(130)写真で見る山小屋(イントロダクションを兼ねた総集編)
このブログでは、東京西部の山奥にある小さな小屋をリノベーションする様子を書き綴っています。
祖父から受け継いだ建物を世田谷のマンションにお住いの入居者さんに「別荘」として使ってもらうためにリニューアルしました。
要所要所で業者さんの手を借りつつ、DIYでさまざまな内装工事をしてきましたが、前回までで主要なインテリアについてはほぼ完了しました。
今回は、新しい読者のみなさんへのイントロダクションも兼ねつつ「総集編」をお届けしたいと思います(以前のイントロダクションについてはこちらをどうぞ)。
写真はいつもお世話になっているカメラマンの邑口京一郎さん。
末尾に掲載した間取り図には写真に付した番号を記載し、どの方向から撮影したかをわかるようにしました。
照らし合わせながらごらんいただけば、空間を把握しやすくなるかと思います。
文中に貼ってあるリンクを踏むと、それぞれの項目を詳述した記事を見ることができます。
では、まずは外観から。
足場を組んで、汚れの目立つ外壁を黒く塗装してもらいました。
家の前は斜面にあわせて3段のモルタル仕上げに。
小屋の中は、わずか六畳ほどの超狭小空間。
ささやかな自慢が大きな一枚ガラスの窓です。
ロッキングチェアに腰かけて竹林を眺めれば、小屋の狭さも忘れます。
一階には水まわりの設備を設置しました。
室内で唯一のドアは木製で小窓付き。
スイッチプレートとあわせてウッドワックスで塗装しました。
ドアの先はトイレです。
窓側の壁には丸い開口を設けてみました。
壁に塗ってあるのはグレーの珪藻土。
便器はタンクレスでコンパクトに収め、床にはヘリンボーン組みの小粒なタイルを貼りました。
続いては洗面です。
洗面台には祖母が遺したミシン台を流用しています。
白い壁は珪藻土ですが、トイレの壁とは塗り方のニュアンスを変えました。
壁にはボーダータイルをボックス貼で。
水栓は海外式のハンドルタイプを選びました。
洗面の向かいにはシャワーブースを設置。
70センチ四方のミニマムサイズながら使い勝手は十分です。
水まわりのスペースはカーテンで仕切れるようになっています。
それに合わせて、床もモザイクタイルとウッドタイルを切り替えています。
直線で切り替えず、あえてランダムに組み合わせたところが自分なりのこだわりです。
玄関の前の壁にはエコカラットを貼り、祖父の遺品の本棚を置きました。
実はこの小屋、もともと祖父が書庫として建てたもので、工事前は古本であふれていました。
階段の下にはペグボードを設置して、インスタント食品や日用品のストックを置いています。
キッチンはありませんが、お湯を沸かしてお茶や軽食を楽しむことができます。
アイアンの手すりを頼りに急な階段を昇ると屋根裏のような二階です。
もともとベニヤだった壁と天井には、新たに内装用の木材を貼りました。
アクセントの壁紙はイギリス製。
森の中をチョウチンアンコウが泳ぐ不思議な柄が気に入っています。
小さな灯りでくつろぐのもおすすめです。
家具の設置は最小限に抑え、床に座るスタイルで過ごします。
ビニール繊維で編まれた床には、小さなテーブルと低い座椅子を一脚だけ置きました。
透明ガラスに入れ替えた窓からは竹林が臨めます。
丸型のクッションは折りたたんで簡易的な枕にすることができ、備えつけの寝袋で眠る際にも使えます。
日が暮れる頃、外の照明にも灯りがともります。
ただでさえ人の少ない山奥ですから、夜は小川のせせらぎと虫の音だけが聞こえます。
都会の喧騒を忘れて、ぐっすりと眠ることができます。