(420)デロンギのコンベクターヒーターは寝室にぴったりの暖房だ
いよいよ完成が間近になってきた熱海のマンションですが、ひとつ手つかずで残っている部屋があります。
玄関入って左側、リビングから区切られた六畳の部屋(寝室)です。管理人である僕が使う「スタッフルーム」になります。DIYの道具を置いたり、お客さんと一緒に宿泊する際に僕が寝泊まりするのに使います。リビングのDIY中もここを寝室として使うことができたおかげで、汚れた現場で寝起きせずに済みました。リビング+ひと部屋の間取りを選んでよかったです。
購入時から内装はいじっておらず、お世辞にもきれいとは言い難い状態。絨毯があまりに汚かったので、ひとまずはビニールシートを広げてしのいでいます。お客さんの目に触れる場所でもないですし、しばらくは辛抱するつもりですが、それよりなんとかしたいのは冷暖房のこと。
この部屋、建物の構造上、エアコンを設置することができません。部屋唯一の窓はマンションの廊下に接していて室外機を設置するスペースがどこにもないのです。
去年の夏、さすがに暑さに耐えきれなくなり、山小屋の母屋で余っていた窓付けエアコンを設置して暑さをしのぎました。
しかし、この窓付けのエアコンはかなり古いタイプで冷房専用ですから、暖房機能がありません。冬の寒さ対策については別の手段を考えなければなりませんでした。
そこで購入したのがこちら。
「ゼロ風暖房」の広告でもおなじみのデロンギ(De’Longhi)のコンベクターヒーター「HXJ60L12」です。
この種の商品の中ではそれなりに高額なモデルなんですが、いろいろと積もり積もったクレジットのポイントやギフト券などを使って安く購入することができました。電気で動くヒーターっていまひとつ部屋が暖まらない印象があったので、ハイエンドなモデルを試してみたいと考えた結果です。
大きなパネルに脚がついただけのシンプルデザイン。こういう家電は下手をすると家がゴチャゴチャ見えるきっかけになりがちなので、ここは大きなポイントでした。これなら将来的に寝室をリフォームしたあとも心おきなく使い続けることができると思いました。
さて、気になる機能ですが…
購入時の本体にはこんな感じで特長を列挙したステッカーが貼られていました。
いろいろと文言がならんでいますが、個人的に期待するのは「窓際に置いて冷気をシャットアウト」してくれるところ。
先ほど暑さ対策に窓付けエアコンを設置していると書きましたが、窓に直接取り付けるために一般的なエアコンとくらべて部屋の気密性が下がり、ただでさえ寒い窓まわりが底冷えするのが気になっていました。冬の間だけエアコンを外そうかとも考えたのですが、かなり重くて大変なのであきらめました。
そこで、このコンベクターヒーターを腰高窓の下に置いてやることにします。
この本体上部から暖気がゆらゆらと出てくる仕組みになっていて、「上方への強い自然対流を生み出し、冷気をシャットアウト」(公式ページより引用)してくれるんだそう。
「やけどしにくい安全設計」ということで、手をかざしても「熱っ!」となることはありません。安心ではあるけど、果たしてこれでどこまで部屋が暖まるのでしょうか。布団に入る少し前にスイッチをオンにして試してみました。
ちなみに、公式ページの情報によると8畳の部屋が約16分で20℃になるとのこと。デロンギといえばオイルヒーターが有名ですが、コンベクターヒーターはそれよりも速く部屋を暖めてくれる特長があり、「抜群の速暖暖房」を謳っているそうです。まあ、元の室温が何℃かにもよりますし、16分というのはあくまで目安の数字かもしれません。
実をいうと、個人的にはスピード感はあまり重視していませんでした。スイッチをオンするタイミングが寝る15分前か30分前かのちがいなので、あまり重要ではないのです。
それよりも「これ一台でお部屋全体をあたためる」というキャッチコピーのとおり、本当に部屋全体が暖まるのかが大事。
20℃では低すぎる気がしたので27℃に設定し、30分ほど待ってみました。
部屋に入ってみると室内に漂っていた冷気が消えているのに驚きます。なかなか快適に暖まりました。
