(779)フラッシュバルブ式の古いトイレをタンクレストイレで交換した
前回と前々回、うちのマンション内にある事務所についてお話しました。
11年間の間に少しずつリフォームをおこなってきたのですが、今回は2018年におこなったトイレの工事についてまとめたいと思います。
表題のとおり、フラッシュバルブ式と呼ばれるタイプの古いトイレをタンクレスに置き換えたのですが、狭い空間の中に新しい便器をいかに収めるかに苦労しました。
内容としては過去の記事と重複するところが多くなりますが、
今回は大事なポイントに絞ってまとめたいと思います。
■もともとコンパクトな旧式トイレをどう交換するか?
まずは交換前のトイレをごらんください。

こちらはうちのマンションができた時代=50年以上前に設置された古いトイレで、フラッシュバルブ式と呼ばれるタンクなしの直結タイプのトイレです。

レバーを引くと、高い水圧を利用して一気に水が流れる仕組み。連続使用が可能なこともあって大人数が使うサービスエリアのトイレなどで見かけます。
水を溜めるタンクがないため非常にコンパクトで、これを他の便器で置き換えるのは思ったよりも簡単ではありません。

いつものリフォームならば、トイレまわりのブロック壁を壊して間取りに変更を加え、トイレの中を広くして便器を置きやすくするのですが、この方法は工事費用もかさみますし、今回のように居住中の部屋でおこなうのは難しいです。
ちなみに、一般的なトイレの奥行きは120センチと言われる中で、うちのトイレは約96センチしかありません。この狭い空間そのままになんとか新しいトイレを設置したい、というのが新しい便器選びの肝になります。
トイレの広さを考える際に大事なのは、便座の先端から壁までの距離です。

この距離が一般的には40センチくらい必要と言われているのですが、

採寸してみると、たった28センチしかありません。実際に僕も使ったことがありますが、なかなかの狭さです。なんとか使えるものの使いづらい印象は否めません。
便器を交換してリニューアルするならば、現状より狭くなることは絶対にNGで、より広くなればなるほどベターということです。
■紆余曲折を経てなんとか収まるトイレが見つかる
最初に検討したのはオーソドックスで安価なタンク式のトイレです。

世田谷の自宅も熱海のマンションも山小屋の母屋も、すべてこのトイレを採用してきました。もしこれを設置したとすると…

なんとただでさえ狭い空間が10センチも狭くなってしまいます。これは論外です。
省スペース化といえばタンクレストイレだろうということで、次に検討したのが「アラウーノV」という洗浄機能(いわゆるウォシュレット)が付属しない暖房便座のみのタイプでした。
ところが、

この「アラウーノV」ですら既存のトイレよりも大きく、4センチ狭くなってしまうのです。フラッシュバルブ式の便器のコンパクトさをあらためて実感しました。
頭を抱える僕を救ってくれたのは業者さんの提案でした。
「うちの会社で戸建て用に提供しているタンクレストイレなら、もう少しコンパクトになるかもしれません」

聞けば「ベーシアハーモJ」というビルダー仕様のトイレで、タンクレストイレとしては標準的なタイプ(温水洗浄便座も付属)とのこと。
これならば、

現状のトイレより広くなります。たった2センチなので、当初期待していたよりはだいぶ小さな成果になりますし、一般的に快適と言われる40センチには遠く及びません。でも、現状の間取りそのままで工事をおこなうことが前提なので、これ以上の選択肢は見つかりませんでした。ビルダー仕様のタイプということで、タンクレスにしては価格もリーズナブルということもあり、「ベーシアハーモJ」でいこうと決めました。
■インテリアは白ペンキで塗りつぶして統一感を出す
というわけで、工事開始と相成りました。

しかし、既存の便器を外して新しい便器をただ置けばいい、という単純な話ではありません。既存のトイレとタンクレストイレとでは排水の位置が異なるため、タイル面をはつって配管をし直す必要があるのです。

これが配管工事後の写真。新たに立ち上がった配管の関係で、床の高さを少し上げて水道管を取りまわす必要があり、それに合わせて大工さんによる床の造作工事もおこなわれました。

この床にはDIYでモザイクタイルを張ることにしたのですが、それについては次回に譲るとして、問題は壁タイルや露出になった配管です。
薄汚れた白タイルも、隅に露出で配管された水道管も、そのままでは見苦しいとしか言いようがありません。
そこで、これらをすべて塗装屋さんに白のペンキで塗りつぶしてもらうことにしました。
「タイルを上から塗るなんてできるの?」と思う方もいるかもしれませんが、技術的には可能です。ただし、塗装屋さんからは「塗膜の強度についてはそれなりです」と事前に釘を刺されました。

先取りすると、これが完成後の写真です。タイル面からその上の壁、配管も含めて真っ白に塗ってもらったおかげで、インテリアには統一感が出て想像したよりもきれいな仕上がりになりました。
個人的に気に入っているのがこの感じ。

塩ビ管やタイル、モルタルなど異なる質感をそのまま残すとツギハギ感がモロに出てしまいますが、こうして白一色に塗りつぶすことでラフでありながら見苦しくない見た目に仕上がるのです。
これは同時に施工した別室の露出配管で試した方法でした。
気になっていたのは、塗装屋さんに言われた塗膜の耐久性ですが、

工事から8年経った現在もこのとおりきれいです。事務所では男性にも座って用を足してもらうように促していて、壁に汚れが飛び散ることもほとんどないのできれいに保てています。頻繁に表面をふき掃除をしなければいけないとまた話が変わるかもしれませんね。
■かかった費用は「約23万円」だが前提に注意
かくして、フラッシュバルブ式の古いトイレが新しくなりました。

さて、気になる便座から壁までの距離はというと…

結果は29.5センチ。予定したよりも気持ち狭くなってしまいましたが、工事前の28センチよりもかろうじて広くなりました。正直、使用感はほとんど変わらないのですが、元々の空間がかなり狭かったことを考えると、こうして新しい便器で置き換えることができただけで満足しなければならないかな、と。

妻はこのトイレを使っていますが大きい不満はないようですし、何より来客時にきれいなトイレを貸すことができるようになったのはよかったです。
最後にかかった費用をまとめると、

「209,200円(税抜)」でした。ここに10%の消費税が加わり、「230,120円」≒およそ23万円かかったことになります。
既存の便器の撤去とタンクレストイレの設置、新しい配管工事と床の造作、壁の塗装、天井換気扇の更新など、トイレ内の設備すべてをひっくるめての価格と考えれば、悪くないと思います。
ただし、ご注意いただきたいのが、この明細にも注記されているとおり、このトイレ交換工事は、別の部屋のフルリフォームとタイミングを合わせればコストダウンできるということで実施を決めた経緯があること。
同じマンション内で大工さんや塗装屋さんが工事をおこなうついでにこの部屋にも寄って作業してもらうことで工事費を下げてもらえました。

もし現在、同じ内容の工事を単体でお願いしたとすればこの金額に出張費が乗っかってくるでしょうし、近年の材料費や人件費の値上がりも含めると、もっと高額になることを覚悟しなければならないでしょう。
実はうちのマンション内にはまだ現役で活躍中のフラッシュバルブ式トイレがひとつ残っており、これをリフォームすることになったら、答え合わせができると思うのですが、値上がりも含めて怖くて知りたくない気持ちもあります。
次回は、このトイレの床にDIYで張ったタイルについてお話いたします。


















