(741)ネズミ、ヘビ、クマ……リアルな動物の森はトラブルばかり
前回、天井裏にイタチにフンとオシッコをされて大変迷惑した話を書きました。
田舎育ちの方に話を聞くと、ハクビシンやイタチが天井裏に入り込むというのはよくある話のようで、「うちの実家でもよくあった」的な反応をされることが多いです。

やはり、東京とはいえ山奥の築古の建物ともなると家の内外でさまざまな動物と遭遇する機会が多く、都会人からすると想像できないようなトラブルに見舞われることもしばしばです。今回は僕が実際に体験したエピソードをご紹介します。
■ネズミはいたるところにフンをするのが厄介

まず、厄介なのがネズミの出没です。
都会の路地裏で見かけるようなドス黒くて大きなネズミではなく、いわゆる野ネズミの一種でもっと小さくてかわいらしいのですが、厄介なのは室内のいたるところにフンをしていくところ。

こんな感じの粒々のようなフンで臭いなどはなく、ほうきで掃けば処分できるのですが、心配なのが衛生面です。食べ物があるキッチン付近に出没されてフンをされると、こちらは皿や食器などをすべて洗わなければならない羽目になります。
今まででいちばんひどかった記憶は、冬に間に食用油のフタをかじり開けて中に入り込んだネズミがそのままおぼれ死に、それを春先にホルマリン漬けのような状態で発見されたこと。それがトラウマになってネズミ対策グッズを探したりもしました。

ネズミを捕獲するための粘着シートです。

ゴキブリホイホイの巨大版のようなネバネバしたシートで、物陰に置いて捕獲する仕組みで効果てきめんでした。
設置するたびに一匹や二匹、簡単に獲れるものの、小さな害虫ならばいざ知らず、小動物を生きながら捕まえ、やがて死んでいくのを何度も目の当たりにするのは都会人としてはなかなかにイヤな気持ちを抱かされます。もちろん、留守中に罠にかかって腐敗した(りミイラ化した)死体を見つけるのもツライです……。
それに、「ねずみ講」とか「ねずみ算式」とかいう言葉があるとおり、ネズミは増え方が尋常ではないので獲っても獲ってもキリがなく、根本的な解決にはならないと思うようになり、最近はあまり仕掛けなくなりました。

いろいろ考えた結果、調味料などはできるかぎり冷蔵庫にしまい、常温保存の食品は密閉容器にしまうようになりました。また、料理の後は念入りに掃除をして、留守中にネズミが出ても食べるものが何もない状態を作るようにしています。おかげでかなり被害は減らすことができましたが、それでもたまにキッチンでネズミのフンを見かけるので僕の不在中に宅内を歩き回っているのはまちがいないでしょう。
■ハチは頻繁に家のまわりに巣を作るので駆除が大変
ネズミとならんで慢性的に悩まされるのがハチ。

軒先やら戸袋の下やら、家のまわりのいたるところに巣を作ります。

別荘の定番装備のひとつ「ハチ激取れ」を吊るして対策もして、あるいていどは予防もできているのですが、

それでも毎年のように家のまわりでハチの巣を発見しています。
写真は比較的危険度の低いアシナガバチなので、

こういうスプレーを買ってきて自分で駆除したりもしますが、
要注意なのが、とっくり型の巣。

これは危険度の高いスズメバチの巣なので、専門業者さんに駆除を依頼するようにしています。

さすがプロ、完全防備で駆除してくれました。
が、そのたびにお金が出て行くのが悩ましいのです。詳しくは以前の記事をどうぞ。
我が家の場合、お招きしたお客さんが刺されたりしたら一大事なので、必要経費だと思って納得するようにしています。
■毒蛇かもしれないと思うと怖ろしいヘビ
インパクトでいうといちばん驚いたのがヘビの出現でしょうか。

いや、草むらや道路でヘビを見かけるのには慣れているんですよ。
驚いたのは朝起きて洗面に行ったら、床にロープみたいなものが落ちていて、何かと思って屈んだら急に動いてヘビだとわかり、腰を抜かしたことがありました。

