(429)熱海の格安リゾートマンション、リフォームでどう変わった?
熱海の中古リゾートマンションを購入したのが今からちょうど一年前、2022年の3月のこと。物件購入当時の室内は以前もご紹介しました。
DIYによる内装作業と職人さんによる設備工事などを経て、先頃ようやくほぼすべてのリフォームが完了しました。
今回は生まれ変わった室内の様子をごらんいただきます。掲載した写真は基本的にアサクラが撮影したものですが、冒頭のキャッチ画像とクレジット表記を示した画像は友人の陶芸家・いざきあつしくんが撮影した写真であることをお断りしておきます。なお、写真に付した番号は末尾の間取り図の番号に対応していますので適宜ご参照ください。
さて、こちらの部屋は1LDKでおよそ50平米。
間取りには一切手をつけませんでした。
購入時、部屋の中は一部が解体された状態。リフォームにあたってはこの躯体あらわしの壁をインテリアの基調としてグレイッシュでラフな雰囲気を目指しました。
では、玄関から見ていきましょう。
正面のドアはリビング、右側はトイレ、左側は寝室などに使える六畳の部屋にそれぞれ続いています。壁と天井、3つのドア、すべて既存のものを塗装して印象を変えました。
リビングのドアを開けると…
この物件のハイライト、海が一望できる大きな窓が目に入ります。ここからの眺めが物件購入の決め手だったことは以前も書きました。
リフォーム費用の半分以上を費やしてカバー工法で交換しました。真ん中に方立て(柱)がないので海をより広く感じられます。
朝夕、晴雨、春夏秋冬……海の表情の変化を間近に楽しむことができます。
海を見ながらゆったり座れるように窓辺にはイージーチェアを複数置きました。ブルーノ・マットソンのマルガリータチェアと新居猛のニーチェア80です。なお、真ん中のローテーブルは祖父の遺品にあった古いスツールに天板をのせたもの。
イージーチェアに腰かけてコーヒーとお菓子を楽しむのが毎朝の日課です。
窓に向かって左側の壁。冒頭に書いたとおり躯体あらわしの壁は物件購入時のままですが、
露出配管で照明などを追加しました。
上半分が塗装された特殊な電球で、夜になると間接照明として活躍します。
窓を背にしてリビングを眺めたところ。床材にはグレーのコンポジションタイルを選び、DIYで施工。室内をグレーで統一しました。
折れ戸式の建具が付いていた押入れはオープン収納に変更し、中にはゲスト用の寝具や家電などを収納。ロールカーテンで目かくししています。
ちなみに、押し入れ周辺は木造だったので、躯体あらわしの壁にそろえてモルタルのような質感に仕上がる塗料「コンクリートエフェクトペイント」で塗装しました。
ダイニングスペースはリビングを広くとるために、あえてコンパクトにまとめました。壁とキッチン作業台に囲まれており、対面式で椅子を置くにはやや狭かったためL字型のソファタイプを選んだのですが、ダラっと寄りかかれるリラックス感は思ったより快適でした。
照明はゴツいペンダントライトをやや低めに吊り下げてみました。インテリア的にはインダストリアルな雰囲気を意識したのですが、マリンランプのようなデザインのせいか、結果的には海っぽさが出ました。
夜になると船室のようなこもり感。
古いブロックキッチンはDIYで全面的にアレンジしました。もともとガスコンロがあった部分を作業台に変え、アイアン塗料による塗装とタイル張りをおこないました。
空きスペースにはガスコンロ台とレンジフードを増設。ダイニングとの間には作業台を設置して食器や食料を収納しています。
キッチンの建具はすべて取り外してオープン収納にしたおかげで一目で何がどこにあるかわかるのでゲストにも優しいキッチンになったと思います。
ダイニングの隣には脱衣所を兼ねた洗面所へと続くドアが。
もともとあった洗面台は撤去し、小ぶりな洗面ボウルを選ぶことで洗面と洗濯機をならべて設置し、脱衣スペースをゆったり取りました。スチールやステンレスの小物&収納でラフな雰囲気に仕上げました。
左手の引戸は木製ですが、アイアン塗料で塗装しました。この引戸を開けると海が見える浴室です。
既存の黒の壁タイルは残し、はがれかかった部分を補修。床タイルを重ね張りし、水栓などを交換しました。
こちらはトイレ。床にはモザイクタイルを張り、壁は既存の壁紙をはがして躯体あらわしにして仕上げました。便器や照明も新しいものと交換しています。
ちなみに、トイレの向かいにある寝室は管理人である僕が使用するスタッフルーム。ごらんのとおりリフォーム前の状態です。時間を見つけて少しずつ改善していきたいと思っています。
※2023年11月9日追記
リフォーム後の寝室はこちらの記事をごらんください。
いかがでしたか。個人的にはダイニングをコンパクトにしてリビングの余白を広く取ったおかげで広々と感じられる部屋ができたのが気に入っています。
この部屋はマンションの入居者さんに使用してもらう予定なので、これからの運用を通して設備や内装にも手を入れていきたいと思っています。
最後にお金の話も。
こちらの物件、およそ300万円で購入し、諸費用もろもろ込みで350万円いかないくらいでしたが、結局、リフォームにも同じくらいの金額がかかりました。
まず、業者さんにお願いした工事分が250万円ほどで、そのうちの半分以上(約130万円)が窓の交換にかかった費用。
一方、きちんと計算できていないのですが、DIYにかかった費用はおよそ100万弱くらいだと思います。
結局、物件購入から完成までぜんぶひっくるめて700万円弱を投じた計算になりました(なお、冷蔵庫やテーブル、洗濯機などの家具・家電は含まれません)。
築50年の中古リゾートマンションにかける金額として高いか安いかの判断は読者のみなさんにおまかせしましょう。
僕個人としては、今後、マンションのゲストがどれくらいこの物件を活用して楽しんでくれるかで、この費用の意味が決まってくると考えていますが、さてどうなるでしょうか。
これからたくさんのお客さんを招きたいと思っています。