(688)【後編①】ふすまのリメイク:スライスウッドを張る

母屋のリフォーム

引き続き、ふすまのリメイクをおこなっていきます。

今回のコンセプトは、

ふすまのリメイク法2種類

「開けられるふすま/閉めたままのふすま」を異なる方法でリメイクすることで、両者を視覚的に区別すること。

前回は「閉めたままのふすま」を壁と同じ塗料で塗り、周囲になじませて存在感を消しました。

リメイク後のふすま

一方、左に見える「開けられるふすま」については、「ここがドアだよ」という存在感を主張するために木材を張ってリメイクしてみましたが、これがなかなかの手間でした。三回にわたって一部始終をリポートします。


■天井張りの失敗で余ったスライスウッドを活用する

スライスウッドパネル

張り付けるのはスライスウッドパネル

厚さ2ミリのオークの薄板です。これを選んだ理由は以前の失敗で大量に余っていたから。

この部屋のリフォームを始めた当初は天井に張るつもりで購入したものですが、たわみのある和天井には接着することができず、無残に失敗したのでした。この失敗のおかげで大量のストックが余ってしまっていたのです。

さて、スライスウッドといえば、以前、リビングダイニングのリフォームをおこなった際に、引戸に張ったことがありました。

このときの出来栄えに満足できたので、今回はこのやり方を踏襲して、スライスウッドでふすまをリメイクしてみようと思います。

引き違いのふすまの表面に板材を張るとなると「厚みが増してしまってドアが開閉できないのでは?」とお思いになる方もいるかもしれませんが、今回は引き違いのドアのうち手前側のほうだけにスライスウッドを張るので、開閉に支障をきたすことはありません。

スライスウッドパネルの厚み

それに、パネルの厚みはわずか2ミリなので、ふすまの枠の厚みとほとんど変わらないのです。

スライスウッドパネルの厚み

この厚さならば、引き違いの両方に張ったとしてもちゃんと開閉できるのではないか、と思います。興味がある方はぜひトライしてみてください。


■厚さ2ミリなのでカッターで切れて精度も出しやすい

では、スライスウッドを張る準備から始めましょう。

ふすま

まず、前回と同じ方法で表面の紙をはがします。

ふすま紙をはがす

スクレイパーを使いましたが、今回は上からスライスウッドを張るので、隅々まできれいにはがす必要はありません。

紙をはがしたふすま

僕はこのていどまではがしましたが、もっとざっくりでもいいような気もします。

スライスウッド

この上にスライスウッドを張り付けます。

スライスウッドの仮置き

横方向に置いてみると、サイズはちょっとオーバーするていどでムダが出にくいのは幸運でした。端材については使用せず、はみ出たぶんをカットする施工方法を選ぶことにします。

スライスウッドのカット

カット方法ですが、今回は幅を測るのではなく、真上から見てカットする部分にラインを引いてみました。

スライスウッドのカット

厚さ2ミリのスライスウッドの便利なところは、カッターでくりかえし切れ目を入れればカットできるところ。のこぎりいらずは素人DIYにはうれしい。

スライスウッドのカット

木材をサイズピッタリに切るのはなかなか難しいですが、カッターならば精度も出しやすく、スキマなく仕上げられます

スライスウッドのカット

あとはこのくりかえし。

スライスウッドのカット

最後は狭いスキマが残ってしまうので、

スライスウッドのカット

がんばって細くカットして、

スライスウッドのカット

埋めてあげました。

カットし終わったスライスウッド

ふすま3枚ぶんをカットするのに3時間以上かかりました。これだけでもヘトヘトですが、さらに、接着しなければなりません。


■両面テープとボンドで接着する

続いて接着に入りますが、やり方については以前と同じ。

用意する副資材もおなじみのこちら。

両面テープ、ボンド、隠し釘

両面テープ、ボンド、隠し釘です。

両面テープで仮留めしている間に、床用ボンドでしっかり接着する方法です。隠し釘は木材が反っていたり浮いてきたりしたときに使います。

スライスウッドの接着

スライスウッドの裏にテープを貼って、残りの部分にボンドを塗り、

スライスウッドの接着

ぎゅっと圧着すれば、

スライスウッドの接着

接着完了。特に難しいポイントはありませんが、ボンドを塗り過ぎるとスキマからはみ出てしまうので、そこは気をつけたほうがいいかもしれません。

スライスウッドの接着

この要領で一枚ずつ張っていくのですが、

スライスウッドの浮き

たまに、板が反っていて浮いてしまい、段差が残るときがあります。

隠し釘

そんなときは上から隠し釘を打って、ガッチリ固定してあげます。ふすまは中が中空の部分も多いので、下地がある場所(枠の近くなど)を狙って固定するのがよいでしょう。

スライスウッドを張ったふすま

ようやく1枚張り終えました。2枚目以降も同じ要領でひたすら張り進めるだけ。

スライスウッドを張ったふすま

3枚のふすまを張り終えたときには4時間以上経っていました。カットと合わせると8時間弱。かなり疲れましたが、まだまだ作業は続きます。次回はワトコオイルによる塗装です。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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