(79)僕にとっての山小屋~R不動産の室田さんと話して考えたこと

山小屋の紹介

先日、「R不動産」を手がける会社「スピーク」の社員で、自身も「イレギュラー」という会社の代表も務めながら中古物件の再生を手がける室田啓介さんが山小屋を見に来てくれました。

室田さんとの対談風景
左が室田さん、右がアサクラ

中古物件再生のエキスパートである室田さんですが、2017年から「お金・利回り至上主義の不動産賃貸業界に一石を投じるべく、不動産にもっと楽しく向き合おう、ホビー的に不動産と関わってみよう」という活動をおこなっているんだそうです。

その活動の一環で僕の山小屋に関心を持ってくれたとのことです。

当日の様子は「R不動産」の「不動産で遊ぼう!」というサイトにて紹介されているので、ぜひそちらをごらんください。

【不動産で遊ぼう!R不動産】
『山小屋付賃貸マンション』アサクラさんインタビュー

「ホビー的不動産」を合言葉に掲げるだけはあり、室田さんは「不動産をどうやって楽しむか」をいつも考えている人。

とくに沖縄で物件を購入し、こだわりのリノベーションを施してAirbnb(エアビーアンドビー)で民泊をおこなっている話は山小屋を管理する僕には興味深いことばかりで、思わず逆取材させてもらいました。

ご興味ある方は「日刊Sumai」の連載を読んでみてください。

【前編】出発点は「沖縄に別荘がほしい」。中古物件のエキスパートが民泊物件をつくった理由

「日刊Sumai」の連載

【後編】中古物件のエキスパートが沖縄につくった民泊物件はリノベのアイディアが満載

「日刊Sumai」の連載

さて、今回は室田さんと話して僕が得た「気づき」について書きたいと思います。

わりと個人的な話であり、いつものようなノウハウや実用性はまったくありませんのでご容赦ください。

今までこの日記で書いてきたことは「どんなふうにリノベーションするか?」というアイデアや「どんな素材をどうやってDIYするか?」という具体的な話。

室田さんとの対談風景

でも、いざ室田さんのような聞き手からいろいろと質問されるまで「どうしてこの山小屋をリノベーションしようと思ったか」については深堀りして考えることはありませんでした。

もちろんビジネス的な答えは明白で「世田谷のマンションの入居者さんに山小屋を使ってもらうため」であり「賃貸物件に付加価値をつけるため」であります。

そこにホビー的な理由=「今までマンションで使うことのできなかった建材を使いたい」とか「家具も含めてインテリア全体を作り上げたい」とか「内装工事をDIYで手がけてみたい」とかも背景として付け加えることができるでしょう。

このへんまではブログでも時折触れてきたとおりです。

個人的には「以上で十分」と思っていたのですが、室田さんから角度を変えながら何度か質問されていくうちに、山小屋(母屋も含めて)が僕にとってどんな場所かを考えることになりました。

言い換えれば、それは「僕が山小屋とどんなふうにつきあってきたか」です。

私事で恐縮ですが、僕と山小屋の小史をお話しいたします。

30年ほど前の山小屋(母屋)
30年ほど前の山小屋(母屋)。離れはまだない。

父も母も東京生まれの東京育ちで、僕には田舎というものがありませんでしたから、物心ついたときに田舎らしい風景としていちばん印象に残っているのは山小屋周辺の景色でした。

毎年、連休と夏休みに遊びに行くのが楽しみだったことは覚えています。

それは、建物にとっては害悪でしかないカビ臭さですらノスタルジックに思い出すほどです。

中学~高校時代には家族で山小屋に出かけるのもなんとなくイヤになり(まあ、思春期なんてそんなものでしょう)足が遠のきましたが、大学に入ってからは友人と山小屋を訪れるようになりました。

学生時代は、バーベキューをやってみんなで雑魚寝みたいな過ごし方がいちばん心地よかったと記憶しています。

僕と山小屋のつきあいかたに決定的な転機になったのは、20代の終わり頃、会社員を辞めて友人たちと山小屋(母屋のほうです)で共同生活を始めたことです。

片付け中の母屋
片付け中の母屋

別荘として使うだけの建物を生活できる場所にするため、祖父の遺した古本をみんなで片付けたり、部屋にペンキを塗ったりしました。

今思うと行き当たりばったりの素人仕事ですが、もともとインテリアにまったく関心などなかったので仕方ありません。

なんとか暮らせる状態が整い、共同生活はメンバーを入れ替えたりしながら、3~4年ほど続きました。

その頃は夏になると、友人たちが毎日のように遊びに来たものです。

結婚を機に僕は世田谷のマンションに戻り、いろいろあってマンションを引き継ぐことになり、現在に至ります。

こうして振り返ると、僕にとって山小屋は何よりも交友の場だったんだと思います。

山小屋の外観

そして今、僕は山小屋をリノベーションし、今度は入居者さんと一緒に訪れるようになりました。

何度も書いてきたように、この日記で紹介している山小屋は入居者さん単独で使用できるように整えられています。

でも、マンションの入居者さんのほとんどはクルマをお持ちでないですし、いきなり山奥まで出かけようとは思わないでしょう。

やはり最初くらいは僕がクルマで一緒にご案内するのがいいと考えたわけです。

世田谷でも入居者さんと一緒に外で食事をしたりすることはありますが、こんなふうに一緒にプチ旅行をしてみるのもなかなか楽しいもので、これをきっかけにさらに親しくなったりもします。

世田谷にいるときは、わずか30平米の我が家にはお客さんは招きづらいものですが、山小屋なら安心。

母屋で一緒に食事を取ったり歓談したりして、夜は離れの小屋で静かに過ごしてもらえます。

夜の山小屋

寝る場所が離れていると、適度にリラックスしてもらえるようです。

最近は、僕が大家業を営むなかで出会った人たちを招待することもあります。

室田さんのように山小屋に関心を持ってくれる人たちですね。

バーベキュー

天気がよければ、小屋の前のスペースでこじんまりとしたバーベキューなどすることも。

バーベキュー場とちがい、静かでゆったりとした時間を過ごします。

さて、この関係、ビジネス的な接待交際なのか、個人的な友人関係なのか。

はっきりしているのは、こういう関係性の場として僕は山小屋を大切に思っているし、今後もそれは変わらないであろうということです。

親戚や友人が子どもを連れて訪ねてきてくれるのもうれしいこと。

今後はまだ2歳の甥っ子も遊びに来ることでしょう。

それがホビーなのかどうか、僕にはわかりませんが、室田さんとお話したことで、こうして文章にできたことはよかったと思います。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営。 『日刊Sumai』(扶桑社)で「なんでも大家日記@世田谷」を連載中。 https://s...

プロフィール

関連記事一覧