(396)【洗面台リメイク①】「カラーボックス」に木のシートを貼る(前編)
前回、新しく設置した洗面の話をしました。
洗面所内のレイアウトの都合もあって古い洗面は撤去しましたが、
シンプルなデザインは気に入っていて捨てるには惜しいと思いました。
解体時に天板とボウルだけを取り外し、キャビネット部分だけ残してもらいました。せっかくなのでDIYでリメイクして再利用してみようと思います。
■建具をリメイクしたいが、板を張るのは面倒くさい
最初の作業は建具のリメイクです。
ごらんのとおり、キャビネットには3枚の建具が付いています。向かって左の大きな建具は開きトビラ、右のふたつは引出しになっています。
ネジなどを外して取り外しました。
表面の素材は、いわゆる「カラーボックス」と呼ばれる安価な家具によく貼られている化粧板です。設置から半世紀ほどを経ても汚れが目立たない耐久性は大したものですが、風情は全然ありません。これに手を加えて、もう少し雰囲気のある建具にリメイクしてみたいのです。
いちばん手っ取り早いのが塗装でしょうが、できれば木材の質感がほしいと思いました。最初に思い浮かんだのが、toolboxの「スライスウッド」です。
これまで何度も使ってきた薄切りの木材です。写真は山小屋の引戸に張ったときのもの。
現在では廃番となってしまった2ミリ厚のものや現行の4ミリ厚のものなどがあり、どれも加工して張り付ければ木材ならではの「味」を加えることができます。
が、薄いとはいっても板は板。加工にはのこぎりもいりますし、表面や断面を整えるためのやすりがけも必要です。キャビネットのリメイクにそこまでの手間と時間をかける気力が今の僕にはありませんでした。
■東急ハンズで極薄木材シールシートを見つける
そんなとき、東急ハンズでこんなものを見かけました。
「自作のスピーカーボックスにつき板を貼付けました」とのこと。
角まできれいに貼れています。木材のシートがあるってのは知ってたけど、立体的なものにも貼れるんだ、と感心しました。
目に留まったのは「ビッグウィル」という会社の「天然モクモク 樹のシート 裏面粘着シールタイプ」でした。
商品説明によれば「天然木を薄くスライスして作られた」「DIY用の天然化粧材」だそうなのですが、特筆すべきなのはその薄さ。厚みはわずか「0.27ミリ」という超極薄で「ハサミ等で簡単に自由な形に切る事が出来」るのです。また、裏面の「粘着シートを剥がすだけで貼り付けられる」ので接着も容易とのこと。しかも、「木目方向と平行には直角に」折り曲げることができるので、立体的な加工にも対応可能。これならかんたんにカラーボックスのリメイクができそう。
「タテ900mm×ヨコ600mm」の大判サイズを購入してみました。
これなら3枚の建具すべてをカバーできます。
■シートの接着は簡単だが、しっかり圧着するのが大事
では、作業開始。まずはいちばん小さい建具から貼り付けてみました。
ポイントを言うと、上下の側面をカバーできる余白を含め、全体的に大きめにカットするのが大事。貼り付けのときにずれてしまったときのことを考えて、左右にも数ミリの余白を取ることをすすめます。
加工についてはカッターで簡単に切れるので、紙のシールを加工するのと感覚的に大差なく簡単ですが、シール式なので接着のやり直しはききません。
この建具はサイズが小さく表面も平滑なので、裏紙をはがしてシール面を上に向け、そっとのせるように接着してみましたが、うまく張れました。
貼りつけたら、これを使用します。
このジョイントローラーでシート全体をしっかりと密着させ、はがれにくく仕上げるのです。
とくに、いちばんはがれやすいシートの端の角の部分はローラーを45°に傾けて念入りに圧着しました。
床を張るために購入したものを流用したのですが、これがあったおかげできれいに仕上げることができました。木材シートの施工にはぜひご用意いただきたい道具です。
上下については、しっかり折り曲げて側面までシートを接着しました。
余ったシートはカッターで切り落としましょう。
続いて左右の側面にもシートを貼り付けます。
ここもやや大きめにカットしたシートを貼って、
余りを切り落として、角にローラーをかければOK。
思ったよりも簡単できれいに仕上がりました。ハンズで見た作例と同様、角までしっかりシートが貼れたので、パッと見は木の板のように見えるくらいの完成度。
同じ要領でもう一枚の小さな建具にもシートを貼りました。
長くなりそうなので続きは後編で。