(481)実家の一部を改修して造った賃貸の室内を紹介する
前回、広すぎる実家の一部を賃貸に改修した話をいたしました。
二階を半分に区切って壁と玄関を設け、賃貸にしました。
今回はどんな部屋が完成したか、室内をじっくりごらんいただきたいと思います。
まずは間取り図からどうぞ。
広さは約30平米。
玄関入ってすぐのところにコンパクトなキッチンがあり、ドアの向こうがリビング。廊下の先には洗濯機置き場、洗面、トイレ、ユニットバスがまとめられています。不動産的にはいわゆる1Kになりますかね。
では、写真で順にご案内していきましょう。撮影はすべてカメラマンの邑口京一郎さん。番号が付されている写真は末尾の間取り図で撮影位置を確認することができますのであわせてご参照ください。
玄関に立って室内を眺めたところ。ドアの開口が山型にくりぬかれているのが目を引きます。
当初はアーチ状にしたかったのですが、技術的に手間がかかり費用もかさむと言われ、山型を提案されたのでした。内見時、この形が予想以上に評判よく、工夫したかいがあったと感じたものです。
左を向くとキッチンです。前回も書きましたが、一人暮らしを想定した部屋なのでキッチンは最低限の機能があってデザイン性の高いものを選びました。
選んだのはサンワカンパニーの「ミニモラス」です。この部屋を工事したのは8年半も前なのですが、まだ廃番になっていない人気商品です。組み合わせたレンジフードの「ミニマル」シリーズも健在で、どちらもシンプル&コンパクトなキッチンの定番ともいえる商品ですね。おかげで今見ても古臭さは感じません。
ただ、8年も前の工事ですから「ああしておけばよかった」と思うところはいろいろ見つかります。2本のキッチンレールがなぜか離れて設置されていることや、装飾のついた棚受けがデザイン的に浮いて見えることなどは気になりました。
後悔したといえばコンセントです。この部屋ではデザイン重視でアメリカンタイプのコンセントを採用したのですが、これにうまく挿さらない家電があるのは以前も書いたとおりです。
これ以後、コンセントはすべてパナソニック(Panasonic)製のオーソドックスなものを選ぶようになりました。
リビングに入りました。広さは六畳ほど。
引戸はリクシル(Lixil)のファミリーラインのパレットカラー(現ラシッサD パレット)。当時は、大手メーカーの建具でこのようなグレイがかったブルーは珍しく、部屋のアクセントカラーとして取り入れてみました。
この部屋のポイントとなる室内窓も淡いブルーで仕上げました。
当時、まだ大家になりたてだった僕はさまざまなインテリア本を読み漁って勉強したのですが、そこで知った室内窓が気に入ったので、わざわざ予算を割いて設置したのでした。
デザイン的な要素もさることながら、窓のない水回りに続く廊下に自然光をもたらす役割も果たしています。
廊下から見たところ。はめごろしではなく開閉式だと換気もできるので便利です。
収納には二連式のロールカーテン。
リビングの照明スイッチもこだわったポイント。ネットオークションで見つけたヨーロピアンスイッチです。丸っこくて愛らしい形とは裏腹にガチッとした手ごたえが特徴です。
続いては水回りにまいりましょう。廊下のいちばん奥にはユニットバスがあり、
その前に脱衣所を兼ねた洗面所があります。
洗面ボウルは「テオレマ40」、ミラーキャビネットは「ホテルミラーW750」。どちらも今なおサンワカンパニーのラインナップに残る定番。スタンダードは古びれづらいのでいいですね。
トイレはウォシュレット一体型のタイプ。背面の壁には室内窓と同じブルーでアクセントをつけました。収納は棚板式ですが、今思うとキャビネットのほうが便利だったなと思います。
廊下には洗濯機置き場もあります。ここにも何か収納があるとより使いやすいでしょうね。
ロールカーテンおろすと目隠しできるようにしたのはよかったかな。
廊下からキッチン方面を眺めたところ。船舶風の壁付け照明(MAXRAY・廃番)は業者さんからの提案。こういう工夫ひとつで雰囲気がガラリと変わるのがインテリアの楽しさです。
だいぶ前に手がけた部屋ですからいろいろと言いたいことは思い浮かぶものの、部屋の雰囲気自体は今見ても気に入っています。
こちらのお部屋ですが、今月、8年半を経て空室となりました。実をいうと、いろいろと設備関係にトラブルが多発した部屋で、メンテナンスに四苦八苦したのが記憶に残っています。
次回は、入居から退去までの8年半で起きたトラブルをまとめてみたいと思います。