(585)窓辺のベンチに照明や小物を配して“ヌック”を作る
ここ数回書いてきた窓辺のリフォームも今回が最終回。
これまでをざっと振り返ると…
もともとは腰高窓の下に本棚が設置されていました。
すりガラスを透明に交換してもらうだけのつもりが、外の景色が素晴らしいので追加の工事を決断。本棚を撤去してベンチを設けることにしました。
大工さんにベンチを造作してもらい、
DIYで木材パネルを張って、
オスモカラーのウッドワックスで塗装しました。
ここにオーダークッションを設置したのが前回の話。
(584)造作ベンチのサイズに合わせてオーダークッションを注文する
ようやくごろんと寝転ぶことができるようになりました。
ちょうど夏休みで山小屋に遊びに来た甥っ子は、早速ベンチを占拠してswitchに勤しんでおりました。
北欧ではこういう居心地のよいこじんまりとした場所を「ヌック」と呼ぶんだそうです。
今回は照明やインテリア小物を配置してこの「ヌック」をより快適に仕上げたいと思います。
■アクセントカラーはタペストリーをヒントにイエローを選ぶ
先ほどの甥っ子の姿をごらんいただければおわかりのとおり、やはりクッションは必須ですから、まずはそこから始めようと思ったのですが、こういう小物選びはいつも色で迷ってしまいがちです。
もともとダークブラウンとモスグリーンを基調とした部屋に、ライトグレーのベンチを入れ込んだ形ですから、ここにさらに色を足すことになるとゴチャゴチャした印象を与えかねません。
とすると、クッションの色もすでに室内にある色(ダークブラウン、モスグリーン、ライトグレー)の中から選ぶのが妥当かなと思っていたのですが、あるタペストリーを見て気が変わりました。
昨年、自由が丘にあるテキスタイルショップ「FIQ」のセールで買ったタペストリーです。
マリメッコ(marimekko)の「SVAALE」という生地で、キツネや花などを大胆にあしらった柄が気に入り、どこにかけるかも考えないまま衝動買いしてしまいました。
しばらく世田谷の自宅にかけて眺めたりしていたのですが、ディープグリーンやマスタードイエローの柄は我が家のようなレトロな部屋にも意外に合うよなと感じており、「この色の組み合わせを真似してみよう」と思いついたのでした。
窓の外や壁にはすでにグリーンの要素があるので、小物でイエローを足してタペストリーに近い雰囲気をめざしたいと思います。
■クッションとシェードにマスタードイエローを取り入れる
そこからはトントン拍子に決まりました。
ベンチに置くクッションにはIKEA(イケア)で見つけたこれ。
クッションカバー「スヴァルトポッペル(SVARTPOPPEL)」です。50センチ角のサイズで「899円」。安い。コーディネートに失敗したら買い替えられる価格。
通販サイトでも手に入りますが、やっぱり割高ですね。
もう一か所くらいイエローを取り入れたいということで、ベンチの前に吊るすペンダントライトにもイエローのシェードを付けてあげることにしました。
イエローのシェードというと、パキッと明るい元気なイエローが多いなか、自由が丘のインテリアショップ「モモナチュラル」で見つけたのはマスタードイエローの落ち着いた色味のシェード。
エナン アイアンシェード ランプシェード 北欧 おしゃれ アクセントカラー 【灯具・電球別売り】 マスタード アクシス HS2855 価格:4400円 |
照明メーカー「AXCIS(アクシス)」の「エナン(ENAN)」というアイアンシェードだそうです。
この2つのアイテムを配置してみると、
浮いてしまうこともなくインテリアのアクセントとしていい具合にはまってくれました。
ベンチのグレーとマスタードイエローの組み合わせ、なかなかよいです。
しかし、やっぱりいちばんの主役は窓から見える外の風景。
クッションを枕にゴロンと寝転ぶと目の前に竹林の緑が広がって気持ちいいのです。
ちなみに、ヒントになったタペストリーを隣にかけてみると、
こんな感じ。これが出発点になっただけあってマッチしています。
日射しの強い夏の午前中なんかは日除けにもなるので便利です。
■スツールとラグを追加して「ヌック」が完成
あとは実際にこの空間を使いながら、必要なものを買い足していきました。
最初に買ったのがこれ。
無印良品の「スチールパイプスタッキングスツール」です。ウォームグレーというカラーなのですが、店舗で一目見て、うちのベンチにかなり近い色だなと思って気になっていました。
リーズナブルなので軽い気持ちで購入してみると、
一緒に塗ったように色味がそろいました。
高さ45センチでうちのベンチの座面とほぼ同じ高さなのです。
実は、これ、スツールといっても座るよりはサイドテーブルとして使うのが主目的。
ベンチにごろ寝しながら、ちょっとした飲み物や食べ物を置いています。
一方、うちの奥さんからは
という言葉が。
んじゃ、ラグでも買うかと思って探したら、
またも「FIQ」のセールでハーフサイズのスモークイエローのラグを見つけてしまいました。
サイズは95センチ×140センチで、ベンチの横幅よりもちょっと狭いくらい。
大人が完全に寝ると脚がはみ出てしまうサイズですが、まあはみ出すくらいならいいでしょう。
ラグの上に木漏れ日が落ちるさまもまたよいのです。
なお、山小屋の環境ではすぐにカビが付いてしまうので、使わないときは巻いて立てかけてあります。
てなわけで、ベンチまわりのインテリアが完成しました。まだ温かい初秋、マンションの入居者さんにお披露目したところ大変好評で、数時間ゆっくり本を読んでいらっしゃいました。どこかに小さい本棚でも設けられるとよいかな、なんて思ったり。
読書はもちろん、昼寝をするもよし、緑を眺めながら飲み物を楽しむもよし。まさに「ヌック」と呼べる空間ができました。
残念なのは、寒さの厳しい晩秋から初春にかけては使えないことで、この記事をお読みいただいている今はオフシーズン。せっかく素晴らしい空間ができましたが、この場所をフル活用するのはまた来年の春になります。
次回は、この「ヌック」を踏まえて客間全体の家具や照明のレイアウトを考えます。