(565)【準備編】住みながらキッチンにフロストタイルを張った
僕がタイルDIYを始めたのはおよそ7年前のこと。当然ながら、それよりも前にリフォームした部屋にはタイルが張られていませんが、空室になったタイミングを狙ってタイルを張り足してきました。
空室時は気兼ねなく作業できるのでタイルを追加するにはうってつけなのですが、入居中のお部屋となるとそう簡単にはいきません。
それでも入居者さんとお話していると「うちの部屋にもタイルが張ってあったらうれしい」という声をいただくことが多く、すでに入居済みの部屋にも追加でタイルを張れたらいいサービスになるのにと思ってきました。
今回、マンションの中でも親しくしてくれている入居者さんに協力してもらい、住みながらキッチンの壁にタイルを張るのにチャレンジしてみました。
■タイルと干渉しそうな設備をどうするか考える
まずはタイルを張る前のキッチンからどうぞ。
写真はおよそ8年前、部屋が完成した当時のもの。うちのマンションの定番、業務用キッチンを初めてお客さん向けに取り入れました。壁にはサンゲツで見つけた六角形の柄の壁紙が貼られています。
タイルを張るのはこの部分。以前、空室のキッチンにタイルを張ったときのように壁面収納をはずして全面にタイルを張るのが理想ですが、住みながらの工事となるとそこまではできません。壁面上部の収納に触れない範囲で部分的にタイルを張ろうと考えました。
壁に吊るしてあるフックや水切りラックは取り外せばいいとして、問題は2点。
ひとつはこの手元灯です。実はこれ、光源がもろに目に入って使いにくいと伺いました。当時、まだまだ不慣れだった僕があまり考えもせずに導入してしまった結果なので、タイル施工にあわせて交換することにしました。
他の部屋で電気屋さんが作業する用事があるときに、ついでにお邪魔して取り外してもらいました。新しい手元灯はタイルDIY後に取り付けることになるので当面は不在になります。もともと眩しくてほとんど使っていなかったそうですから、しばらく手元灯がなくても問題ないということで了解をいただきました。
もうひとつのハードルが水栓の配管が壁から出ている箇所。プロならばいったん水栓本体をはずし、配管まわりまできれいにタイルを張り込むのでしょう。
しかし、キッチンの水栓が使えない期間があると生活が成り立たないので、水栓が付いたままの状態で、できるかぎりきれいにタイルを張ろうと思います。
■選んだのはtoolboxのフロストタイル
続いては、どんなタイルを張るか考えます。空室のリフォームなら僕が独断で決めるのですが、今回は住みながらのリフォームなので入居者さんの希望が最優先。
とはいえ、素人の僕が作業する以上、技術的に難しいことは請け負えないので、「入居者さんの希望」と「アサクラの技能」をすりあわせながらタイルを選んでいきます。
いろいろなサンプルを見ながら、あーだこーだ言ってタイルを選びます。入居者さんはカップルでお住まいなのでお二人ともが納得のいくタイルを見つけねばならず、なかなか簡単ではないのですが、いつものとちがってだれかと議論しながらタイルを選ぶのは本当に楽しい経験でした。
何度も書いてきたとおり、タイルDIYは小粒なモザイクを選んだほうが収まりがつきやすいのですが、出てきたリクエストを総合するとサブウェイタイルのような横長の大判のタイルなら二人そろって気に入りそうだと感じました。
内心「大きなタイルをちゃんと張れるのだろうか」という不安もありましたが、せっかく住みながらタイルを張るのですから喜んでもらえるタイルを選びたいということで、
手持ちのサブウェイタイルのサンプルを引っ張り出し、
壁を採寸しながら、きれいに収まりそうなものを探すことにしたのです。
その結果、toolboxで取り扱いのある「フロストタイル」にたどりつきました。
【toolbox】フロストタイル
このタテの長さが水栓の配管をカバーできるくらいのちょうどいいサイズだとわかったのが決め手でした。
いわゆる「小口平」と呼ばれる伝統的なタイル(写真上)の横幅が倍になった「二丁掛」(写真下)です。
小口平自体はうちのマンションの外壁にも使われているオーソドックスなタイルですが、これが真っ白で横長となると不思議とモダンな雰囲気が出てくるのです。お二人ともバッチリ気に入ってくれたようで、これでいくと決まりました。
■割り付け図を作成してタイルカットのサイズを確認
さて、ざっくり採寸しながらタイル選びをしたものの、きちんと収まりを再確認しなければ施工できません。
こちらの壁を採寸した結果、
幅は1200ミリ、高さは495ミリでした。
一方、フロストタイルのサイズはというと、幅227ミリ、高さ60ミリ。
目地幅を8ミリと仮定して、電線や水栓との兼ね合いも含めて収まりを考えた結果、
こんなふうな割り付けになりました。タイルの高さ60mmの中に、うまく水栓と電気配線を収めてすっきり見せようというのがポイントです。左端に若干のスキマが出るので、カットしたタイルで埋めることになりそうです。
問題は「いつタイルをカットするか」。
いつもならまずカットなしのタイルを接着してから残ったスキマを計測してカット作業をおこなうのですが、今回は住みながらの工事です。作業回数はなるべく少なくして入居者さんの負担を減らしたいという思いがあり、事前にタイルをカットして臨むことにしました。
注意点を列挙した紙に書き込みを重ね、収まりを何度も何度も再確認してからカット作業をおこなったのですが、その模様はまた次回。
■バラ売りタイルを40枚注文して「5,720円」
最後にフロストタイルを注文します。
先ほどの図を見直すと、
6列×7段で42枚のタイルが必要な計算になります。
ただ、いちばん左の列は一枚の両サイドをカットして使うことができるはずなので、少し枚数を減らしてもいいだろうと考え、40枚を注文することにしました。
フロストタイルはお得なケース売りもありますが、今回はバラ売りで十分だったので40枚ちょっきり購入して送料込みで「5,720円」。プチリフォームの費用としては文句なしの価格です。
数日でタイルが届きました。
残念なことに2枚ほど端っこが割れているものが。まあ、タイルをあるていどの数で注文するとわりとよくあること。お願いすれば交換してくれるのでしょうが、今回はカットするタイルが多いので、そっちに回してしまえばいいということで不問に。
これにて準備完了ということで、次回はタイルをカットして壁に接着します。