(778)古い賃貸部屋を事務所に作り変えるまでの11年間を振り返る
前回、うちのマンション内にある事務所をご紹介しました。
このスペースは主に妻がデスクワークをする場所ですが、同時に僕や妻の打ち合わせスペースも兼ねています。さらに、工具や資材の置き場所でもあり、DIY作業をおこなう工房でもあります。最近では、入居者さんとのちょっとした集まりにも活用するようになりました。
さまざまな役割を兼ねた場所ですが、その背景には2015年から現在に至るまでの11年間の変化があります。今回はそのプロセスを工事内容を中心に時系列順にお話します。
■元々は設備がまったく更新されていない古い賃貸部屋だった
まずは、工事前の室内をごらんいただきたいところなのですが、残念ながら工事を始めた当初は記録を残す習慣はほとんどなく、洗面やトイレなど一部をのぞいて不動産屋さんが撮影した写真も見つかりませんでした。
そこで、手元に資料写真がない部分については、この部屋とほぼ同じ間取りと設備の別の部屋の写真をつぎはぎしてごらんいただきたいと思います。

こちらがリフォーム前の間取り図。
どんな部屋だったかというと、

リビングはこんな感じでした。壁と天井にはおなじみの普及型の壁紙が貼られ、床にはこれまたおなじみのクッションフロアが敷かれておりました。

六畳のリビングには三畳のベッドルームが隣り合い、アコーディオンカーテンで仕切られ、押し入れもありました。

キッチンも築古賃貸でよく見るブロックキッチンでした。

キッチンの反対側には壁付けの棚が。チャイムや電話線もここに配線が引かれていました。

この棚の真裏がトイレに当たるのですが、こちらは写真が残っていました。フラッシュバルブ式と呼ばれるタンクなしの直結タイプで、ゴォーという音とともにすごい勢いで水が流れるトイレでした。

洗面も実物の写真です。先代のときに一度リフォームしたようで、いわゆる一体型の洗面台が導入されていました。
お風呂はといいますと、タイル張りの在来で、おそらくこのマンションができた当時のままだったのですが、ちょうどいい資料写真が見つかりませんでした。

これは23年ぶりに空室になった別の部屋のもので、さすがにこんなに汚れてはいませんでしたが、タイルやその他の設備グレードはほぼこんな感じでした。
以上のように、お世辞にもきれいとはいえないうえに、家賃が低くなりがちな一階の部屋だったこともあり、当時の家賃はたしか9万円も切って8万5千円くらいだったと記憶しています。
■2015年:ベースとなる工事をおこなう
2015年、入居者さんの退去を機にこの部屋を事務所としてリフォームすることになりました。うちの奥さんの仕事が忙しくなってきたこともあり、フリーランスの友人たちと一緒にシェアオフィスのような形でこの部屋を使いたいという話になったのです。
参加するメンバーの希望をヒアリングした結果を元に、予算が許す範囲で僕がリフォーム計画をまとめました。

これは当時、僕が書いたメモ書きです。
前回もご紹介したとおり、下がり壁や押し入れを撤去して、ほぼ真四角の十畳の部屋を作ります。それに合わせて床は全面をフロアタイルに張り替えてもらい、既存の天井も撤去して躯体あらわしにすることに。そして、全体は白のペンキ塗装で塗りつぶします。
一方、キッチンは不要なので撤去し、最低限の洗い物だけができる小さなシンクのみを設置することにしました。
いつもならばトイレや洗面は交換するのですが、事務所使いなのでガマンできるということで、そのままで使うことにしたのでした。

こちらが業者さんによる平面図。先ほどのメモの中ではそのままにするはずだったお風呂は浴槽と水栓も撤去することにして物置として使いやすくしました。

工事後の写真です。キッチンはなくなり、シンプルな壁だけになりました。

キッチンの代わりはサンワカンパニー(現ミラタップ)のシンプルシンク「コトーネ」です(現在は廃番)。事務所ならばこれで十分。

このスペースにはこんな感じでテーブルと椅子4脚を置いて打ち合わせスペースに使っていました。
十畳の広い部屋に生まれ変わったリビングには4人分のワークデスクが置かれたのですが、残念ながら当時の模様を写した写真は残っていませんでした。
このときの工事費用がぜんぶまとめて「116万円」。

2015年の工事なので金額が安めだというのもありますが、やはりトイレや洗面には手を付けず、キッチンについてもミニマムなシンクと交換しただけなのがコストダウンの決め手だったと感じます。
■2017年:タイルDIYで土間と洗面をリニューアル
最初に追加の工事をおこなったのは2017年のこと。
この年からタイルDIYを始めた僕は、この事務所の土間にもタイルを張らせてもらうことにしたのです。