僕の言う「快適な暖かさ」とは、冬ならではの冷え切った空気や、足下から立ち上ってくるような寒さが消えていると実感できること。冬の寝室って昼間の間に冷え切って、足下が冷え冷えする感じがありますが、あの寒さがなくなるだけでこんなに快適だとは思いませんでした。設置前に窓の付近で感じていた底冷えが解消されたのもうれしいです。
もちろんエアコンやガスヒーターや石油ストーブのような強力な暖房機器ではありませんから、ドアを開けて部屋に入ったとたんに「うわー、あったけー」となるような強力な暖かさはありません。「ほんのり」「じんわり」と暖かさが伝わってきて「お、寒くない」と思える感じです。
人によっては「まだうすら寒い」と感じるかもしれませんが、僕のように寝室を暖めたい人にとってはこれくらいがちょうどよいのです。
僕も山小屋や世田谷のマンションでガスヒーターや石油ヒーターを使っていますが、ガッツリ暖まるのでベッドに入るときにスイッチを消せば眠りに落ちるまでは寒さを感じることはありません。
でも、夜中の間に室温はどんどん下がり、朝起きる頃には部屋の空気はすっかり冷え切ってしまいます。
一方、エアコンは設定温度を調節すれば寝ている間もつけっぱなしにできますが、とにかく乾燥するのが難点です。ただでさえ乾燥しがちな冬の夜に、エアコンでさらに室内をカラカラにするのはイヤ。
その点、このコンベクターヒーターならば一晩中つけっぱなしにして寝ても快適です。部屋全体を優しく暖めてくれるので、寒い夜などに目が覚めて顔だけが冷えているのに気づいて布団をかぶったりすることもありません。
「過度に暖まり過ぎない」という弱点にも取られかねない特徴が、寝室においてはかなり優れた利点として感じられるのです。
動作音も静かでほぼ無音といえるほど。エアコンよりも静かなので就寝中にまったく気にならないのもうれしいです。
このコンベクターヒーターこそ寝室に最適な暖房機器であると声を大にして言いたいのであります。
ただし、それも正しく使ってこそのこと。パワフルな暖房ではないので使い方を誤るとぜんぜん効果を実感できません。
寝室で使ってみてすごく快適だったので、試しにリビングで寝るときに使ってみたのですが、キッチン含めて広さが15畳近くあるので室内はほとんど暖まらず、あまり効果を実感できませんでした。
8~10畳向けの商品だからムリもないのですが、たとえ広さが適合したとしても、リビングのように窓が大きくてドアが多く、頻繁に開け閉めするような部屋だと暖気が逃げやすく、暖房機能が追い付かずに寒さが解消できない可能性があるのかも、と思いました。
電気代が気になる方もいるかもしれませんので、そのへんも情報も。
デロンギの公式ページの情報によると、「~10畳リビング(20℃設定)で9時間使用した場合の電気代」は「1時間平均 約16.1円」だそうです。デロンギのオイルヒーターとの比較なども掲載されていますが、約15円~20円ほどとどれも大差はありません。エアコンは機能や設定温度によって大きく電気代が異なりますから比較は簡単ではありませんが、やや割高かなという印象です。
我が家のコンベクターヒーターだと16.1円×9時間で「144.9円」ということで「ひと晩あたり約145円の電気代」がかかる計算。
ただ、先ほど試したように真冬ならば設定温度は20℃よりもだいぶ高くしなければならないでしょうから、電気代はもっと高くなるでしょう。一方、春や秋ならば寝ている間はオフにしてもいいでしょうから、もっと安く済むと思います。
最後に、ちょっと心配な点を挙げるとするとこの操作パネルです。
今っぽいおしゃれなデザインなんですが、いまひとつ押しにくいというか押した感が希薄な気がします。
実は、以前、これと似たタイプの操作パネルのついた調理家電を購入してあっという間に故障して反応しなくなった苦い経験があり、若干不安ではあります。古臭い考え方かもしれませんが、操作ボタンは物理的にしっかり独立しているほうが長持ちするし安心かなと思うのですがいかがでしょうか。まあ、しばらく使ってみて様子を見てみることにします。
部屋全体をじんわり暖めてくれ、動作音も静かでつけっぱなしもOK。デロンギのコンベクターヒーター「HXJ60L12」は寝室に最適な暖房だと感じました。
寝室の暖房器具を探している方、ぜひ検討してみてください。