(629)真っ白なトイレにDIYだけでどうやって色を付けるか?

今回から再び世田谷のマンションの自室のDIYリフォームについて話そうと思います。
手を入れるのはトイレです。

これがリフォーム前の姿。
10年前に設置したのですが、そのときに自分が何を考えていたか、定かではありません。「こういうインテリアにしたい」というこだわりもなかったので「ひとまず白一色で」と考えたような気がいたします。
しかし、あれから10年が過ぎ、さまざまなリフォームを経験してタイルDIYもこなすようになった今、この内装に味気なさを感じてしまうようになりました。
そこで、自分なりにこのトイレにアクセントカラーを付けて雰囲気を変えてみることにしました。自室ということもあり、業者さんの手を一切借りないでDIYだけでできる工事に限定してリフォームしました。
では、リフォーム後の姿をごらんください。

先ほどと同じアングルで撮影したので、違いがはっきりわかるかと思います。

少し引いたところから撮ってみました。リフォームの全貌がほぼ写っています。主なポイントをまとめると、
(1)左側面の壁にスカイブルーでアクセント塗装
(2)背面の収納トビラをオレンジで塗装
(3)床にモザイクタイルを張る
(4)ペーパーホルダーなどの金物類を真鍮に交換
といったところがDIYで手を入れたポイントです。
どうやって施工したかなどの細かい説明は次回以降に譲るとして、今回はアクセントカラーを中心にインテリアの方向性をどう決めたかについて説明したいと思います。
■壁面の左側にアクセントカラーを塗ったワケ
真っ白な内装に色を付ける場合、どこに色や柄を盛り込むかを考えるのが重要になります。
いつもマンションのトイレをリフォームするときは、主に背面の壁にアクセント塗装をお願いしています。

落ち着いたブルーグレーで塗ったり、

ビビッドなブルーで塗ったりしてきました。

こちらはライトグレーで背面を塗りつつ、床にモザイクタイルを張った事例です。
自室のトイレをリフォームしようと考えた当初は、他の部屋と同じように背面の壁に色をつけようと思ったのですが、便器や壁面収納を取り外さずにペイントする場合、背面の壁はとにかく塗りにくいのです。とくに便器のうしろは塗装できない部分も出てくるので、あとあと便器を交換しようとしたときにこんなふうになってしまいます。

この部屋は工事の都合でトイレの塗装が便器設置後になったため背面に塗り残しがあったのですが、

新しい便器を設置したら交換前よりも背が低かったせいで塗り残し部分が見えてしまいました。できればこういう事態が起こるリスクのある塗装はしたくありません。
そこで目を付けたのが側面の壁です。

この左側の壁なら障害となるものはほとんどないのでトイレットペーパーホルダーを取り外すだけで簡単に塗装できます。側面だけにアクセントカラーを塗って視覚的にどんな効果が出るのかは未知数ですが、自室なので多少の実験はいいかもしれません。
■床には定番のモザイクタイルでアクセントを
タイル好きの僕としては床にモザイクタイルを張ることは最初から決めていましたが、タイル選びについてはDIYならではの制約がありました。

既存の便器を取り外すことなくタイルを張るのは、実はなかなか厄介な作業です。便器は丸みを帯びた形をしているため、そこを避けるようにタイルを張るにはかなり繊細なタイルカットが必要になるからです。

もし水道屋さんに頼んで便器を外すならば、こんなふうに大判のタイルを張ることもできるでしょうが、そのぶん費用もかさみますし、何よりトイレがしばらく使えないのは困ります。
となれば、便器の曲線に合わせて張りやすいようにタイルはなるべく小粒なものをチョイスするべきだと考えました。

というわけで、僕のDIYではおなじみの10ミリの小粒タイルを採用しました。
一辺が10ミリしかないため施工しやすく、タイルDIYでは重宝しています。

トイレに先駆けて施工した廊下の床にはオレンジのコンポジションタイルを張ったので、それに合わせてオレンジ色のタイルを選ぼうと考えました。
■「オレンジ×スカイブルー」+「真鍮」=海外っぽい?
オレンジをアクセントカラーにするならば、側面の壁もオレンジでそろえるのが無難ですが、それだとちょっと刺激が強すぎる気もします。
そこで、以前から試してみたかった「オレンジ×スカイブルー」という組み合わせを試そうと思いつきました。

廊下にそろえて床にオレンジのタイルを張り、壁にはスカイブルーでアクセント塗装を施す、という大枠が決まりました。
ここまでくると、あとはこの2つの色をどう組み合わせていくかを考える段階に入ります。

床のタイルはオレンジにするとしても、目地までオレンジ一色もつまらないかもしれないので、壁にそろえてスカイブルーの目地を入れてみようとか、

背面の壁は塗れなくても、壁面収納のトビラだけなら塗れるなとか、ポンポンと思考がつながっていきます。こういうときは楽しいですね。

そんなこんなでオレンジとスカイブルーを組み合わせたトイレができあがったというわけ。

このあとインテリアの仕上げに真鍮製の小物を配置しました。このトイレ、見た人は一様に海外のトイレみたいとおっしゃいます。
そういうふうに意識したつもりはないのですが、好んで眺めるインテリアの本が海外のものが多いのは事実ですし、言われてみれば「インテリアに真鍮を取り入れよう」と思ったのは明らかにそういう本の影響がありますね。

まあ、派手といえば派手なのですが、お客さんに貸す物件でもないですし、トイレは長い時間を過ごす場所ではないのでこれくらいでもいいかなと思っています。
次回からは、DIYの工程をひとつひとつ紹介していきます。