(592)8年前にリフォームした部屋のグレードアップを空想してみる
前回、うちのマンションの中でもっとも低予算でリフォームした部屋をご紹介しました。
限られた予算の中でできることはやったつもりですが、心残りに思うこともありますし、8年経った今だからできることもいろいろと思い浮かびます。
今回は「どんなものを足してグレードアップできるのか」を考えてみたいと思います。なお、この部屋は8年を過ぎた現在も入居者さんがお住まいで、今のところ退去の予定もなく、当面は追加の工事をおこなうことはありません。あくまで大家としての空想を列挙した話としてお読みください。
■今度こそキッチンを新しく交換して使いやすくしたい
なんといっても最初に思い浮かぶのがキッチンです。
予算の都合で既存のキッチンを残しつつ、収納などを追加して使いやすくはしたものの、「ガスコンロの斜め前に洗濯機置き場があって料理しにくい」という致命的な欠点は改善することができませんでした。
グレードアップを語るならば、赤で示したキッチン部分をまるまるリフォームし、洗濯機置き場の位置を移動することは必須でしょう。
となれば、キッチン本体の交換はもちろん、床下の配管もいじらねばなりません。必然的に現在の床材もはがさねばなりませんが、そこは望むところ。キッチン部分だけ床材を切り替えるのもデザイン的に面白いかも、と思ってしまいます。
なお、この使いにくいキッチンとまったく同じ間取りを改善した事例は以前も紹介しました。
業務用キッチンのシンクとコンロ台をL字型にならべるレイアウトです。
これなら洗濯機もガスコンロものびのび使えます。
実際にキッチンを配置したところ。現時点では、このL字レイアウトがうちのキッチンリフォームの定番なのですが、悩ましいのは最近の物価高騰による業務用キッチンの値上がり。
シンプルなデザインもさることながら、キッチンとしては圧倒的にリーズナブルなのが強みだった業務用キッチンですが、今ではネットで手配して施主支給しても安価に済ませることが難しくなってきました。キッチンのみのピンポイントリフォームと仮定しても以前のような価格でのリフォームは難しいかもしれません。
■ユニットバスをDIYでリニューアルする
キッチンのように大がかりな工事ではありませんが、手を入れたいのがユニットバス。
先代のときに在来のタイル張りの浴室だったのを改修してユニットバスにしたことに異論はありません。8年前は他に考えねばならないことが山積みで、このままでいいやと思ってしまいましたが、今見るとやれることはいろいろとあると思います。
小さくて安っぽさを感じさせるシャワーヘッドやシャワーホース、
同じくチープさの漂うハンドルやシャワーホルダーなどを取り換え、
マグネット式の鏡や小棚を設置するのです。
リニューアルが完了するとこんなふうになります。同じ型のユニットバスでもずいぶん印象が変わるものです。
作業の詳細は以前の記事をごらんください。
欲を言えば、シャワー水栓や照明などをもう少しグレードアップできたらいいなとも思いますが、そのへんは予算との相談でしょうか。
■洗面やキッチンにタイルを張り足したい
利便性でいえば以上の2点で十分でしょうが、他にもやりたいことは思い浮かびます。
個人的に絶対にやりたいのがモザイクタイルのDIY。
特に洗面にはぜひタイルを張り足したいです。
8年前にこの部屋をリフォームしたときにはまだタイルをDIYで張るなんて考えもしませんでしたが、いざやってみるとこれが存外楽しいもので、タイルのない洗面を見ると味気なく感じてしまうようになりました。
現在では、タイルの張られていない部屋に空室が出るたびにスケジュールが許すかぎりタイルを追加しています。
どちらも洗面に設けられたニッチに小粒のモザイクタイルを張った事例ですが、工夫すればニッチ以外の場所にもタイルを追加で張ることはできると思います。
今回の部屋でいえば、洗面ボウルの上、キャビネットの下までに範囲を絞ってピンポイントでタイルを張ることになりそうです。
イメージを画像合成してみました。
真っ白なイメージを保ったまま白タイル&白目地は王道です。
最近の自分の好みでいえば大胆に色を取り入れるのも面白いな、と思います。たとえば、こんな感じのミックスカラー。
こうして空想しているだけで張りたくなってきます。
タイルといえばできればキッチンにも張りたいところ。キッチンの壁には水栓や手元灯や収納などが取り付けてあり、後からタイルを張るのはなかなか難しいのですが、先ほどご説明したようにキッチン本体を交換するタイミングならばタイルを張りやすいと思います。
この事例では、タイルを張るためにキッチン収納などを取り外しましたが、
場合によっては備品を取り外さずにできる範囲でタイルを張ることだってできます。
どちらにせよ、洗面にくらべて施工面積も広く作業も大変ですが、タイルを張ると空間の印象がはっきりグレードアップするので骨を折る価値はあります。
■リビングのスイッチをもっと個性的なものに交換したい
まだまだあります。この部屋ではスイッチにアメリカンスイッチを採用しました。
このスイッチ自体は悪くありませんが、最近ではありふれたものになってきた感があり、今見るともう少し個性的なチョイスをしたいと思ってしまいます。
とはいえ、個性的なスイッチはどれも高価なものが多いので、すべてのスイッチを取り換えることはできないのが現実。
最近のリフォームでは、使用頻度も多くもっとも目に入りやすいリビングのスイッチだけは予算度外視で個性的なスイッチを設置しています。
プレートが透明な「見えないスイッチ」をはじめ、
ガチっとした操作感が印象的なヨーロピアンスタイルのスイッチ、
プッシュ式の丸ボタンのスイッチなど、賃貸物件はもちろん、通常の新築物件でもあまり見ることのない個性的なものを採用しています。
■アクセント壁紙やカラーを取り入れたい
リビングの壁にもうひとひねり加えたい気持ちもあります。写真向かって左の鏡が設置してある壁にアクセントを入れたいのです。
他の部屋で採用したアイデアでいうと、
壁紙を貼った事例があります(間取りが左右反転しているため、壁の位置が逆になっています)。
壁紙の柄が変われば印象も変わります。
アクセントで色を付けるのも面白いですよね。
この部屋ではミントグリーンを取り入れてみました。
アクセントカラーで試してみたい色はたくさんあります。
濃い目のブルーもいいですし、
えんじ色も試してみたい。
好き嫌いの分かれにくい色ではなく、もっと個性的な色使いを試してみてもいいかもしれません。
たとえば、イエローとか。
ツートーンもいいかも?なんて考えだすとキリがないですね。
一般的に賃貸マンションにおいては「空室時に古くなったインテリアにどうやってテコ入れするか」が悩みとして語られがちなのですが、個人的には自分の部屋をリフォームするような気持ちで楽しんでしまったもん勝ちというスタンスで取り組んでいきたいと思います。
次回は低額リフォームと高額リフォームの設備と収支をくらべてみます。