もともとはこんな感じだった玄関土間に、

三角形のタイルを張り、

雰囲気を一新しました。
さらに同じ年、一体型の洗面が故障して水漏れが発生したのを機に、タイル張りの洗面空間を造ることになりました。

大工さんに造作してもらった洗面カウンターから壁面までびっしりタイルを張りました。

野暮ったい洗面が洗練された雰囲気に生まれ変わって、事務所の面々にも喜んでもらえました。洗面工事の詳細については、以下の記事をごらんください。
工事費用ですが、土間のタイルDIYは材料費のみで「12,085円」で、洗面は業者さんにお願いした造作や水道工事も含めて「148,325円」でした。
■2018年:トイレの床にタイルを張り、タンクレスに交換
翌年、今度はトイレに手を入れることになりました。
きっかけは別の部屋でおこなったリフォーム工事です。
この記事でも書いたとおり、狭いトイレの空間をそのままにタンクレストイレを導入してみたのですが、工事業者さんと話したところ、同じタイミングでまとめて作業できるなら事務所のトイレもリーズナブルに交換できるとのことで、合わせて工事をお願いすることにしたのです。

せっかくなので、この工事に乗じてDIYでタイルを張りました。これについては次回以降に詳しく書くつもりです。

この工事にかかった費用は「230,120円」でしたが、これは他の部屋とまとめて工事する前提の価格であること、ご注意ください。
■2020~24年:事務所の使い方の変化とタイル壁のDIY
かくして、洗面とトイレが新しくなり、かなり快適になったのですが、メンバーの仕事状況の変化やコロナ禍などもあり、シェアオフィスとしての事務所は2020年をもって終了することになりました。

うちの奥さん一人には事務所は広すぎることもあり、徐々に物置化が進んでしまうことに。

時を同じくして僕の母が亡くなったこともあり、実家の荷物などの一時置き場にもなってしまい、かなり散らかった状態でした。
2023年から24年ごろにかけ、せっかくの広いスペースがこのままではもったいないということで、一念発起して片付けを開始。

まず、手前の部屋にあった打ち合わせスペースをなくし、僕がDIYで使う道具などを整理して置くことにしました。

さらに、実家で持て余していたダイニングテーブルを事務所に運び、リビングの一画に打ち合わせスペースを設けました。
いざ、片付けてみるとガランとした白い壁が何かつまらないような気もして、全面にタイルを張ろうと思いついたのが2024年のことでした。
総作業時間30時間にも及ぶ苦行の末、見事にタイル壁が完成。
腰高の本棚を設置して、上部のタイル壁はディスプレイのスペースに。このおかげでインテリアのクオリティがぐっと上がりました。

かかった費用はたった「42,805円」でしたが、人件費がタダとはいえ費やした時間を考えるとなかなかの工事でした。業者さんに頼んだら5倍でも済まないかもしれません。

そのかいあってビフォーアフターもこのとおり。この時点で今の事務所の基本的な形が整いました。
同じタイミングで天井の電気工事などもおこない、
これにかかった費用が「67,100円」でした。あわせてタイル壁にピクチャーレールも設置して「35,200円」がかかっています。
■2025年~26年:DIY道具の整理などを経て、ひとまず完成
そして、昨年から今年にかけてDIY道具の整理と収納をさらに進めました。

段ボールが不安定に積まれているせいで目当ての物が探しにくい収納を改善し、

同じ規格のコンテナケースを買い足して段ボールから移し変え、

ルミナスのスチールラックで上下段に大きく分けてスタッキング。

以前とくらべて必要な道具が格段に取り出しやすくなり、DIYの効率もアップしました。

そんなこんなで今年の春、長かった事務所のリフォームがひとまずの完成を迎えたのでした。

ようやく室内が整ったので、今年からは入居者さん(元入居者さん)を招いてちょっとした趣味の会なども開催するようになりました。今後は「マンションの集会所」的な場所としても積極的に活用していくつもりです。
■11年間で費やした費用は「約170万円」
最後に費用をまとめると、以下のとおり。
2015年:全体のリフォーム「116万円」
2017年:土間タイル「12,085円」+洗面「148,325円」
2018年:トイレ「230,120円」
2024年:壁タイル「42,805円」+照明の改善「67,100円」+ピクチャーレール「35,200円」
上記のほか、細々とした工事もありますが、それについては割愛するとして、合計すると「1,695,635円」となりました。通常の賃貸部屋のリフォームなら300~350万円はかかるところ。洗面やトイレをきれいにした割りには安く済んだと感じていますが、やはりお風呂とキッチンのリフォームをおこなっていないのが大きいですね。
もし将来的に事務所使用をやめて賃貸に戻すことになった場合、新たに設備を導入する必要があるので軽く100万円を超える投資は必要になるでしょう。時間の経過とともに仕事もプライベートも大きく変化していくものなので、臨機応変に対応していきたいと思っています。


