後でわかったのですが、お風呂の二重窓の外側がわずかに開いたままになっていて、そのスキマから入ったヘビが、風呂上がりの換気のタイミングで内窓が開いているときに浴室まで侵入、そのまま洗面までやってきたようでした。

よく見るとちょっと愛らしい顔をしていて、遠巻きに観察すると楽しい気持ちもあったのですが、ネットで調べても毒があるヘビかどうかわからなかったため、このままリビングに入られたらと思うと心配でなりませんでした。布団で寝ていたらかまれたなんてことになったら大変です。
結局、浴室内に入ったタイミングでトビラを閉めてなんとか閉じ込めることができて事なきを得ましたが、この週末はお風呂に入ることができませんでした。

後日、内窓を外してみると脱皮した抜け殻が。ネット情報ですが、ヘビは湿気がある場所で脱皮するらしいので、浴室はちょうどよかったのでしょうね。
ともあれ、この事件以来、窓の開け閉めには気をつかうようになりました。
■運転中に最悪のタイミングで道路に出てくるシカ
山小屋の道中でも気が抜けません。

ここ数年、夜の運転中にシカを見かけることが格段に増えました。

十年くらい前までは一度も見たことがなかったのに、今では二回山小屋に行くと一回遭遇するくらいの頻度で出会います。

怖いのは、道路わきから最悪のタイミングで道路を横断しようとしてくること。僕はそんなにスピードを出すほうではありませんが、夜道は人が歩いていないと思って油断していると、まさかのタイミングでシカが道路に飛び出してくることがあるのだと気づいてからは、かなりのノロノロ運転になりました。
そのほか、タヌキやキツネ、ウサギやイノシシなどが飛び出してくることもあり、運転中も注意が必要だなと実感しました。
■ついにお向かいにクマが出没した!
そして、なんといっても心配なのが、

クマです。
東北ではすでに社会問題になりつつありますが、東京西部の山間部でもクマの目撃情報は相次いでいます。

昔から近所にこういう看板が立てられていて注意喚起はされていましたが、「クマが出た」なんて言っても地元の人は「どうせ観光客がイノシシを見間違えたんでしょ」みたいな雰囲気だったのです。
ところが、警察が提供する「デジポリス」というアプリによると東京西部でもクマの目撃情報が頻繁に報告されるようになってきたのです。
事実、昨年、うちからクルマで5分ほどのところにお住まいの方が設置している監視カメラに、どう見てもクマにしか見えない動物が映っていたそうです。

となると心配なのが、山歩き。以前は山小屋を訪れたお客さんを誘って近所の山道でトレッキングを楽しんでいたのですが、クマに出くわすことを考えるとゾッとします。

クマスプレーや熊鈴も購入しましたし、最低限の対策はしてあるのですが、僕の場合、マンションのお客さんを案内することもあるので責任重大。外遊びにも二の足を踏んでしまうようになりました。
そして。
つい先日、お向かいの家の栗の木にクマの爪痕が見つかったことがわかり、いよいよ自分もいつクマに遭遇してもおかしくないと危機感を抱くようになりました。こうなると山歩きどころか散歩すら楽しむ気にもなれず、最近は、もっぱら宅内で過ごすことが増えています。

とまあ、思いついただけでも、動物の森で起こるトラブルは枚挙に暇がありません。
そのほか、季節ごとに湧いて出るアリ、カメムシ、カマドウマなどは、もうガマンするしかないと思ってあきらめていますが、最近、朝から外壁をトントントンとつついてくるキツツキが気になっています。音のほうはガマンできるものの、外壁に穴でも開けられたら、また小動物が侵入する入口になってしまうかもしれないと思い、気が気ではありません。これって対策とかあるのだろうか……。
緑豊かな環境は山小屋の魅力ですが、それは自然界の脅威と隣り合わせに暮らすということでもあります。山奥に別荘がほしいなんてお考えの方は、どうぞお覚悟ください。


















