(568)うちのマンションの定番を詰め込んだフルリフォームを紹介する
前回まで3回(1・2・3)にわたって入居中のお部屋のキッチンにタイルを張りました。実はこの部屋、もう8年以上にわたってお住まいいただいていて、入居者さんともとても親しくお付き合いさせていただいています。
今回は、8年前にリフォームが終わった直後に撮影してもらった室内をご紹介。「うちのマンションリフォームの定番」を詰め込んだ部屋をごらんいただきます。
間取りと広さはいつもご紹介している他のお部屋と同じ(30平米)。
以下、写真はすべてカメラマンの邑口京一郎さんによるもので、末尾に写真と間取りの対応図も掲載しておりますので適時ご参照くださいませ。
まず、玄関ドアを開けて室内を眺めます。
玄関の右横の壁には二段のニッチ。意外なことに、これはリフォーム前からあったもの。ずっと昔に壁をぶち抜いて浴槽を交換した際に残った穴を流用して作ったんだと先代から聞きました。
前に進んでリビングを見渡します。
窓を開けると外には隣家の緑が垣間見えます。
掃き出し窓の隣の壁にはガラスブロックの窓を設置し、室内に存分に外光を取り入れています。この窓はかつて壁貫通型の旧式エアコンが取り付けられていた穴を流用したものなので、思ったよりもリーズナブルに作ることができました。
8年前、真っ白な部屋ばかり作るのに飽きてきた僕は、この部屋では落ち着いたミディアムブラウンのフロアタイルを選んでみました。サンゲツのフロアタイル「ロングプランクオーク」(WD-326)です(現在、後継品があるかは不明)。
右の壁にはアクセントのクロスを。
この壁紙もサンゲツのものですが、8年が経った現在でもラインナップに残るロングセラーです(現在の品番は「FE76836」)。
スイッチはガチッとした手ごたえが特徴のヨーロピアンタイプのスイッチを選びました。このタイプのシルバーカラーはわりと珍しいのではないでしょうか。
寝室には押し入れを作り変えたクローゼット。
建具の代わりに定番のロールカーテンが設置されています。
写真右奥に歩を進めると、
ドアポストにアクセントのブルーを入れた玄関と、キッチンが見えてきます。
このブログでは何度もご紹介している業務用キッチン(タニコー)ですが、賃貸に初めて導入したのがこの部屋でした。
60センチの一槽シンク、60センチの引き出し付き作業台をならべ、IKEAの「グルンドタール(GRUNDTAL)」シリーズの壁面収納を全面に取り付けてもらいました。
窓際には、120センチ幅のコンロ作業台を置き、ガスコンロを設置しています。以前も書いたとおり、柱が干渉してノーマルなL型キッチンが設置できないゆえの苦肉の策でしたが、現在にいたるまで定番のキッチン編成となっています。
キッチンの反対側にはトイレ。鮮やかなブルーのアクセントカラーが印象に残ります。いつも使っているウォールキャビネットが品切れで手に入らず、縦長のキャビネットを取りつけましたが、その形も面白い視覚的効果を生んでくれました。
トイレの隣は洗面。ガラスのボウルと立水栓の組み合わせや、まあるいボール型の照明など、いつもとはややテイストの異なるものを選びました。
洗面の右の折れ戸を開けるとユニットバスが。リフォーム前の浴室は在来のタイル張りで水漏れを起こしたこともあったので、新しいユニットバスを取り付けました。
いかがでしたでしょうか。現在では定番となるアイデアが散りばめられていて、床と壁の色使いやアクセントカラーのカラーの使い方など、8年経った今見返してもなかなかいい部屋が作れたと感じます。正直、飽きっぽい性格じゃなければ、このパターンを延々と繰り返していけばいいのかもとすら思う「定番感」の漂うインテリアです。
ちなみに、こちらのお部屋、フルリフォームで353万円もかかりました。当時は大枚をはたいて入居が決まらなかったらどうしようかと震えましたが、本当に素晴らしいご縁に恵まれてもう8年以上お住まいになっていただいています。
ちなみにリフォーム後のお家賃は「118,000円」でリフォーム前よりも「28,000円アップ」。8年も経つとこの差額だけで「270万円」近くも積み上がった計算になり、値上げ分のみで353万円の工事費用全体を取り戻せる未来も見えてきました。まあ、いい入居者さんに恵まれたがゆえの出来すぎな成果なのではありますが。
次回は、こちらのお部屋がどんなふうに作られたか、ビフォー画像や没になったアイデアメモなどをまじえてご紹介したいと思います。