(110)アクセントウォールに貼る壁材を比較検討してみる【木材編】
肉の話やら台風の話やら超小型モビリティやらで本丸の山小屋のリノベーションから逸れ気味だったことに気づいたこの頃。
これからしばらく一階の壁材選びについてじっくり書いていこうと思います。
世田谷のマンションではほとんどの壁を塗装で仕上げ、アクセントで壁紙を貼ることがあるくらいで、他の壁材を使うことはまずありません。
見積もりを確認したところ、うちでお願いしている業者さんの場合、養生や下塗りなどを含んだ塗装の平米単価が「2,800円」。
特別な壁紙を使用しなければ、クロス仕上げでも大差はなかったと記憶しています。
そこそこの広さの賃貸リノベーションを業者さんに頼むとなると、予算内にきちんと収めるにはこのどちらかしかないのが現実だと思います。
一方、山小屋はとにかく小さいので壁の面積も狭く、施工もDIYでおこなうため人件費の心配もありません。
それゆえ、少々値の張る壁材を使うこともできると考えました。
せっかくの機会ですし、さまざまな素材を「見た目の存在感」「コストパフォーマンス」「DIY難度」の3点を軸に比較してみることにします。
基本となるのは、玄関ドアを開けて正面の壁です。
部屋に入ってすぐに目に入る壁なので、ここだけは印象に残る素材を使いたいと考えました。
いわゆるアクセントウォールというやつですね。
(第59回で書いたとおり、完成後には祖父が遺した古い本棚を置くことになります)
この壁を念頭に置いて、内装用木材3点を比較してみます。
【ユカハリタイル「コグチ」(西粟倉森の学校)】
存在感 :★★★
コスパ :☆☆☆
DIYの簡単さ:★★★
最初に候補に考えたのが、第37回でご紹介したユカハリタイル「コグチ」(西粟倉森の学校)でした。
もともとは床材として企画された商品ですが、木材の小口部分をあえて見せる個性的な模様はインパクトがあり、アクセントウォールとしての施工にも向いています。
一目で気に入ってしまったので、これでいこうと思った時期もあったのですが、結局、モザイクタイルと組み合わせて床に貼るというアイデアを思いついてしまい、壁に貼るのはやめました。
50ミリ角で区切られていることもあり、DIYでの施工も用意。
素人でも簡単に貼れたことは第84回でも書いたとおり。
ネックになるのは価格でしょう。
価格は1ケース「39,600円」(購入当時は「38,880円」)。
10枚入りで2.5平米の施工が可能ですので、1平米に換算すると「15,840円」。
以下で取り上げる他の候補と比較すると、これはなかなかのお値段だということがわかるはず。
【バンピーウッド「エキゾチックミックス」(サンワカンパニー)】
存在感 :★★★
コスパ :★☆☆
DIYの簡単さ:★☆☆
次の候補は、サンワカンパニーのショールームで見つけた内装用木材「バンピーウッド(Bumpy Wood)」。
Bumpyという名のとおり「凹凸のある」チーク材を組み合わせた壁材です。
こうやって寄りで見るとラフな印象を受けるかもしれませんが、実際に施工された写真をホームページなどで見ると上品な仕上がりになることがわかると思います。
そう、よく高級な別荘なんかでリビングに貼られてるやつです。
暖炉とかと組み合わせたりしそう。
価格を見てみると見た目ほどはお高くはありません。
1ケースで1平米の施工が可能で価格は「8,128円」。
決して安くはありませんが、先に挙げたコグチタイルのおよそ半額です。
施工については、両サイドをカットする必要があるので、そこをきれいに仕上げられるかがポイントになりそうですが、丁寧にやれば素人でもできそうな気がします。
ちなみに、バンピーウッドシリーズには、カットした角材を集めた「ラスティックミックス」や、
色付きの木材が混ざった「ラスティックカラー」などもありますから、
めざすインテリアのテイストに合わせて選ぶことができます。
では、なぜこのバンピーウッドシリーズを選ばなかったかというと、当時、通販の在庫が品切れ状態で2~3か月ほど待たねばならなかったためです。
今思えば、待つのもアリだった気がするのですが、あのときは早く工事を進めたくてウズウズしていたこともあり、とても待てる気持ちではありませんでした。
【「ウッドウォールパネル」(toolbox)】
存在感 :★☆☆
コスパ :★★★
DIYの簡単さ:★★☆
このブログではおなじみのtoolboxが取り扱う「ウッドウォールパネル」も候補でした。
ホームページでの説明によれば「羽目板のカジュアルな雰囲気ではなく、上質な大人の雰囲気をつくりたい」という思いで提供している壁材だそうです。
こちらはtoolboxからお借りした写真ですが、ワックスやオイルで仕上げると、クラシックなホテルのような雰囲気が演出できます。
面白いのは、この商品は昔から「古い家の応接間やレトロな喫茶店などの内装」に用いられてきた「定番の内装材」だということ。
こんなふうに昔からある素材を上手に使うことで空間をアップデートできるアイテムを提供してくれるのがtoolboxのいいところだなと思います。
昔ながらの定番というだけあって価格もリーズナブル。
1枚(5,624円)で施工できるのは1.4823平米(幅610ミリ×高さ2430ミリ)ですから、平米単価に直すと「3,794円」。
仕上がりの高級感を考えると、今回候補に挙げた中でコストパフォーマンスにもっとも秀でた素材と言えます。
この「ウッドウォールパネル」については今ひとつインパクトに欠けるかなと思いアクセントウォールへの施工は見送り、階段横の壁に貼りました。
上の写真は塗装前ですが、オスモカラーで仕上げると、
より木目が際立ちました。
後日あらためて施工の様子をご紹介しますが、無理なくDIYできる難易度でした。
とても気に入ったので世田谷のマンションでも採用しています。
こちらはブライワックス(BRIWAX)仕上げ。
リーズナブルですし、賃貸マンションのアクセントに用いるには最適の壁材だと思います。
「日刊Sumai」の連載でもご紹介したので興味のある方はどうぞ。
以上、木製の壁材をいろいろ検討しましたが、結局、アクセントウォールに採用するには至りませんでした。
次回は引き続き壁材の比較。
タイルなどを検討します。