(71)toolboxのアイアン塗料は使いだすと止まらない面白さがある
前回に続き、toolboxが取り扱うアイアン塗料(シュペンパンザー(Schuppenpanzer))の塗装です。
窓枠の次に目をつけたのが、この木製階段でした。
狭いスペースにむりやり設置されたこともあり、足腰のしっかりした大人でもヒヤッとする急な階段です。
リノベーションに際して両サイドにアイアンの手すりを設ける予定だったので、アイアン塗料で階段を塗って手すりと組み合わせてみようと思いつきました。
塗り方などは前回と同じですが、階段の塗装というのがポイント。
当然ながら、一度塗った部分は乾くまで踏むことができませんから、上から順に塗りながら降りてくるということになります。
忘れ物などもチェックし、万全な状態での作業が必要です。
もし2階に携帯など忘れようものなら、塗装面を歩いて取りに行かねばなりません。
しっかり養生してから塗装しましょう。
階段を降りながら、一段ずつサクサク塗っていきます。
どうせ二度塗り、三度塗りするので、そんなに丁寧にやりません。
塗装完了。
やっぱり一度目では、木目が透けて見えますね。
一週間置いて、二度目の塗装です。
前回の窓枠と同様、あえてムラを出すイメージで雑に塗ります。
二度目になると、乾いた後も凹凸が感じられるようになってきます。
さらに一週間置いて、三度目。
ラフな感じに仕上げたいので、あえて一部だけを塗装したりしてみました。
ちょっとやり過ぎたかも。
乾くと多少やせるものの、期待通りのボッテリとした仕上がりになりました。
こうやって書くと容易い感じですが、毎回換気しながらシンナー臭に耐えつつ塗るのはなかなか大変な作業。
技術は要りませんが、根性は必要な塗料と言えるでしょう。
この頃になると、プラスティックの容器も完全にアイアン化しております。
三度塗りが完了したので、いよいよ仕上げに入ります。
使うのはこの240番のやすり。
アイアン塗料は「やすることで塗料の凸凹が強調され、立体感や重厚感が増し、手触りも良くなります」(toolboxの「how to make」より引用)ということなので、チャレンジしてみました。
おお!
軽くやすりがけするだけで、凹凸の模様が浮き上がってくるような感じ。
写真の上部分はやすりがけしたところ、下部分はやすりがけ前。
その差は一目瞭然です。
こりゃあ、面白い!
三度塗りは大変でしたが、ここで一気に疲れが報われる感じがしました。
これを軽くやするだけで、
こうなるんですもの。
塗るのにくらべればやすりがけは断然ラク。
楽しい作業です。
前回塗った窓枠もやすりがけして仕上げました。
後日、アイアンの手すりが設置された後の階段がこちら。
遠目から見ても「木の階段」だった頃の面影はほとんど感じられません。
でも、こうなってくると柱を固定する金具などが気になってきます。
プラスティックや木材を「アイアン化」できるのがアイアン塗料の魅力ですが、金属の色合いをそろえるのにも重宝するのです。
養生して、
塗装します。
すると、元々この色だったかのような仕上がりに。
これは面白いし、便利。
塗るだけで質感が変わるという面白さを体験すると「あれもこれも」とどんどん塗りたくなる衝動に駆られます。
すっかりアイアン塗料の面白さにハマってしまい、世田谷のマンションで使う備品も塗装したりしました。
天井用のアイボルトや、
照明器具など
塗るだけで色が変えられるので、既存の余ったパーツなどを活かすチャンスになります。
結局、2リットル缶をほぼ使い切りました。
というわけで、大満足だったのですが、個人的に後悔もあります。
これは階段の側面の写真ですが、よく見るとまだところどころ木目がうっすら見えます。
元々の表面がきれいに整えられていなかったこともあり、3度塗りしても消しきれませんでした。
やすりがけして木目を多少消してから塗装するか、下地としてパテを塗っていれば、さらに鉄っぽい仕上がりになったのでは、と思います。
同じく、下地にかかわる失敗がもう一点。
これは窓枠ですが、欠けて下地が見えてしまっています。
アイアン塗料はこってりとしているので厚い塗膜ができますが、下地がはがれやすい素材だと、物をぶつけた拍子などに塗膜が欠けてしまうこともあるようです。
よく考えると窓枠の表面は木材じゃなかったんですよね。
これもざっとやすりがけするなどしておけば、もっと塗料がしっかり定着したのではないかと後悔しています。
このあたり、DIYをやり慣れた方なら事前に気づいたのでしょうが、自分はまったく考えていませんでした。
基本的には下地処理の要らないアイアン塗料ですが、高い完成度をめざす方はざっと下地処理をするといいのではないでしょうか。