(508)【後編】ファニチャーリノリウムをテーブル天板にDIYで接着してみた
前編に続いてテーブル天板にファニチャーリノリウムをDIYで貼り付けていきます。
後編となる今回は接着から仕上げまでをリポートします。
■シートの接着は意外とかんたん
接着作業に入る前にボンドがはみ出ないようにテーブルの側面を養生します。
塗膜がはがれるとイヤなので、接着力の強くないマスキングテープで優しく養生しました。
机の上をしっかり拭いてきれいにしたら、
前回ご紹介したボンドを天板の上に出して、
クシ目ゴテで塗りのばします。
端には塗り残しがないように、
中央は塗りすぎた部分ができないように均等に塗るよう心がけました。
塗り終えたら、しばらく待ちます。この種の接着剤は「オープンタイム」という待ち時間を挟むことで十分に接着力を発揮できるようになるためです。
このボンドの場合「オープンタイムを10分~40分程とる」ことが推奨されています。ずいぶん幅があると思われるかもしれませんが、ボンドの硬化は気温や湿度に影響を受けますので、夏なら10分・冬なら40分といったふうに考えるといいかもしれません。
今回は冬の作業でしたが、ボンドをゆっくりと塗布した時間も加味して「オープンタイム」は20分としました。
待ち時間が過ぎたらファニチャーリノリウムを上からかぶせるように置いて接着です。基本的には一人で作業しましたが、この作業だけは二人でやるほうが確実です。僕は妻の手を借りました。
二人でシートの両端を持って、そっと天板の上に置くように接着しました。緊張する作業ではありますが、両面テープではないので修正は効きますし、過度に神経質になる必要はないと思います。リノリウムは硬さのある素材なので、壁紙のようにあちこちに気泡ができてしまうこともありません。シートから天板がはみ出ないようにだけ気をつけましょう。
続いてゴムローラーでシートを天板に圧着していきます。
力を入れても傷つくことはないので全面をまんべんなくしっかり圧着しましょう。
天板の端は特に念入りに。
圧着が終わりました。巻き癖のせいではがれたり浮いたりしてこないか心配でしたが大丈夫でした。しっかり接着剤が効いているみたい。
念のため、逆さにして本や雑誌など重い荷物をこれでもかとのせて、まる一日置きました。
■はみ出たシートをカットするのがいちばんの難関
翌日。
接着剤が乾いたのを確認してから、今度は天板からはみ出たシートをカッターでカットします。
結論からいうと、この作業がいちばんの難関だと思います。天板の端に合わせて硬いシートを正確にカットするのはなかなか難しいです。
感覚的には天板の端を定規のようにしてまっすぐ切り進んでいくのですが、天板の端を傷つけてしまうのが怖いのです。かといって、臆病になりすぎるとカッターの刃が天板の端から離れて、切ったシートが天板からはみ出てしまいます。
僕はかなり力を入れてじりじり切る感じでやったのですが、これが失敗。
刃を押し付けた力のせいでしょうか、あちこちポロポロと欠けてしまい、断面がガタガタになってしまったのです。
これは別のテーブルで再チャレンジしたときの写真。強い力で一気にカットするのではなく、軽い力で何度も同じラインをくりかえしなぞって切れ目を入れてみました。こうしたほうがガタガタになりにくいと感じましたが、すごくシャープには切れませんでした。難しい……。
カットが終わったテーブル。遠目にはきれいに切れたように見えますが、カットした断面を見ると先ほどのようなガタガタがところどころ目に付きます。
また、接着剤がはみ出てしまっているのも問題です。接着したあと、すぐにふき取っておくべきでした。それに、リノリウムの裏地の黒いシートが見えているのも気になる。
■やすりと塗装で天板の端部を仕上げて完成
このままで完成とするわけにはいかないので、続いて端部を仕上げる作業をおこないました。
用意したのは150番の紙やすりです。
ガタガタだった断面に優しくやすりがけしてやります。
面取りを兼ねるような感じで45度の角度であててみました。
思ったよりもきれいになりました。ファニチャーリノリウムはやすりが効く素材なのでよかったです。
カットした面がガタガタになっても、このやすりがけをおこなえば、それなりにリカバリーができるとわかってホッとしました。
同時にはみ出た接着剤はカッターで削り取りました。
これくらいに仕上がれば上出来でしょう。
ただ、シートのカットとやすりがけをおこなった際、天板の側面の塗装が傷ついてはげてしまったところが散見されます。
というわけで、前回塗装した「セメントグレー」でタッチアップしました。
ここで、はたと思いつきました。ついでにシートの裏地の黒い部分も塗ってしまえばもっときれいに仕上がるのでは?と。
勢いでそのまま塗装してみましたが、
けっこうきれいに塗れました。前回も比較しましたが、リノリウムと塗料の色がかなり似ているので、どこがはみ出たかどうかわからないのがポイント。塗料とリノリウムの色がまったく別だったら、マスキング必須のシビアな作業になっていたことでしょう。
なお、はみ出た接着剤を削り取る作業が甘かった箇所はちょっぴり雑な仕上がりになってしまいました。側面だけ見ると、塗装よりも木口テープのほうがきれいに仕上がるのかもしれないですね。
まあ、遠目に見ればそこまで気になりません。
やっぱり、ファニチャーリノリウムの質感は素晴らしいので満足です。
後日、グレーの鉄脚を付けて完成させたのですが、その模様はまた後日に譲るとして、次回もファニチャーリノリウムの話。異なる色のリノリウムを貼ったテーブルの側面を木口テープで仕上げてみたいと思います。
※2024年3月26日追記
天板に脚を取り付けた際の様子はこちらの記事で公開しています。