(323)【ピクセルタイルDIY③】目地量の計算は専門メーカーの計算式に頼るべし
ピクセルタイルのDIYもいよいよ終盤。
前回張り付けたタイルに目地入れをおこないます。
■必要な目地量を算出するための計算式とは?
DIYでタイルに目地を入れる際、どれくらいの量の目地材を練ればいいのかを見きわめるのは本当に難しいです。
たとえばホームセンターなどでも見かけるこの目地材。商品説明にはどんな表記がなされているのか見てみましょう。
平たく塗り広げると5ミリ厚で30センチ×45センチの広さを塗れるということですが、これではタイル込みの施工面積がさっぱり想像できません。
それもそのはずタイルと言っても小粒なものから分厚くて大判のものまで種類はさまざまですから、タイル込みの施工面積を表記することは基本的にできないのです。
僕自身は拙い経験則を元に目地量の目安一覧を作ったりしたこともありますが、たびたび過不足が発生して失敗してきました。
読み返すと、けっこういいかげんなことも書いてますね。まあ、自分が少しずつ進歩してきたんだと思うことにします。
とにかく、目地材が足りなくて慌てて追加分を練るのは絶対にイヤですが、作りすぎて余るのも処分に困るしもったいない気持ちもあり……。
今回張るピクセルタイルは一辺1.5センチにも満たない小粒なタイルで目地部分が多く、目地量も多めになりそうなのは察しが付きますが、やはり具体的な数字の目安がほしいところ。
リサーチしてみたところ、いつも愛用している目地材(スーパークリーン バス・トイレ)の製造元であるLIXIL(リクシル)が目地量の計算式を公開していると知りました。
複雑な式で理屈はさっぱりわからないのですが、これにピクセルタイルのデータをあてはめて計算してみます。なお「目地係数」は商品によって異なり「スーパークリーン バス・トイレ」の場合は1.49となります。
1平米あたり約2.84キログラム必要という計算結果が出ました。
一方、今回の施工面積は0.84m×0.82mで約0.6888平米です。
つまり、2.84キログラム×0.6888平米=1.956kgという計算になり、目地材はおよそ2キログラムが必要だとわかりました。
万全を期す意味で、別のサイトで公開されている目地量計算ソフトも合わせて試してみました。
タイルショップ「シンユウ」が公開している「目地材使用量試算プログラム」です(以前、エコカラットをDIYしたときに購入したショップです)。
【シンユウ】目地材使用量試算プログラム(公式ページへのリンク)
こちらはボックスに数字を入れるだけで必要な目地量が割り出せるという超カンタン設計です。タイルや目地幅のサイズを入力し「計算スタート」をポチ。
「1.96~2.16キログラム」が必要という結果。先ほど計算式で算出したのとほぼ同じ数字が出たので安心しました。
というわけで、今回は2キログラム強の目地を準備しようと思います。
■道具をそろえて目地材を準備する
目地量が決まったら道具の準備です。
目地と水を入れる容器(というか洗面器)2つ、目地を練る際に使うゴムベラ、目地入れに使うゴムベラ、使い捨てゴム手袋です。どれも百均で購入した安物ばかりですが、目地入れ用のゴムベラだけ専用のものをAmazonで購入しました。
といっても、これとて500円ちょっとのお値段。
タイル表面に付着した余分な目地材をふき取るための消耗品は3種類。左から「スポンジ」「ふきん」「キッチンペーパー」です。どう使い分けるかはのちほど。
使用する目地材は先ほどもご紹介したLIXILの「スーパークリーン バス・トイレ」の「ダークグレー」です。かなり濃い目のグレーに仕上がりになります。
内装用防汚目地材 スーパークリーン バス・トイレ4kg MJS/SS-23K 価格:1,100円 |
4キログラム入りで容量多めの業務用ですが、そのぶんコスパもよく、ホワイト・グレー系・ベージュ系のベーシックなカラーバリエーションもそろっていて使いやすいのでおすすめです。
目地を容器に移して計量しました。先ほどの計算で2キロ強ということだったので、気持ち多めの10%増で2.2キログラムを練ることにしました。
指定された量の水を注ぎ、ゴムベラでガシガシと混ぜていきます。最初は水分が多すぎて大丈夫かなと思うくらいサラサラなのですが、だんだんとまとまってボロボロとしてきます。セメントの「だま」が残っていると施工不良の原因になりますので要注意。まんべんなく混ぜるため、僕は仕上げは手で練りました。
水分が飛んでしっかり固まりになったら目地材のできあがり。先日も書きましたが、夏場は水分が飛びやすく、今思うとやや固めな仕上がりに感じます。ちょっと練り過ぎたのだろうか……。
■小粒タイルの目地入れはけっこう大変
練った目地材をゴムベラでタイルの表面に塗り込んでいきます。目地材が乾いてしまうと作業が大変になるのでここからはスピーディーに進めてください。
目地材を目地に押し込むイメージですが、けっこう力が要ります。
ピクセルタイルは小粒で目地も細かいのでスキマなく埋めるのが大変でした。小さいタイルは収まりがつきやすいメリットの反面で、目地入れに手間がかかるというデメリットもあるのです。
周辺部分、とくに隅っこは目地が入りづらいので、目地が柔らかいうちにきちんと入れ込んでおくのをすすめます。
全体にしっかり行き渡りました。ひとまず目地が足りないという事態は回避できました。
ところどころ目地が厚めについているので、ゴムベラで余分な目地材をそぎ取ります。
壁周辺も忘れずに。
そぎ取った目地材も含めて、これくらい残りました。感覚的には余分に作った200グラムくらいが残ったという感じ。さすがオフィシャルの計算式ですね!
