(70)toolboxのアイアン塗料で木製の窓枠を「鉄っぽく」塗装する
古い物件をリノベーションしていると、必ずといっていいほど直面するのが「昔からある部分を新しく追加した部分とをどうやって調和させるか」という問題。
「ああ、この金具の色だけ浮いてるな」とか「この木の棚受け、金属だったらよかったのに」とか感じることがよくあります。
山小屋のリノベーションでも何度かこの壁にぶつかりました。
そんなときに活用したのが、今回ご紹介する「アイアン塗料」(シュペンパンザー(Schuppenpanzer))です。
このブログではおなじみのtoolboxが取り扱っている商品で、「日刊Sumai」でショールームを取材させてもらった際にもご紹介しました。
この塗料、金属はもちろん、木やプラスティックなどに塗り、まるでアイアンのような質感を出せます。
こちらはショールームにあったサンプル。
上手に塗ると独特の質感が出るのがわかります。
このアイアン塗料、山小屋のリノベーションでは木製の階段や窓枠をはじめ、いろいろな場所で多用しましたが、塗装にあたってはtoolboxのホームページに掲載されている「how to make」というハウツー記事が大いに参考になりました。
スタッフさん自らショールームのドアに塗ってみるという入門編はもちろん、
【toolbox】how to make「アイアン塗料をドア枠に塗ってみた!」
塗装職人の工藤文紀さんによる「プロの塗り方」を紹介する記事もあり、
【toolbox】how to make「素材の重厚感を増す アイアン塗料のプロ技」
実はアイアン塗料についてのノウハウはほぼ網羅されており、今さら僕ごときがしたり顔で塗り方を指南したところで屋上屋を架すことにしかならない気もします。
とはいえ、実際にDIYでアイアン塗料を塗ったことで僕なりに気づいたこともちょっとだけあり、どう失敗したかも含めて書くことで、これからアイアン塗料を使ってみたいというみなさんに参考になればいいなと思います。
アイアン塗料を使おうと思い立ったきっかけはこの窓でした。
もともと通風孔だったところを広げてはめ殺しの窓を造作してもらったのですが、気になったのが白い窓枠。
実は、ここにはサンワカンパニーのロートアイアンを設置するつもりでした。
せっかくの鉄の質感に、この白い窓枠ではガッカリです。
そこで、この窓枠をアイアン塗料で塗装してアレンジしようと考えたのです。
こちらがtoolboxで購入したアイアン塗料(2リットル)。
1リットルは「8,640円」、2リットルは「16,200円」なので、少なめの量しか必要でない人にとっては購入を悩むところですね。
僕はというと「せっかくの機会だし、いろいろ試してみよう」と考えて2リットルを選びました。
では、実際にアイアン塗料を塗っていきたいと思います。
濃度の調整したり筆を洗ったりするには、専用のうすめ液を使ってください。
開けてみると、見るからにこってりとした質感です。
特徴的なのはシンナー臭。
toolboxのスタッフさんが「臭いがキツいので注意してください」と言っていたのも納得です。
小中学生の頃にプラモデルに夢中になったことがあるせいか、個人的にはそこまでイヤな臭いではなく、ちょっと懐かしさを感じました。
アイアン塗料は揮発性なので中身を移し、油性用のハケで塗っていきます。
アイアン塗料は重ね塗りが必須なので、一度目はムラなく塗ることをこころがけます。
塗り終わりました。
まだうっすら下地の色が透けて見えますが、ザラザラとした質感はおわかりかと思います。
しっかりと乾いたのを確認したあと、二度目を塗ります。
アイアン塗料は乾くまで時間がかかるので翌日までは待ちましょう。
できれば数日空けるのがいいと思います。
僕は1週間空けてから二度目を塗りました。
二度目になると表面に塗料がしっかりのっているのがわかります。
凹凸が強調されるようなワイルドな仕上がりを目指したいので、一度目とちがいムラ気にせずベタベタ塗っていきます。
二度目が終了。
乾くとこんな感じ。
少し鉄っぽさが出ました。
商品説明によれば「二度塗りで完成」ということなのですが、個人的にはもっとボッテリとした仕上がりがいいと感じたので、さらに重ね塗りしていきたいと思います。
参考にするのは冒頭にもご紹介したtoolboxの「how to make」の「素材の重厚感を増す アイアン塗料のプロ技」。
「ハケを“立たせ”、毛先だけでポンポンと叩く感じで塗料を塗り重ねていきます」(上記のページより引用)というノウハウを取り入れます。
使うのは、百円ショップで購入したミニぼうき。
チクチクするくらいの強めの毛が特徴。
この毛先で模様をつけるように塗ります。
トントンと軽いタッチで。
アイアン塗料も乾くと多少はやせるので、あえてムラが目立つように塗りました。
乾きました。
思い描いていたイメージに近くなってきました。
「錬鉄」感がでてきた感じ。
元の素材の面影はまったく残っていません。
次回は階段の塗装と仕上げのやすりがけです。