(198)ディスクグラインダーで小口平タイルのカットに挑戦する
引き続きキッチンの壁に小口平タイルを張っていきます。
前回は、カットなしで張れる部分を作業しました。
今回は、残ったスキマに合うようにタイルをカットします。
スキマの幅に合わせて、油性ペンでタイルの表面にカット線を書き入れます。
問題は「どうやってこのタイルをカットするか」です。
タイルカットについては、さまざまな方法があります。
小粒なモザイクタイルならば、喰い切りと呼ばれるタイルペンチを使用しますし、
先日は、小口平タイルをハンマーで割ってカットする方法もご紹介しました。
この方法では、カット面があまりきれいになりませんでした。
キッチンの壁はちょうど目線の位置ということもあり、もっときれいにカットしたいです。
そこで、ディスクグラインダーを使ったカット方法に思い切って挑戦することにしました。
以前、マンションの外壁修繕の際、職人さんがディスクグラインダーで小口平タイルをカットしているのを見て以来、ずっと気になっていました。
電動で刃が高速に動くディスクグラインダーなら、ぶ厚いタイルも切断することが可能です。
素人が扱うには十分な注意が必要な工具だと思いますので、品質に定評のあるメーカーの製品を選びました。
購入したのはBOSCH(ボッシュ)社の「100mmディスクグラインダー PWS 620-100」。
BOSCHはマキタ(makita)などとならんで、ややグレードの高い工具メーカーという印象がありますが、最安値のものとくらべても千円~二千円お高いていど。
僕は安いときを狙って購入して5,524円でした。
サイドハンドルも付属しますから、タイルという硬い素材をカットするときも、ブレたりしないようしっかり本体をキープできます。
刃(ホイール)も、タイルがカットできる「硬質タイル・瓦用」(DW-105PV)をチョイス。
説明書をよく読んで慎重にホイールを本体にセットします。
作業にあたっては革製のグローブを装着しましょう。
写真に撮り忘れましたが、ゴーグルも必須です。
カットに必要な補助的な道具も準備しました。
余った合板とクランプ(万力)です。
作業は舞い上がる粉塵などを掃除する手間を省くため、屋外でおこないます。
我が家の場合、離れの小屋の前の段差部分を利用できるので、作業台もいりません。
まず、大きいほうの合板の上にタイルをならべます。
板からはみ出ているのがカットするタイル。
残りのタイルは高さ合わせのために置いています。
上から小さい合板をのせて、クランプでしっかり固定します。
見えているタイルがグラインダーでカットする部分。
あらためてこのタイルにぐらつきがないか、しっかり確認しておきましょう。
この状態で合板の上に膝をつけば、自分の体重でタイルが固定され、カット中に反動などで事故が起こる可能性をかなり抑えることができるはずです。
準備ができたら、いよいよカット。
グラインダーの電源プラグをコンセントに挿し込みます。
ずっと使い道のなかった屋外コンセントですが、ついに活用することができてよかったです。
慎重にスイッチをオンにして、いざカット。
初めてグラインダーを使った感想は「作業音がすごくでかい」ということ。
人家もまばらな山小屋ならともかく、世田谷の住宅地では屋内でもはばかられる音量です。
しかし、うるさいだけあってパワーもあります。
あの硬いタイルが、木材をカットするくらいの手ごたえで切れました。
今回もソロワークだったため、カット中の写真はありません。
イメージとしては、切断するというよりは、刃を当てて削るという感じに近いと思います。
ホイールの刃は高速で回転するので、無理に力を入れる必要もありません。
最初のうちは断面がきれいにならなかったのですが、再度、断面を削るようにカットしたところ、よりきれいに仕上げることができました。
カットというよりは、回転する刃を削りたい部分に触れさせるくらいの感覚で作業するとうまくいきます。
断面がこれくらいきれいなら十分です。
一度コツをつかめば、あとはくりかえし。
慣れてきて作業が雑になっては事故の危険もありますから、集中力を切らさないように注意しながら、カットを繰り返していきます。
正面の壁の左端に張る12枚のカットが完了しました。
これを現場に持って行って合わせてみると…
ほぼピッタリはまりました。
残ったスキマは側面のタイルを張れば隠れるていどなので問題なし。
同様に、カウンターのすぐわきに張りつける分のタイルもカットしました。
作業内容は変わりませんが、とにかく安全に作業するよう心がけます。
こちらも現場に置いてみるとピッタリ。
スキマ用のタイルがすべてカットできたので、前回と同じやり方で張りつけていきます。
正面左端のスキマに張りました。
続いて、側面の残った一列分のスキマにもタイルを張ります。
なぜ、この一列だけ残したかというと、こういうワケ。
点線部分のタイルを張ってしまうと、先ほどのスキマ埋めのタイルが張りにくくなってしまうので、後回しにしたのでした。
ボンドがまわりのタイルに付かないように慎重に張ります。
なかなかきれいな仕上がりです。
最後にカウンターわきのスキマにも張ります。
狭い場所なのでタイルのほうにボンドを塗って、
張りつけます。
ほぼスキマもなくぴったりと収まりました。感激。
残っていたスキマ部分を無事にタイルで覆うことができました。
個人的には大満足な仕上がりです。
これも思い切ってディスクグラインダーを購入したおかげ。
今まではタイルカットなしでどう張るかを最優先してDIYをやってきましたが、今後はカットありきで自由なレイアウトに挑戦することができそうです。
繰り返しになりますが、最後にあらためて安全性について書きます。
ディスクグラインダーの刃はたいへん危険です。
作業道具の入念な準備、電源のこまめな抜き差し、作業時には石橋を叩いて渡るくらいの気持ちで慎重に臨むべきです。
マンションの外壁工事のときなどは、職人さんはタイルを片手に持って軽々とカットしていましたが、あれは道具の扱いに慣れたプロなればこそ。
われわれ素人は神経質になり過ぎなくらいでちょうどいいと思います。
DIYは自己責任。ケガをしても誰も同情してくれません。
挑戦してみたいと思う方は、くれぐれも安全確認を怠らず、慎重に作業することをおすすめします。