多少余計な目地材がないと隅まで入れ込むのが大変なので、気持ち多めに10%増しで練ったのは正解でした。余分な目地材が作業に余裕を生んでくれたと言えます。
■スポンジと布巾でタイルの表面をふいていく
続いては表面に残った目地をスポンジでふき取る作業。
用意したもうひとつの容器に水を入れ、スポンジを浸してぎゅっと絞り、タイルの表面をふきます。この時点では「ふき取る」というよりも固めの目地を濡れたスポンジでならすという感じでやっています。
こんなふうに目地が欠けているところが見つかったら、
余った目地で埋めて、ちょんちょんと指でならしてやりましょう。
スポンジはすぐ汚れてしまうので、まめに水のなかで汚れを落としてあげてください。汚れが落ちにくくなったら新しいものと交換してもいいです。
スポンジによるふき取りが終わったところ。まだたいしてきれいになった感じはしませんね。
続いては水に浸してぎゅっと絞った布巾を使います。
タイルの表面についた汚れをふき取ると、いよいよ表面がきれいに見えてきます。
布巾はスポンジ以上に汚れやすいので、まめに洗います。
途中で布巾を新しいものに交換したりしながら清掃を続けます。先ほどのスポンジもそうですが、消耗品はどんどん使い捨てるくらいのほうがDIYはラクです。環境には優しくないですけど。
布巾による清掃が終わったところ。かなりきれいになりましたが、まだムラのような汚れが目立ちます。
■仕上げから後片付けまで
僕はいつも最後にキッチンペーパーでふき上げをしています。
細かい汚れもふき取ります。
ほぼ完成。
よく見るとまだ少しだけ汚れているのがわかりますが、これくらいなら乾いたあとの清掃で落ちると思います。
目地が乾いてしまう前に養生をはがしてしまいましょう。塗装をはがさないようにそっとはがし、テープとの境目の目地に乱れがあれば指先で整えてあげます。養生テープからはげ落ちた目地材は目地を傷つけないようにふんわりとほうきで掃き掃除しました。今回は土間だったので廊下に掃き出してちり取りで集めて捨てました。
このまま後片付けも済ませてしまいましょう。
作業後にはスポンジや布巾を洗った水が残ります。
これ、中には目地材(つまり、セメント)が含まれているので、そのままぜんぶ排水口に流すと固まって水道管が詰まってしまいますから絶対にダメ。
しばらく置いて目地材が下に沈殿したところで、上澄みの水だけそっと流します。目地材は流さないよう気をつけて。残ったドロドロの目地材をそのままゴミ袋に入れるのもイヤなので、僕は使い終わったスポンジや布巾に吸い込ませてからまとめて処分しています。
■ホワイトのアクセントが効いた土間が完成!
目地材がだいたい乾いたのを確認したら、
最後にひとふきしてあげると、汚れがきれいに落ちます。
完成!
白のアクセントが効いた上品な玄関土間ができました。
工事前の玄関とくらべてみましょうか。
我ながらきれいな仕上がりで満足です。今回もなかなか苦労しましたが、完成すると疲れも吹き飛びますね。
これで玄関土間のDIYは完了しましたが、次回はおまけ回。デジカメで定点撮影した写真を見ながら、作業を振り返ります。