので料理の回数を増やしていこうと思っています。次回は、このキッチンで厚切りステーキを焼く模様をレポートします。